20 平和っていいね
俺は皆の所へ戻るなり阿澄を紹介をした。
「ちっちゃい配下だ」
「ちっちゃいです」
「ちっちゃいわね」
「ちっちゃいッス」
「ちっちゃい」
「よろしくな、ちっちゃい嬢ちゃん」
(ちっちゃい仲間です!)
「むむっ。意外と大きいじゃねーか」
(ちっちゃくないよ!あれ?)
悠木だけが自分の胸と阿澄の胸を見比べていて、阿澄も困惑している。
その横では早見さんがジト目で睨んできている。
ゾンビにも子供にも手を出してないよ!
後でちゃんと名前と年齢を教えてあげた。
ガソリンの給油も終わり、当初の予定通りに高速へ向け出発する。
しかし高速に乗る前に一つやる事ができた。
そう実験タイムだ。
大橋と阿澄、二人は僅かだが違いがある。
食べた数だとは思うが確かめる為にもまずは実験だ。
幸いな事に安売りの殿堂の店が近くにあるので、皆に話して寄って行く事にした。
アルファードに阿澄を乗せ目的地に到着。
しかしお店に入る前に女性陣から一緒に行きたいという声があがった。
理由を聞くと、女の子用品が欲しいとの事だった。
確かに男の俺と、戦わないといけない配下のゾンビだけで持って来るのは難しい。
そこで二人だけという条件で連れて行くことにした。
悠木はドローンでの警戒及び引きこもり体質なため辞退。
沢城さんはもし誰かが怪我をした場合に必要なので留守番。
佐倉さんは前回行ったので他の皆から反対されたので断念。
そういうわけで今回は早見さんと内田さんのコンビでの参戦となった。
早見さんは無駄に気合いが入ってる。
内田さんはトラクターから大きいフォークを取り出し、「お姉様は私が守る」と鼻息が荒いが、以前に佐倉さんを守る時にゾンビにぶっ刺した事があるようなので期待する。
早見さんには銃とバットを持たせた。
内田さんに盾を持たせようとしたが、フォークが両手じゃないと持てないため、盾は俺が持つ事にした
こうなると武器が少ないのが心配なので、店で何かないか探す事にしよう。
オッサンは残りの皆を体を張って守ってもらうので、褒美に靴下の替えを取ってきてあげよう。
今も臭うし。
さて準備もできたので店内に入ろう。
先頭を大橋と阿澄が歩き、中に早見さんと内田さん、最後尾が俺という布陣だ。
店を見ると入口はバリケードがなくガラスだけが割られているので、中に人間はいないと思うが要警戒だ。
大橋と阿澄が入口から中に入ると、いきなり赤目ゾンビが襲ってきた。
ゾンビを襲う奴と襲わない奴の違いは何なんだろう?
ゾンビになった時に意識があるかないかだろうけど、その意識があるかないかの違いがわからない。
ゾンビ化しないオレみたいな奴の違いもわからないしな。
わからない事だらけだが、まずは生き残る事が先決だ。
俺は赤目ゾンビを停止させ大橋と阿澄に食わせる。
6体いたので3体ずつ食わせた。
特に変わりはなさそうだ。
赤目ゾンビも他のゾンビを食っているから、それを食えば簡単に強化できるかと考えていたが、そうはいかないみたいだ。
「ヒィッ」
早見さんが引いていた。
完全に配慮を忘れてた。
一応説明をしたが、やはりまだ常識が邪魔をして受け入れる事は難しいようだ。
内田さんはさすがゾンビ好きなだけあって順応して、大橋と阿澄の口を拭いている。
順応し過ぎじゃね?
まあ良い。
赤目ゾンビはもういなさそうなので、大橋と阿澄には自由にゾンビを食べに行ってもらって、早見さんと内田さんは俺と一緒にショッピングだ。
まずはカバン売場に行き、ボストンバッグやリュック等を確保する。
それから下着売場や家庭用品のコーナーなどを回り、必要な物をカバンに詰めていく。
それから色々回り、スコップ、鍬、鶴嘴、バールのようなバール等、武器になりそうな物を回収する。
作業も一段落し前回の反省も込めて、一旦車にいる悠木に無線を飛ばす。
「悠木、問題はないか?」
「オッサンの足が臭え」
「いいだろ!トラックに一人は寂しいんだよ!」
「写真見てグズってろ」
「何だと!この貧乳が!」
「てめぇ、死にたいようだな」
「ギャアー」
今日は平和でした。




