表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ライン川の歌――ローレライの岩のほとりで  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/5

第四話「川を渡った」


父が、カスパルをローレライの岩の近くまで舟で連れていくことになった。


エルザも乗った。



舟が出た。


川は、速かった。


岩が近づいてきた。



カスパルは、舟の端に座って、川を見ていた。


岩を見ていた。


流れを見ていた。



岩の近くに来た。


川が、狭くなっていた。


流れが、速くなっていた。


父が、慎重に棹を操った。



「ここが、一番速いです」とエルザは言った。


「感じます」とカスパルは言った。「舟が引っ張られるような」


「引っ張られます」とエルザは言った。「知らない者は、ここで流れに負けます」


「怖いですね」


「怖いです」とエルザは言った。「しかし、美しい」


「両方ですね」とカスパルは言った。「怖くて、美しい」


「そうです」とエルザは言った。「この川は、いつもそうです。怖くて、美しい」



岩の傍を通り過ぎた。


川が、また広くなった。


流れが、緩やかになった。



カスパルは、来た方向を振り返った。


ローレライの岩が、遠くなっていた。


「何かが聞こえた気がしました」とカスパルは言った。


「何が聞こえましたか」とエルザは言った。


「川の音が、音楽に聞こえました」とカスパルは言った。「岩の傍を通った時に」


「伝説の歌ですか」とエルザは笑った。


「そうかもしれません」とカスパルは言った。まじめな顔で。



父が、舟を返した。


川を、戻っていった。



(第四話 了)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ