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繰り返しの元聖女は聖騎士改め暗黒騎士を守りたいのに溺愛される  作者: 氷雨そら
第2章 闇の聖女と暗黒騎士は未来を塗り替える
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長老が幼女である理由その代償と願い

お越し頂きありがとうございます。ブクマや★評価下さった皆さま。ありがとうございます。

 

 ✳︎ ✳︎ ✳︎


 黒い焔が消えると同時に、リディアーヌを蝕んでいた吐き気と死の気配も消えた。


「長老さま……?!」

 ようやく目を開くことができたリディアーヌの目の前で見る間に長老の体が小さくなっていく。

「ふむ。次あたりが限界か」


 先ほどまで6歳程度の見た目だった黒髪の幼女は、ダブダブの服を着た3歳くらいのさらに幼い見た目になっている。


「リディアーヌ様!!」


 異常を察知したアルフリートが、両の瞳を黄金に変えて扉から駆け出してきた。


「……フローリアが、裏切りました。ハイデの里出身であるフローリアの叛意。わしのことは如何様にも処断を。しかし里のものはお赦し頂けませぬか」


 アルフリートより少し遅れて出てきた勇者が言う。


「部下の責任は、俺の責任だ。フローリアは、過去に聖女と聖騎士に故郷を焼かれてから強い憎悪を持っていた。防げなかった俺が悪い。コノハナ、許せ」

「いいえ、わしらは長く生きすぎました。もう、残り少ないこの命は、未来ある者たちのために使いたいと思うております」

「…………。ああ、そうだな」


 そして勇者は、振り返ってリディアーヌとアルフリートに深く頭を下げる。


「謝って済むことではないが、すまない、リディアーヌ、アルフリート」


 そして、アルフリートに目を向けて勇者が言った。


「……さて、アルフリート。序列一位としての意見を聞かせてもらえるか?俺はどんな処断も甘んじて受けよう」


 未だ凍えそうなほど冷たい黄金を両眼に据えたままアルフリートがようやく口を開く。


「許すも許さないも、あなた方に非はない。だが、フローリアは序列四位を取り下げ、総力を上げどんな手を使っても処断する。構わないだろう?」


 その問いに、勇者は重々しく頷いた。


「アルフリートさま」

「リディアーヌ様、お赦しを。私情だけではないのです。そうしなければ、軍の秩序が保てません」


 以前のアルフリートならば、リディアーヌの命に危険があれば、どのような手を使っても相手を自らの手で始末しただろう。だが、今は……。ようやく黄金を左の瞳だけにしたアルフリートが、コノハナの前に跪く。そうしても、アルフリートの背は、今やコノハナよりも高くなっていた。


「コノハナ殿。リディアーヌ様をお守りいただき感謝します。貴方は恩人。必ずその恩に報いましょう」

「ありがたきお言葉。では、わしの亡き後も、ハイデの里をお守り下さるよう願います。そして残されたこの命、勇者の剣のために使うことを誓いましょう」



 ようやくリディアーヌの方を見たアルフリートが、その体を抱きしめる。


「また、つらい思いをさせてしまいました。やはり俺は不甲斐ない」

「今回のことで私が死ねば、貴方も……。これからの計画も全て泡と消えたでしょう。私の注意が足りなかったのです」

「リディアーヌ様」

「アルフリートさま」


「あー、ゴホン」


 2人の空気を咳払いが吹き消す。


(はっ。人前で私は一体なにをしてたのかしら)

 リディアーヌの頬が薔薇色に染まる。アルフリートをチラリと見たが、顔色に変化はない。しかしその表情は少しだけ悔しそうだ。


「ふふふ。そなたらは、本当に仲の良い。まるでかつての聖女様と勇者様のようだ」

「長老さま……。私のために申し訳……」

「謝るのはやめてくださらぬか。ふふっ。……それよりひとつ教えて頂けませぬか?」


 長老は、以前よりさらにその姿とチグハグな、威厳ある態度でリディアーヌに話しかける。しかし、その瞳は悪戯げな光を湛えていた。


「小耳に挟んだのですが、エリーゼがある御仁に命を救われたと言う話。事実でございましょうか?」

「え?」


(エリーゼが命を、救われた。あの時の事よね)


「たしかにそんな事実は、ありますね」

「そうですか。これはこれは。この先が楽しゅうなってきました。ふふふふっ」


 リディアーヌも誰も、その意味を理解できなかった。しかし、勇者だけはわかっているのか、少し口元が弛んでいる。リディアーヌは不思議に思ったが、これからのことに頭を切り替えることにした。


(なにが起こるか、この先は今までのようにいくのかわからない。でも……)


 振り返れば、もうリディアーヌは一人ではなかった。そこには心強い仲間がいる。今はもう、一人で戦う必要はないのだ。リディアーヌは、進む。それぞれが望む未来を掴む為、勇者の剣たちと共に。

最後までご覧いただきありがとうございます。もしよろしければ、感想やブクマ、★評価いただけると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] アルフリート様の両眼が眩しいです〜(^^;) 二人の命を繋ぐ魔法が、絆をより強くしてくれますね♪ [気になる点] 長老は力を使うと若返ってしまうんですね。一瞬うらやましいと思ってしまいまし…
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