あなたの志望動機は?
二次試験は論文と面接らしい。まんま地方公務員試験だな。もうこのまま特例で2次試験までやっちゃおう、という町長の鶴の一声で2次試験が行われることになった。
さて、論文だが…これはよくあるお題が指定されて、そのことについて論じていく、というものだ。お題も非常にありがちな「あなたの入庁後行いたい施策は?」というもので、ここもふるさと納税だと味気ないので、既存資源を活用したイベントを行って交流人口を増やします、ってした。
どちらかというと問題は面接かな、と思っていたら、やはり的中した。
面接は3人の面接官がいて、副町長、教育長、総務課長が一般的だが…まあ、役職はそれであってた。問題だったのは、種族だ。
副町長→アンデット族
教育長→ピクシー族
総務課長→虎獣人
もうすんごい圧が、圧だよ。
妖精の教育長はそこまでだけど、その両サイドがとんでもない。
この圧に負けずに、面接をできるか…いや、俺は課長補佐にまで上り詰めた男。役職的にはほぼ対等だし、ほぼ課長だったし、この程度の面接はイージーだ。
見てろよ、課長補佐の実力見せてやる!!
「あなたの志望動機を教えてください。」
一発目、アンデット族の副町長が口を開いた。
ふふふ、これは回答を用意してある。絶対聞かれるからな!!
「私は、この町に恩返しをしたくて、今日この場にいます。【流れ人】として、この世界に来た私に親切にしてくれたのは、ここの町民でした。そして、役場の方々にもよくしていただき、就職する機会までいただきました。そんなスノー町へ私は行政の立場から恩を返したいのです!!」
「「「ほう…」」」
感嘆の声が聞こえたぞ。つかみはばっちりだな。
「では、あなたは仕事の困難に直面した時、どのようにして解決しますか?」
これは、虎獣人総務課長だな。
「はい、私が困難に直面した時、申し訳ございませんが、一人で解決しようとは考えません。」
ぬ?という顔で虎獣人がこちらを見る。怖い、怖すぎる。
「私は専門的な知識もなく、この世界に疎いのが現状です。しかし、この庁舎内には、この世界に、いや、この町に精通した方がたくさんいらっしゃることでしょう!
そういった方に最初は助言を頂きながら、仕事を進めていきたいと考えております。もちろん行く行くは、独り立ちして、次は逆に誰かを助ける立場になりたいと考えております。」
ふむふむ、といった感じで、虎獣人が顎に手を当てた。(効果音的にはモフッだった。)
最後にピクシー教育長だな、何でも来い!
「子供は好きですか?」
「大好きです!!」
面接が終わった。あとは結果を待つだけだが、特例の試験のため、この後すぐに結果が出るらしい。
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ルイが出た後の、面接室では、このような会話がなされていた。
「彼はぜひ、教育委員会に欲しいわね。子供好きと言っていたし、何よりあの顔が素晴らしいわ。」
と、ピクシー教育長。
「何を言うか!!彼は総務課だ!!あの仕事に対する理解度!熱意!そして先を見通す目!!ぜひ総務課へ!!」
と、虎獣人総務課長。
「いや、彼は財政課へ行くべきだ。私と予算関係の話をしてもらいたい。聞いたかい?彼は新しい税収を増やすシステムを考案したらしい。」
とアンデット副町長。
その後も。わーわーと言い合う3人であったが、最終的な決定権は町長にある。(通常人事であれば、副町長が最終決定者だが、【流れ人】特例のため。)
さて、ルイはどの課に配属されるのだろうか…




