「黒」
(ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・・。うっ!頭が・・・頭がシビレるように痛い。)
「ヴッガッア!!!」
「コツコツ」と足音が暗闇に響く。
暗くてよく見えないが、誰が頭を抱えながら悶えているように見えた。
「あらあら?気分は大丈夫かしら?えーっと。・・・盾を持ってる女性さん?かしら?」
暗闇の中から歩いてきた女性がうずくまる女性?に声をかける。
(ヴッ。・・・ダレダ?・・・タテ?・・・)
影に包まれていた女性がゆっくりと体を起こし始めた。
「ぅっ。」
ゆっくりと目を開く。ーーー視界にノイズが走る。
「ガァ!!」
影に包まれていた女性が手に持っていた盾を振り回し、ものすごい勢いで起き上がった。
「あらあら、危ないじゃない。」
ヒョイと声をかけた女性が飛びながら後ろに避けた。
「ガァ!!グキャァ!!・・・カゲェ!!・・・ヨロイ!!!クロォ!!!」
目の焦点があっておらず、よだれをダラダラと垂らしていた。
「あら?この子・・・あーー。やっぱり生きてたのね。ふふふ。」
声をかけた女性が微笑む。
「・・・それじゃぁ。もっと、もぉーーーっと。楽しいところに連れて行ってあげる。」
「ーーーーー!!ーーーズ!!シーーーーズ!!!」
誰かが必死に呼びかけている。
「グキャァ!!」
「シールズ!!お願い。目を覚まして!!私よ、アリス。アリスよ!!!」
大剣に変化したニカルを盾にぶつけながら、アリスが叫ぶ。
「くっ!やはり我を失っているな。こちらの声が一才届いておらん。」
キィン、キィンと剣と盾がぶつかりながら、ニカルが話す。
ガキィーーン。と鈍い音が響き。アリスとシールズが距離をあけた。
「ヴッ!!」
シールズがうずくまった。
「周囲の者ども耳を塞げ!!!」
ニカルが叫ぶ。
「え?」「なになに?」
「グキャアーーー!!!」
シールズが状態を起こし叫びを上げた。
「うっ。」
周囲にいた警察官がパタりと倒れ始めた。
「きゃーー!!」
遠くの方では多くの人々の叫ぶ声が響く。
「パリーン。」と建物の窓が割れる。
「逃げろー!!」「崩れるぞ!!」
「一体何が起こったの?」
「こっからじゃよくわかんねぇ。」
「かろうじてわかるのは、警察官さん達が倒れたように見えたけど・・・」
「応答せよ。応答せよ!!」
山上が無線を使い、警察官に呼びかける。
「・・・誰の反応もない?」
山上が無線を見つめて、握りしめる。
「アハハ、大変ねぇ。早く行きたいわよねぇ。」
エポカが紫電と魔女の前をピョンピョン飛びながら煽る。
「チッ!!チョコマカと鬱陶しったらありゃしねぇなぁ!!」
紫電が剣を持つ手に力を込める。
(・・・しかし、本当に近づけねぇ。あの一閃が使えればいけるが・・・距離が遠いし、アリスとも一直線にならねぇ。エポカが盾の女と重なったとしても、・・・俺の力不足でとどがねぇ。こいつわかってやがるのか?)
「やっぱりアナタ達は飽きないわね。」
エポカが、ニヤリと笑う。
「うっ。うっ。・・・頭がクラクラする。何が起こったの・・・?」
アリスが耳を塞ぎながら、ふらふらと立ち上がった。アリスが周囲の状況を確認する。
「ってみなさん。大丈夫ですか?」
周囲の警察官が倒れていた。
「先ほどの咆哮で、気を失っているようだな。」
ニカルがボソッと声を漏らした。
「アリスーー!!そっちは大丈夫ーー!!」
魔女が大声を出して、アリスに呼びかける。
「こっちはーー、」
「小娘。下がれ!!」
グラグラと音を立てて、建物が崩れてきた。数人の警察官と警察車両が下敷きになった。
「うっへぇ?きゃあーー!!」
アリスとシールズの周りに砂埃が巻き起こる。
「ゴッホゴホ、。」
アリスが咳き込む。
「グッ。グワァ!!」
ドゴーンと瓦礫の下からシールズが飛び出してきた。
「うわわぁ。」
「小娘!体勢を立て直せ!!」
ニカルの声に感化され、アリスがニカルを握りしめる。
「どっかーん。」「バーーン。」
「ひゃぁーーい。」
今度は周囲の建物が爆発した。
「随分とめちゃくちゃになってきたの。」
「ちょっと、これ本当にやばくない?火事に建物崩壊に、事故に、色々とあの周囲で巻き起こりすぎじゃない?」
魔女があわあわする。
「少し落ち着け!!」
紫電が声を荒げる。
「2人とも落ち着つきなさい。慌てるとエポカの思い通りにされる可能性があるわよ。」
山上が紫電と魔女を落ち着かせるために大声を出す。
「アリスのことは、私も心配よ!!だけど今はこの状況をどうにかすることが優先!」
「冷静な大人がいると気が引き締まるわねぇ。」
エポカが山上の冷静な言葉を聞き、感心するように頷く。
「でも、これだけは言っておくは彼女の・・・シールズのあの行動は私たちにも想像なんてできないわ。」
エポカが両手を広げてながら首を振り言葉を繋げる。
魔女と紫電がゴクリと唾を飲み込む。
「ピリリリ。」山上の携帯電話が着信音が届いた。
「須藤。やっと電話?」
着信相手の名前をみて山上が電話をとった。
「・・・もしもし?須藤。今どうしてるのよ。」
「すみません。先輩!!行きたいのは山々なんですが。」
須藤が言葉を濁す。
「どうしたのよ?」
山上が電話の向こうに耳を澄ませる。
「ヌゥオーーーウ!!」
ライメイの声がかすかに聞こえた。
「・・・まさか、ライメイが暴れてる?」
山上が声を荒げる。
「いえ!そういうわけではないんです。戦っていることに間違いわないのですが、先輩の家の周りを黒い影の獣が囲っておりまして・・・」
「なんですって?」
山上が顔を上げ、エポカを見る。エポカが山上の視線に気付きニヤリと笑う。
「・・・さぁ。アナタ達はこれをどうするのかしら?」




