2/6
孤独の王
孤独の王
ぼくは、特別な力を手に入れたんだ。願うだけで、他人を消せる。ぼくは神に選ばれたんだ。だから、この力はぼくのために惜しみ無く使おう。
ぼくに暴力を振るうやつらをまとめて消した。すっきりした。ついでに電車でぼくに肘をぶつけた女も消した。
髪を染めてる女ってむかつくんだ。こいつらもいらないよね。不細工なやつらも見てるといらいらするんだよ。消えてしまえばいい。
ピンクが好きな男っていけすかない。大嫌い。口が汚いやつは人を不快にするよね。
こういう顔むかつくなあ。
このほくろやだな。
こいつ馬鹿そうな顔してる。
何かむかつくなあ。
――――
――――
――――
いつの間にか、この地球に人間は一人だけになってしまった。映画を見て、人間ってみんなくずだなあって思ってしまったから。ぼくは神に選ばれたんじゃなくて、本当は神そのものなのかもしれない。
「そうだ。この世で一番ムカつく女が生きているんだよ」
こうして人間はいなくなって、ぼくも消えた。
悔やんでも悔やみきれないよ。
(2013/04/10)




