第六十九話魔王ロビン・フッド「絵三枚」
佐藤太郎御一行はゴブリンキング、ゴブリンロード、ゴブリンゴッドを斃す為に旅に出かけた。そこでようやく万能草のあるゴブリンの巣を見つけた。「ゴクリ」という唾を飲み込む音と共に慎重に洞窟の中に入っていった。
「俺の伸縮自在な剣と隠し持っていたバンダナを付ければスニーキングミッションなんて余裕だよ。今から潜入ミッションを開始する。」
そこには戦士の誇りがあった。
「どうしてそんなバンダナなんか持っていたんだ?」
佐藤太郎は訊いた。
「これは師匠のアヌスがくれた究極のバンダナだ。」
ルストゥス・プリムス・ミウラは誇らしげに答えた。
「へぇー!良い師匠だな!それになんかミウラがカッコよく見える...」
佐藤太郎はミウラの変貌ぶりに驚いた。
「これで敵と戦わずに隠れながら万能草を手に入れてやる!」
ルストゥス・プリムス・ミウラはやる気満々だ。
「そうよ!わざわざ敵と戦う必要なんてないわよ!」
アダル♀が便乗した。洞窟の奥の方から足音がコツコツと聞こえてくる。咄嗟に三人は身構えた。
「そんなに身構えなくてもいい!俺の名はロビン・フッドだッ!ホブゴブリンにしてゴブリンキングの魔王だ。貴様ら俺に何の用だ?」
(こいつ属性てんこ盛り過ぎるでしょ!)
佐藤太郎、ルストゥス・プリムス・ミウラ、アダル♀は同時に同じことを思った。いきなりスニーキングミッション失敗である。
「おい、何の用だと訊いている!」
「あの~実は万能草が欲しくってここに来ました。どうか渡して下さらないでしょうか?」
佐藤太郎が控え目な態度で話した。
「今万能草を育てているが減少傾向だ。」
そう魔王ロビン・フッドが言うとアダル♀が笑った。
「今笑ったな!ホブゴブリンの癖に魔王の癖にゴブリンキングの癖に植物なんか育てていて滑稽だと思ったな!許さん!」
魔王ロビン・フッドはキレやすい。佐藤太郎は宥めようとする。
「ちょっと誤解です。私は病人を救えたらそれで十分です。だから臨戦態勢にならないで下さい!」
佐藤太郎の言葉に魔王ロビン・フッドは落ち着いた。
「それなら条件がある。万能草をあげる代わりにその病人以外の近くの人間が住む村々を滅ぼし根絶やしにしろ!」
「貴様ようやく正体を現したな!」
アダル♀は魔王ロビン・フッドの言葉に切れた。
「面白いではないか!愛する病人を救う為に他の村人たちを殺戮する。さぁどっちを選ぶ?」
魔王ロビン・フッドの邪悪な企みにはまりそうになる。
「お前を斃して両方死なせないッ!」
佐藤太郎は魔王ロビン・フッドに剣を突き立て宣戦布告した。戦闘開始である。
「地獄で後悔しろッ!無限の矢製!」
魔王ロビン・フッドがそう唱えると無数の矢が異次元から召喚されて佐藤太郎たちは重体となった。
「これほど生命力が強い人間は生まれて初めてだ。」
そう言うと魔王ロビン・フッドは杖の鞘を抜いて剣となり一人心臓を突き刺した。
グァッ!
ルストゥス・プリムス・ミウラの血が流れて彼は全てがどうでも良くなる。ルストゥス・プリムス・ミウラは死亡した。
未来佐藤太郎の人類救済計画は頓挫したかと思われた次の瞬間、佐藤太郎が覚醒し異形の化け物となった。佐藤太郎は覚醒状態を自らの意思で思い通りにコントロール出来るようになった。
「なんだこいつ...人間じゃないのか!?」
魔王ロビン・フッドは驚きを隠せなかった。その後途轍もない激闘が佐藤太郎と魔王ロビン・フッドの間で繰り広げられた。形容しがたい超人的なバトルにより洞窟は今にも崩れんとしていた。




