「歯車」
「ーーーあぁ。・・・やっぱり、ーーは、・・・、、どうしてもー、できない。考えられないーー。・・・でも、ーーー。これは、どうすることもーー、・・・できないーー。なんで、ーーー。思い出してしまう。・・・わたしには、できるのか?・・・ダメだー。・・・どうすればいい?」
「それでは、私はここでお別れですね。」
振り返る。
「・・・私はまた会えるでしょうけど。」
エポカが口を開く。
「・・・今まで、ご苦労だったな。バクの影響とはいえ、まさかここまでの活躍をしてもらうとは。」
「いえいえ、本来であれば、あの時役割を終え消えて行く運命の者ー。・・・ここまで役割をいただけて、光栄の限りであります。」
ぺこりと頭を下げる。
「本来なら全員で見送りたいのだけど・・・いかんせん情況が状況だからね。ごめんなさいね。」
エポカが謝る。
「・・・それでは、行って参ります。・・・今まで本当にありがとうございました。それでは、さようなら。」
山上の家ー。
梨杏、ローン、シールズ、紫電、ライメイ机を囲んで座っていた。机の上には、ニカルとコインが置かれていた。
「あなた達はその姿なのね。」
魔女は、梨杏の後ろに立っていた。
「・・・我には、人の姿がないからな、そもそも必要とも思わん。」
「・・・俺はこっちの方がやすめるからな。」
「・・・そう。」
ニカルとコインがそれぞれ答える。
魔女が顔を下に向ける。
「それより、早く話を進めねぇか?」
紫電が口を開く。
「すみません。もう少しお待ちください。先輩がもう少しで到着するので。」
須藤が頭を下げて、水を運んできた。
「・・・なるほどな。」
紫電が水を一口飲んだ。
数分後ー。
「ごめんなさい。お待たせしたわね。」
ガチャと。扉が開き、山上が入ってきた。
「あっ。先輩お疲れ様です。」
「やっときたか。」
それぞれが山上に顔を向ける。
「紫電さんだっけ?・・・あなたならそういうと思ってたわ。」
山上がため息をついて話す。
「・・・ところで、佐藤さんは?」
山上が辺りを見渡す。
「小娘なら、体調が悪いとのことで寝ておる。」
ニカルが答える。
「・・・そう。心配だけど、安静にしてるなら大丈夫そうね。須藤、時折様子を見に行ってもらえるかしら?」
「はい。わかりました。」
須藤が敬礼する。
「それじゃ、ライメイ。できる限りあの時の覚えてることを話してもらえるかしら?」
山上がソファに座り話を切り出した。全員の視線がライメイに集中する。
「・・・覚えていることか・・・。」
ライメイがゆっくりと口を開く。
「あの時・・・我は、遊園地という場所の観覧車という乗り物の場所でエポカと戦っていた。・・・そこまでは、はっきりと覚えているのだが・・・。」
ライメイが言葉を詰まらせる。
「その先は?」
魔女が話を振る。
「・・・すまん。」
ライメイが謝る。
「あなたが謝る必要ないでしょ。わからないなら、仕方ない物だし。」
「結局、アイツらにつながりそうなヒントも痕跡も何も無いな。」
紫電がため息をつく。
「・・・つまり、我らと戦っていた時の記憶も無いということか?」
ニカルの問いにライメイが頷く。
「感覚としては、謎の声がずっと話しかけている感じ・・・という感じで、周りには、何もないただの暗闇の空間にいるという・・・感覚だな。」
ライメイが考えながら言葉を発する。
「謎の声?」
「・・・多分その武器だろうな。」
「武器の声?」
紫電以外の全員が首を傾げる。
「その武器・・・アイツらが狙ってる物だ。なんかのピース?とか言ってるが・・・何に使うかもわからねぇ。」
紫電が言葉をつづける。
「このコンボウを狙っている?」
ライメイがコンボウを見つめる。
「・・・・・」
静寂の空気が流れる。
「何に使うかわからないねぇ。、」
「ピースって前に魔女が言ってた、鍵のことなのかしら?」
梨杏が口を開く。
「・・・救済側が、鍵のことをピースと言っていることを確証できないからなんとも言えないわね。それに、私もわからない。・・・ニカルとコインは何かわかるかしら?」
魔女が、ニカルとコインに聞いた。
「・・・我は詳しいことは、全く分からん。」
「右に同じ。」
ニカルとコインがそれぞれ答える。
「そうよねぇ。」
魔女が考え込む。
「次の質問いいかしら?」
山上がライメイに向く。
「あぁ。なんだ?」
ライメイが頷く。
「ライメイと、紫電・・・どこかであったことがそうなのだけど・・・それに関しては、何か覚えていることがあるかしら?」
山上がライメイに質問する。
「紫電と・・・?」
ライメイが紫電に視線を向ける。
「・・・・・」
ライメイが考え込む。
「いや、覚えがないな・・・どこかであっていたたら、申し訳ないな・・・。」
ライメイが紫電に謝る。
「覚えてなくて当然だと思うぞ・・・雷野郎は、あの時の姿も全然ちげぇし。」
紫電が答える。
「我は姿が異なっていたのか?」
ライメイが首を傾げる。
「それも覚えてねぇのか。」
紫電がため息をつく。
「魔女さんみたいに、記憶を有している方もいれば、ライメイさんみたいに、有していないこともあるのですね。」
須藤が口を開く。
「・・・とりあえず。みんなお疲れ様です。今はしっかりと休憩を取りましょう。」
山上が話をまとめる。その場の全員が頷く。
その日の夜ー。
ガチャと一人の人物が山上の家の玄関の扉を開け、外に出た。
「シールズ。」
アリスが玄関から出てきたシールズに声をかけた。
「・・・アリスさん。」
シールズが声を小さく上げる。
「少し、話をしない?」
アリスとシールズは、山上の家の敷地内にある大きな木の下に歩いていた。
「外の空気は、気持ちいいですね。」
シールズが口を開く。
「ええ。」
アリスが頷く。特に会話も無く、2人は木の元までたどり着いた。
「・・・・・」
2人の間に重い空気が流れる。
「・・・あの。」
シールズが口を開くが、言葉を詰まらせる。
「いい景色。」
アリスが小さく声を出した。
「・・・今の私に、あなたを止められる力もなければ、阻止できる言葉もかけられない・・・。」
「え?」
シールズがアリスを見つめる。
「・・・ごめんなさい。・・・やっぱりあなたも。」
アリスの目には涙が浮かんでいた。
「・・・っつ!!・・・ごめんなさい。・・・本当に、・・・今までありがとうございました。・・・さようなら。」
シールズがその場から立ち去った。
「・・・さようなら。今までのシールズだったもの。」
アリスが力を込めて握りしめた。
「・・・驚いたわね。何もせずに、立ち去っるなんて。」
アリスとシールズの会話を空からエポカが見ていた。
「あの子もまさか、ニカルを持っていないなんておもわかなったけども・・・。」
エポカがニヤリと笑う。
「面白いことになってきたわね。」
エポカがその場から姿を消した。




