妹(仮)で検索検索ぅ♪①
遂にこの日がやってきた。
恐らくは今日、仕掛けてくるはずだ。昨日はしないと言っていたし、恐らくは今日するだろう。昨日もイライラしていたし、恐らく今日だ。
俺達は今、部室の前にいる。
「……開けるぞ?」
「開けたらいいんじゃないの?」
琴羽は知らないし、普通の反応だ。このあと、起こるであろうことを知らない。何が起こるかは分からない。だが、もしもの場合は妹を守る。
俺は扉へと手をかけた。
「ふふふ、待っていましたよ、琴羽さん」
わざとらしい笑みを浮かべながら鈴菜は言った。
「鈴菜ちゃん……?どうしたの?」
琴羽は何をしているのか分からないと言った様子だった。しかし、鈴菜は止めない。
「先輩の真の妹はどっちか……今こそ決着を付けるときです!!」
「うえええええええええええええええええええっ!?」
凄い驚いていた。逆にこっちがびっくりするわ!
それにしても、鈴菜、凄いこといいやがるな。どんだけ俺の妹になりたいんだよ。どっちも妹じゃあダメなの?二人なら相手できるよ?
「い、妹って……鈴菜ちゃん妹になりたかったの?」
「いいえ、先輩の妹になりたいんです!!」
そんなに俺の妹になりたいなんて、照れちゃうな。冗談はさておき、なんでそんなにこだわるんだ?自分で言うのもなんだけど俺の妹になっても得しないぞ?俺にある程度言う事聞いてもらえるだけで。まさか!俺に何かさせようと言うのか!琴羽には勝ってもらわないと。
「言う事なんて聞かないからな!」
「ん?何を言ってるんですか?先輩?」
「とぼけても無駄だ、全部分かってる」
「?まあ、いいです」
「それより、妹決定戦を始めましょう」
「や、やるの……?」
琴羽は乗り気じゃないみたいだが、頑張れ!俺の危機なんだ。勝ったら言う事聞いちゃうぞ?あ、しまった!どのみち言う事を聞かないといけない。
「さあ、それでは始まりました。妹頂上決戦!勝つのは新橋琴羽か!それとも、二宮鈴菜か!」
「なんで、そんなにノリノリなんだ?」
真は珍しく張り切っていた。面白そうなこと好きだからな。上谷もノリノリみたいだった。
「琴羽殿は今は新橋の妹としての仮初の器にいるが、鈴菜殿も妹としては充分。どちらかが真の妹になるか……」
「お前もノリノリだな……」
先輩は観客として、遠くで椅子に座って見ていた。先輩は見て楽しむ派だからな……。まあ、いいけど。今日も友香里は助っ人か大変だな。俺も超大変。
「それでは競技を発表したいと思います」
事前に準備していたのか、道具や説明などはあらかた済ましているみたいだ。
「最初はお兄ちゃんクイズ!」
「「何それ!?」」
俺と琴羽は二人して驚いていた。
何だよ、お兄ちゃんクイズって……。
「それではルールの方を説明したいと思います」
ルールか……クイズだし、人体には影響なさそうだな……。
「ルールは簡単。二人でお兄ちゃん、つまりは和人に関する問題を5問出します。正解数がポイントになります。最終的にポイントが多い方が勝ちます」
「お兄ちゃんの問題……?」
「そう!どれだけ先輩のことを知っているかで勝敗が決まる」
俺に関する問題って……。そんな問題になるようなことあるか……?ないと思うんだが。
「それでは解説の上谷さん、どう思われますか?」
「そうだな……琴羽殿は一緒に暮らしてるとはいえ、日が浅い。対して、鈴菜殿は何ヶ月かは経っている。琴羽殿が勝てるとすれば、家でのことでだな」
「なる程……そうかもしれませんね。できるだけポイントを稼いで後半へ繋げないところ……二人とも頑張って下さい」
「二人ともマジに実況しすぎだろ……」
しかも、後半って……これ一つで終わりじゃあないんだな……。先輩もすごく楽しそうだ。場に馴染めてないのは俺と琴羽だけだな。
「先攻は琴羽さんに譲りますよ」
「え、問題って言っても……」
悩んでいるみたいだな……。どちらかというと鈴菜の方が有利な気がする。琴羽は勝てるとすれば、上谷の言う通り、家でのことだけだな。
「えっと、じゃあ、お兄ちゃんの誕生日は?」
簡単過ぎだろ!まあ、でも、まだ最初だから大丈夫だ。
「9月5日」
「おっと、答えの方は?」
真が視線を送ってくる。
「え、俺が言うのか?」
こくりと真が頷く。
「……正解だ」
「これは正解できて当たり前ですよ、妹として」
「初めの問題、難なくクリア。鈴菜選手はどんな問題を出すのでしょうか」
いきなり、難しいのは止めてやれよ……。もう、琴羽が勝てる気がしない。
「最初は簡単なのにしますよ」
とりあえずは安心だな。本当に簡単ならだけど……。
「先輩の身長は?」
「これは誕生日と同じぐらいのサービス問題だ!琴羽選手、答えられるか」
確かに簡単な問題だ……。だが琴羽は俺の身長を知らない……。
「え、180cmぐらい……?」
「正解は!」
「……178cm」
「これは痛い。サービス問題を外してしまった、でも、まだ挽回のチャンスはあります。琴羽選手はどんな問題を出すか」
「どうですか、やっぱり、私の方が妹に相応しいんです」
妹ならお兄ちゃんのことを知っていて当たり前。実にその通りだ。妹力なら鈴菜が上かも知れない……。琴羽には厳しいか……。
「うぅ……」
琴羽も少し悔しいみたいだ。妹の意地を見せてやれ!
「お兄ちゃんの昨日のパンツの色は!」
「おっと、これは攻めましたね。どう思われますか?解説の上谷さん」
「うむ、一緒に暮らしているというのをうまく使っているな。さすがにこれは答えられないのではないだろうか」
確かにな、昨日は体育もなかったし、着替えを覗いたりもできない。できるとすれば家で見るか、脱がすかトイレぐらいの物だろう。でも、鈴菜はニヤリと笑みを浮かべていた。まさか、答えられるというのか……。
「赤」
「……正解だ」
なん…だと…!?どうして分かるんだ……。一体、何をした……。
「答えた!!見事正解です。しかし、どうやって知ったのでしょうか……」
「昨日、先輩のズボンのチャックが空いていたんです」
「いや、言えよ!!」
チャックなんて全然気にしてなかったぞ。って言うか言ってくれよ。恥ずかしいじゃあないか。
「真の妹は運さえも味方につけるのか!!」
「当然です」
ふんと、誇らしげに小さな胸を張っている。運さえも味方につけるか……琴羽はどうすればいいんだ?琴羽だけが知っているようなこと……。
「なんとしても、一点はとります……」
「琴羽……」
琴羽にもチャンスはある。例えこれがダメだったとしても次がある。次の為にも一点はとっておきたい。琴羽は何か考えているのか……。
鈴菜は勝ち誇った顔をしていた。
今日は入試の結果発表なので結果しだいで更新ペースが決まります




