最近、後輩のようすがちょっとおかしいんだが①
「せんぱ〜い」
「せんぱ〜い、一緒に帰りましょうよ〜」
「せんぱ〜い、土日空いてますか〜」
とこんな感じで鈴菜がベタベタしてくる……。ボディタッチも多くなってきている。もしかしてあれか?女が誘惑してくる時なんてそれしかないだろう……。
「せんぱ〜い」
「来たか……」
ここですかさずボディタッチをしてくる……。
決まりだな……。
俺は財布から金を取り出した。
「え、なんで、お金?」
「最近誘惑してくるからなんか欲しいものでもあるのかと思って」
「私、そんな女じゃあないですよ!?」
「なんだ違うのか」
俺は財布に金をしまう。
テレビかなんかでやってた気がするんだけどな……。でも、違うならなんで誘惑を?
「最近やたら誘惑してくるのかはなんでだ?」
すると、鈴菜はあからさまに目を逸らした。
「……別に何でもいいじゃないですか……」
「気になるじゃないか」
「……内緒ですよ、さあ、早く行きましょう」
「いや、待てよ、琴羽まだだから」
「……分かりました」
鈴菜は何をかくしているんだか……。しつこく聞くと嫌われそうだから聞かないけど。琴羽はまだかなー。
「できたよ」
「ん、じゃあ行くか」
「うん」
「はい」
俺達は三人で部室に向かった。
……鈴菜ってここに来るより、直で行った方が早くね?
「鈴菜って俺達のとこ来てたら遠回りじゃないか?」
「そうだよね、なんで?」
「……何でもいいじゃないですか」
「なんだ?また何かあるのか?」
「さっきのやつの関連というか、なんというか……まあ、時期が来たら分かりますよ」
「いつぐらい?」
「そうですね……私と先輩次第じゃないですか?」
「俺……?」
またなんかめんどくさいことになるのか?思いつきで行動するのは良くないぞ?一時のテンションに身を任せるやつは身を滅ぼすからな。
「思いつきの行動はやめとけよ?」
「しっかり考えた上なので大丈夫です」
「なら、いいけど」
鈴菜はできる子だから大丈夫だろうけどな。まあ、頑張れ、それだけだ。
「鈴菜ちゃん、それって、あたしにも教えられないこと?」
「んー、教えると少しややこしくなるかも知れないのでダメです」
「そっか……」
琴羽にもダメなようなことなんだな……。よほど慎重にやっているのだろう。これなら心配はないかな。
「琴羽さんなら言わなくても気づくかもしれませんけど」
「そうなの?」
「はい、先輩では無理そうですけどね……」
俺では気づけないようなことなのか?男は分からないとか?乙女心ってやつかな。俺は察して詳しいことは聞かないでやろう……。何これ、かっこいい。
「それよりさ、今日って文集の内容考える日だっけ?」
「ああ、そうでしたね」
「文集?」
「琴羽は入ったばかりだから知らないかもしれないが文化祭で文集出すんだよ、で、それの構想を練るの」
「へえー」
文芸部の伝統かなんかで文集を毎回出しているらしい。まだ時間はあるのだが早いに越したことはない。こいうときには楠葉先輩がいると助かる。上谷は最初は厨二方面に偏るからだめだ……。ラブコメとかもいけるやつだけど最初は厨二になる可能性が高い。
「また、リレー小説みたいにするのか?」
「さあ?私は今年からですし」
「あれは、カオスなことになったからな……」
「カオス?」
「ああ、それは―――」
去年、俺と上谷と真と友香里と楠葉先輩でやったリレー小説はとても、カオスなことになった。楠葉先輩より上の先輩はいなくて、二年生以下で作っていたから、あまり詳しい人もいなくて、それは良く分からないことになっていた。
リレー小説は、何人かで小説を書く感じのやつだ。文集といっても、良く分からなかったのでリレー小説になった。
リレー小説の順番は楠葉先輩、真、俺、友香里、上谷だった。
楠葉先輩までは良かった。だがそれからが問題だ。一応、最初は恋愛物だった。楠葉先輩はうまいこと書けていただが、あまり恋愛物とかラブコメを知らなかった真は急に告白させて付き合わせるといういきなりの展開にしてしまった。もう、この時点でかなりやばい。だが、まだ更にやばくなる。俺はというと、妹を登場させたいがためにたくさんの妹を登場させ、一気に登場人物が増えてしまう……しかも、妹の出番が多すぎて、主人公と付き合ってるはずのメインヒロインが全然出てこなかった。友香里は幼なじみと主人公をイチャラブさせていた。まともなフラグすら立っていないのに。上谷は更に追い討ちをかけるようにダメにしていった。主人公は実は魔界の王子で勇者を倒すべく、魔界に旅たってしまった……。
最後は恋愛物ですらないし……おそらく、楠葉先輩だけでやれば最初からうまくいっただろう……。それでも、なんとか出せるようにはなった。話は最初と全然違うが。
こんな感じに今年もなるのは良くない。琴羽と鈴菜がいるからまだましかもしれないけど……。上谷はバトル展開を禁止しないといけないな。
「―――と言うわけだ」
「大変だったんですね……」
「ああ、時間ギリギリまで書き直しをしていたからな……」
一番疲れたのは楠葉先輩だろうが。みんなにアドバイスをしていたからな。上谷には苦戦していたみたいだけど……。
「リレー小説ですか……できますか?このメンバーで?」
「楠葉先輩に頑張ってフォローしてもらえば……」
「人任せですか……」
鈴菜が呆れた視線を向けてくる。
だって、仕方無いじゃん、暴走する奴が多いんだから。
「私に考えがあります」
「「考え?」」
不敵に笑う鈴菜は怖かった。また、変なことを考えていないかな……。
「みんなの得意なところをちゃんと入れればいいんです」
「カオスなことになるぞ?」
「ご安心を、話がちゃん噛み合うようにしますから」
「大丈夫か?」
「はい、妹と幼なじみと後輩が出てくるハーレムでバトル物にすればいいんですよね」
「さらっと後輩足すな」
「細かいことはいいじゃないですか」
それだけ見ればかなりカオスなことになりそうな気がするんだけどな……。素人の俺達じゃ特に。鈴菜はできるのか?作家レベルじゃあないと無理だろ。
「できるの?そんなこと」
「ふふ、私にかかれば楽勝です」
「なんか、上谷に似てきたな」
「いや、それはまじでやめてください」
「お、おう」
素で返されたな。上谷と同類扱いされるのがそんなに嫌だったのか。まあ、上谷と同類=厨二病って言ってるようなもんだもんな。今度からはやめてあげよう。
やっと投稿できました。勉強で忙しくて遅くなりました。量とかも少なくなったりすると思いますが勘弁してください。




