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奴隷天使の少女
奴隷商へ着くなり、宝は足を止めた。
鉄格子の向こうには、獣人や亜人、さまざまな種族が並べられている。
その光景を見た宝の表情が曇る。
「……奴隷って、どういうこと?」
平は淡々と答えた。
「奴隷制度は、五大列国のうち三か国で合法だ。」
「私が聞いてるのは、そんなことじゃない!」
宝は平を睨む。
「どうして、こんなことが許されてるのって聞いてるの!」
「……」
平は何も答えなかった。
その時だった。
「ねぇ、お兄さん。」
か細い声が聞こえる。
二人が振り向くと、一人の少女が檻の中からこちらを見つめていた。
純白の翼。
透き通るような銀髪。
その姿は、まるで絵本から抜け出した天使そのものだった。
「……天使族か。」
平は少しだけ目を見開く。
「珍しいな。」
少女は小さく微笑む。
そして、平を真っ直ぐ見つめた。
「お兄さん……忘却の英雄、でしょ?」




