スノー町住民課です!
「ここが役場よ!」
バーン!という感じで姉獣人の指した先にあるのは、3階建ての庁舎(役場などの建物)であった。
「おお、これがスノー町役場…意外と庁舎は奇麗だな…」
「意外となんて失礼ね!これでも、町のためにいろいろしてくれるところなの!!」
「おっとすまない…じゃあ、早速【流れ人】の報告をするんだな?」
「うん!!と言いたいところだけど、私たち、実はお使いの途中で…ここからは、お兄さん一人でやってくれる?」
「お兄さん、ごめんなさい…」
おいおいそりゃないぜ!と言いかけたが、ここまでしてくれただけでも充分な親切だろう。
「わかった。これまで、いろいろとありがとう。お礼はまた今度させてくれ。」
「お礼は別にいいわよ!でもお兄さんが大物になったら、エマとビースに助けられたのが始まりだって言ってね!!」
この犬姉弟はエマとビースらしい。覚えておかなければ。
「ありがとう!!エマ!!ビース!!」
照れくさそうに、二人は手を振りながら去っていった。
「さて…早速入るか…」
ルイは早速、スノー町役場へ足を踏み入れた。中は奇麗に清掃されていて、窓口には住民が座っており、その対応を職員がしていた。どの役場でもこの光景は同じだな…と感慨にふけっていると、職員から声をかけられた。
「こんにちは!スノー町住民課です!本日はいかがされましたか?」
この職員は猫耳がついている。猫の獣人のようだ。
「こ、こんにちは。あの、なんて言ったらよいか、どうやら俺は【流れ人】らしくて…」
「ニャ!ニャがれ人!!!!す、少しお待ちをー!!」
獣人職員は「ちょうちょー!!ちょうちょー!!流れ人がー!!」と大声を出しながら廊下を走って行ってしまった。【流れ人】は芸能人とか、そのレベルなのかな?と考えていると、
「ぜー、ぜー、お、お待たせしました。こちら町のトップ、ファント町長です。」
紹介された人は、2m後半くらいの巨大な人で、大きな耳と長い鼻を持つ、どう見てもゾウの獣人だった。
「僕が町長のファントだよ、そして君がミーコの言ってた【流れ人】だね。」
落ち着いた、中年男性の声が俺にやさしく語りかけていた。
「はい!宮本ルイと申します!あの、俺…」
「まあまあ、おそらくまだ混乱していることだろう。お茶でも飲みながら町長室でゆっくり話そう。」
俺は、パニックになっていたらしい。町長の声で少し冷静になった。俺は町長からの提案を飲むことにした。
「はい、お願いします。ファント町長。」
この町長との出会いが俺の異世界生活を波乱万丈にしていくことは、誰も知る由が無かった。




