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地方公務員の課長補佐だったんですが、異世界とやらでも公務員です。  作者: もりお


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君の居場所はここだ!ここしかない!

さて、最後の希望、知力検査だが、いったい何をするのだろうか。


「知力検査は、筆記テストを受けてもらう。また、最後の自由記述の問題には、好きなことやものを書いてもらって構わない。たとえば、君の前世で流行ったもの等でも良いんだ。ああ、先に言っておくとだな、リバーシや将棋、チェスなどはもうあるからな。

これはタイラ=ユウイチロウがすでに広めておる。食材のマヨネーズなどもしかりだ。同郷と言っていたし、君がいたところにもおそらくあったのではないか?」


それを聞いた俺はガッカリした。なんで広めてんだよ…俺にうまみを残しといてよ…


「ハイ…ありましたね…それ…」


「ハハハ!!そう気を落とすな!!もしかしたらタイラが流行らせてないものもあるかもしれない!!心して試験に臨みたまえ!!」


「ハイ…」


じゃあ早速、と問題用紙と答案用紙が配られる。そして、一通り目を通した俺が導き出した答えは!!


「これ、公務員筆記試験じゃないか。」


なぜか読めた文字だったが、中身にさらに驚かされた。まんま、公務員試験だったのだ。しかも、地方公務員向けの、文章理解、判断推理、数的処理、などなどである。

ルイは総務課にいた経験もある。人事を取り扱っていたころは、こんな問題腐るほど見てきた。公務の空き時間を利用して、ほぼ満点を取れるまで、勉強したこともあった。

あの時は暇つぶしでしかなかった、あの経験がまさかこんなところで活きるとは、人生何があるかわからないものである。


スラスラと問題を解いていくルイに、町長は目を見張りながらやはり、とかううむ、とか唸っている。

最後の問題まで解き、自由記述である。


ここには、ふるさと納税のことを書いた。

自分のためにここまでしてくれた町長へ少しでも恩を返したいと思い、まだタイラも広めておらず、こちらにはないであろう制度、ふるさと納税のことを事細かに記し、ペンを置いた。


「ム、終わったのか。スラスラと解いていたな。どうだ?こちらの数学は、難しいだろう?」


「(数学…?まあ、数字の問題もあったが…)まあ、でも以外と簡単でしたよ?」


「なっ!!この世界の最難関数学、ジャスパーの定理だぞ!!そんなに簡単なことあるか!!」


「ジャ、ジャスパー???そんな問題、1問だってなかったですよ????」


「え?」


「え?」


「も、問題を見せてくれ!!」


「どうぞ…」


「こ、これは…今年のうちの採用試験ではないか!!まちがえたああああああ!!!!」


「えええええ!!道理で簡単に解けるわけだ!!!!」


「簡単???これ、一応うちの上級試験なんだけど???」


「え、まあ、はい。前の世界では似たような仕事してましたし…」


「そ、そうかい。まあ、採点するまでは分からないが…ん?この最後の自由記述の【ふるさと納税】ってなんだい?」


「ああ、それは前の世界にあった納税システムですね。簡単に言うと、税金の一部を好きな地域に回して、お礼をもらえる仕組み、です。納税者は住んでいる地域、ではなく好きな自治体に納税して、その見返りに、その自治体から特産品などをもらうわけです。すると、どうなるかというと…」


「ぜ、税収が増える!!それに、町のPRにもなるし、産業の活性化につながる!!!」


流石町長、このやり取りで即材に理解したのか。


「ただ、デメリットもありまして…」


「ええい!!そんなことわかるわ!!!ではなく、君は行政に携わったことがあるのだな!!」


「は、はい。働いてました…」


「君の居場所はここだ!ここしかない!君を逃がしてはダメだと、この鼻がそう言っている!!」


自慢の鼻なんだろう。立派な鼻を俺に見せながら、町長はそういった。


「でしたら…ここで働かせてください!!」


「ダメだ!!試験は二次試験まで受けてもらう!!」


俺はこっちの世界に来て初めてズッコケた。

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