第二十四話覚醒「絵二枚」
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佐藤太郎は帝都アヴァロンで戦う。
教皇IAIDA
(先の転移失敗の腹いせに殺してから核燃料にしてやる。核燃料効率は落ちるがストレス発散になるから良いだろう。)
佐藤太郎の体内から溢れ出した赤黒いオーラは、周囲の空間そのものを歪ませた。教皇IAIDAの顔に初めて驚きの色が浮かぶ。
教皇IAIDA
「なに…この力は…?人間の魂が発する純粋な憎悪が、この形になるなど…!」
IAIDAが叫ぶ間もなく、佐藤太郎の体は異様な変貌を遂げ始める。彼の肌は裂け、血肉が剥がれ落ち、その下から漆黒の甲殻が現れる。彼の背骨は無理やり伸長し、無数の骨の棘が背中から突き出す。その姿はもはや人間とは呼べなかった。
佐藤太郎
「ぐああああああああああッ!」
人間の声ではない、地獄の底から響くような咆哮が佐藤太郎の喉から迸る。
佐藤太郎
「ふぅ.....」
その声を聞いたレムリア帝国軍大将ブレイスの部下たちの頭が、内側から爆発し、脳漿と血の雨が降り注いだ。リベル・マジエ達は臨戦態勢を執る。
リベル・マジエ
「ブレイス!奴が…奴が怪物に成り下がっている!」
ジ・アース帝
「こんなの…予期せん事態だ!」
将軍たちが恐慌に陥る中、大将ブレイスだけは冷酷な笑みを浮かべていた。
大将ブレイス
「ほう…面白い。人間の憎しみがここまでの力を生むとは。教皇様、これこそ最高の燃料ではありませんか?」
大将ブレイスの言葉にIAIDAは苛立ちを隠せない。彼は佐藤太郎に念動力の槍を放つが、それは佐藤太郎の漆黒のオーラに触れた瞬間、蒸発するように消え去った。
佐藤太郎
「無駄だ、IAIDA!俺は今無敵だ。お前が俺の仲間を燃料にしたその罪、今この目で見続けろ!」
佐藤太郎の右腕が異様に膨らみ、無数の肉の触手が生まれる。その触手は光速で伸び、最も近くにいた将軍の体を貫通した。将軍は悲鳴を上げる間もなく、全身の血液と内臓を触手に吸い取られ、干からびたミイラとなって崩れ落ちた。
佐藤太郎
「次はお前だ、ブレイス!」
佐藤太郎の左腕は巨大な鎌に変形し、振り下ろされたその刃は、ネメシス将軍を真っ二つにした。切断面からは内臓が溢れ出し、まだ生きている彼の体は地面を這い回りながら苦悶の声を上げた。
ジ・アース帝
「この化け物を…皆でかかれ!」
将軍達が一斉に暗黒エネルギーを放つが、それは佐藤太郎の体に吸い込まれていくだけだった。彼は彼らのエネルギーを糧に、さらに巨大で Grotesque な姿へと変貌を遂げる。佐藤太郎の体から分離した闇は、レムリア帝国兵士たちに取り憑き、彼らを内側から蝕み始めた。兵士たちは自分の体を引き裂き、内臓を食い散らし、仲間を襲い始めた。街はもはや殺戮の場ではなく、狂気の饗宴と化していた。ブレイスはその光景を眺めながら、IAIDAに語りかける。
大将ブレイス
「教皇様、我々のせいでとんでもない化け物を生み出してしまいました。」
IAIDAはブレイスの言葉に顔をしかめるが、彼の心の奥底では、この惨状に湧き上がる邪な喜びを抑えきれなかった。その時、佐藤太郎の体がさらに変貌を遂げる。彼は巨大な闇となり、帝都アヴァロン全体を飲み込もうとしていた。その闇の中では、無数の市民がまだ生きており、彼らの悲鳴と苦痛が佐藤太郎の力となっていた。
佐藤太郎
「終わりだ…すべてを終わらせる…俺がこの世界を…地獄に変えてやる!」
自身が放つ闇に取り込まれた佐藤太郎の体から放たれた暗黒の波動は、レムリア帝国そのものを侵食し始めた。帝国の壁は溶け、レムリア帝国に迄闇は侵食し、内部の核融合炉は暴走し、燃料にされていた人間たちの魂が解放され、怨念の渦となって街を襲った。
教皇IAIDA
「これは…予期せん…」
教皇IAIDAが初めて恐怖に顔を歪ませた。彼が作り出した地獄が、今や彼自身を飲み込もうとしていた。大将ブレイスだけは、その光景に虚無の表情を浮かべていた。
大将ブレイス
「全部俺のせいだ.....」
帝都アヴァロンは最早生き地獄と化していた。佐藤太郎の憎しみが生み出した闇は、全てを飲み込み、新たな地獄の支配者となろうとしていた。




