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ニート撲滅戦士  作者: 勇氣
第一章SSS級マンティコア討伐への道

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第二十二話甘美なる造幣局(キャンディ・ミント)と、全裸の「縁談(マリッジ・プロトコル)」

何時も読んでくれてありがとうございます。

 帝都アヴァロンの空に、甘く香ばしい香りが漂っていた。

 『世界樹のサラダ』で健康に目覚めたはずの佐藤太郎は、食後のデザートを求めて、帝国の経済的中枢――皇立魔導造幣局の門前に立っていた。


1. 経済を甘やかす男

この国の硬貨は、純粋な魔力結晶を砂糖のように精製した「魔導糖貨」を核に鋳造されている。つまり、造幣局とは帝国最大の「高級スイーツ工場」でもあった。


佐藤太郎

 「なぁジョイス、あそこからいい匂いがするんだけど。キャラメルとチョコを混ぜて焼いたような……あそこで出来立てのやつ食えないか?」


ジョイス♂

 「タロっち、あそこは国家の心臓部ですよ。……いや待て、今の君の資産規模なら、あそこの『生産ラインそのもの』を試食(M&A)することも可能か……」


ディセクター♂

 「おい、門番が泡吹いて倒れてるぞ。ポチが嬉しさのあまり放った鼻息プレッシャーだけで、帝都の防衛網が機能停止してやがる。」


 タローが無邪気に門をくぐるたび、帝国の通貨価値が「美味しそう」という理由で変動し始めていた。


2. 皇帝の最終手段

 一方、宮殿では皇帝が焦燥に駆られていた。軍事、衣服、農業……タローが動くたびに既存のシステムが「全裸」に塗り替えられていく。このままでは帝国の主権すら、彼の「気まぐれな家事」の中に飲み込まれかねない。


皇帝♂

 「……もはや法や暴力では奴を縛れん。ならば、情愛システムで繋ぎ止めるしかない。我が娘――帝国第一皇女を、奴にぶつけるのだ!」


 それは、国家を挙げた「ハニートラップ」という名の政略結婚。しかし、皇女イシュタル・D・アヴァロンは、帝国随一の潔癖症にして、全裸を最も忌み嫌う『礼節の権化』であった。


3. 衝突する「全裸」と「至高」

 造幣局の最奥、黄金の釜で魔導糖貨が練り上げられているその場所に、皇女イシュタルが現れた。


イシュタル♀

 「――控えなさい、野蛮なる賢者! 貴方の不埒な姿が、帝国の神聖なる通貨を汚しています! 恥を知り、この『聖なるシルク』を纏いなさい!」


佐藤太郎

 「ん? 誰だお嬢ちゃん。今、このピカピカの飴玉(硬貨)が固まるのを待ってんだ。……ていうか、そんなに厚着して、この釜の熱で倒れねぇか?」


イシュタル♀

 「礼節は熱気に勝るものです! ……って、何を見ているのですか!?」


 タローは、イシュタルの顔をじっと見つめると、釜の中から出来立ての「魔導糖貨(5,000€硬貨相当)」を素手で掴み出し、彼女の口元に差し出した。


佐藤太郎

 「ほら、お嬢ちゃんも食えよ。怒ってると甘いもんが一番だぜ。これ、ちょっと苦味が効いてて美味いぞ」


イシュタル♀

 「む、無理やり……ん、んんっ!? ……はぅあ!?」


4. 通貨の「融解メルトダウン

 其の瞬間、イシュタルの脳内に、未だかつてない衝撃が走った。タローの指から伝わる規格外の体温(ナノ装甲の微細振動)によって、完璧な比率で再加熱された糖貨は、彼女の口内で『究極の幸福物質エンドルフィン』へと昇華されたのだ。


イシュタル♀

 「(頬を染め、瞳を潤ませて)……何、これ……。私が今まで食べてきたどの宮廷菓子よりも……力強く、そして優しい……。これこそが、世界の真の価値バリューだというの……?」


ジョイス♂

 「(手帳に書き殴りながら)驚いたな。タロっちは『通貨の味を直接調整する』ことで、皇族の価値観を根本からハッキングした……! これにより、帝国の皇位継承権は実質的に『タローの指先』に委ねられたも同然です!」


 潔癖だった皇女は、その場でヘナヘナと座り込み、タローの全裸の脚を「理想の彫刻」を見るような恍惚の眼差しで見つめ始めた。


イシュタル♀

 「佐藤太郎様……。私、分かりました。服とは、この素晴らしい味を遮る壁に過ぎなかったのですね……。私も、今すぐ貴方と同じ『真理の姿』に……」


ディセクター♂

 「待て待て待て! 皇女様、それは国際問題になるから踏みとどまれ!!」


5. 結婚よりも「おやつ」

佐藤太郎

 「お、お嬢ちゃんも気に入ったか! 良かったな。じゃあ、俺はもうお腹いっぱいだから、ポチの散歩に行ってくるわ。これ、余った飴玉、みんなで分けてくれよ。」


 タローはバケツ一杯分の「高額硬貨」を市民たちにばら撒きながら、満足そうに造幣局を後にした。翌日、帝国の公式通貨は、従来の金本位制から『タローが美味しいと言ったもの本位制』へと移行し、造幣局は「世界最大のパティスリー」へとその業態を完全に変更ピボットすることになった。


皇帝♂

 「(報告を受け)……娘を嫁がせるつもりが、国家の経済指標そのものを食べられてしまったか。……だが、民の幸福度は建国以来最高だな。よし、良しとしよう。」


次話予告:

 「おーいポチ、迷子になるなよ! ……って、ここどこだ?」

 散歩中にタローが迷い込んだのは、1000年開かずの『禁忌の宝物庫』だ。そこに眠っていたのは、伝説の魔王の武器……ではなく、タローが元の世界で失くした「家の鍵」だった!?


佐藤太郎の現在の資産:


現金: 算出不能(帝国の通貨発行権を実質的に掌握)


社会的地位: 皇女の初恋相手(全裸教信者・幹部候補)


新事業: 『タロー・スイーツ』世界展開(硬貨としての流通を含む)


フォロワー: 帝国造幣局・全職員(一級製菓師へとジョブチェンジ)


 全裸の男が甘いものを食べれば、世界は蜜のような平和に溶けていく。

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