封印されしナニカシラ
うぉおおお!!??黒い風?霧?何なn、うわぁあああああ!!熱い!寒い!!痛い!痒い!気持ち悪い!イライラする!なんだこれ!!一斉に様々な感覚が襲うっていう体験はまだしてないぞ!ヤバい、これ精神に来る系かもしれない。だが耐える!
ふぐぅううう、でもこれキっツい、いや!キツくない!!そう思うからキツいのだ!大丈夫だ、俺はまだいける。
あ、やっぱダメだこれ。
「のわぁあああああああああああ!!!ぐぇ!」
背骨が軋む…思いっきり吹っ飛ばされて岩壁に激突するとか常人なら死ぬぞ。ひとまず抜けたからいいか。マジでなんだったんだ今の…死ぬかと思ったぞ。けど黒い何かの勢いは弱まったな。
流石にこの空気の中じゃ俺も満足に力が出ないな…気持ち悪いしエアマスク付けといた方が良さそうだ。う、何か背中からも風きた!!尚更早く付けないと「カチャ」ふぅ、一安心だ。
でも待て、上にいたとはいえメルさんの方に黒い霧行ってない?大丈夫か!?
「ボォルルルルル!!」
なるほどボル君、君の羽ばたきが起こした風はメルさんを守るには良いかもしれないけど俺には風が来てるからね。そこんところ分かってるのかね?いくら大丈夫と言ったからって限度っていうものがあるだろ。
(誰か…い…いる…たす)
ん?何か聞こえた気がしたけど空耳か?
(どこ…おー…)
おいおい、今度ははっきりとは言えないけど聞こえてきたぞ…中になんかいるのかよ。
スルーしてぇ、でも溢れ出す好奇心に勝てねぇ。これあれだろ、強敵が出てくるか封印されしナニカシラが出てくるかだろ。後者は封印解いたらこれから起こること全てに勝てるかな?それとも5体の内1体しかないからあと4つの体の部分を探しに行ったりしてww。
さて、どうするか。まあ何がいたとしても今の俺なら何とか…なるか?それにもう来るところまでは来てるんだから今更か、よし行こう。
「何があんのかな?」
ん~?何も、あ!何か真ん中にあるな、これは…魔法陣?封印系の奴はあんまり見たことないけどこれはもっと見たことない術式だな、師匠たちはそういうの関係の術式は知らないし…しかも真ん中に置いてあるこの骨何だ?…って人骨じゃん!?封印されしナニカシラは人間だったのか?なら幽霊は、いないな。
それにしてもこの骨全然劣化してないな、魔法陣が外からの干渉をほぼ無効してるのか?それならこの状態もうなずける。でも一層さっきの声は何だったんだという疑問が…
「すいませんちょっといいですか?」
「え、あ?おあっ!!?」
うぉ!?人骨が喋った!!って別に驚くことはないか…自分でも可笑しいとは薄々思っているがスケルトンは見慣れているし英雄だったり凄いのは異世界来てからゴマンと見て来た、こんなのじゃもう、ねぇ…このガイコツがよほどの奴じゃなきゃ特に驚かないな(フラグ)
「ああ、驚かせちゃいました?」
「いや、それほど……か?」
「良かった、それなら大丈夫ですね。いやぁ誰も来なくて寂しかったぁ~。私元々死霊王をやっておりましたラダリオン・マンティスと言うものです、単刀直入に言いますがこの封印といてもらえませんかね?」
アウト!!!!!ギリギリでもなんでもなく、普通にアウト!!まず死霊王て…凄いの封印したなぁ古代の人、元英雄だったりやたらと強いスライムとかドラゴンだったりを見てるから基準が可笑しくなってる俺でも分かる、これは普通にヤバい。どう考えたって答えはノーデス。
「お断り、さいなら」
ひとまずここの扉を閉めよう。あと完成体トレントさんを配置すれば守りも…いや、魔力の供給がちょっと…
「え?あっ!ちょ、待ってくださいよぉ!!死霊術士の広成さん!!!」
「お断り…今お前なんて言った?」
今、何かこの骸骨から聞き逃してはいけないことを言われたような気がする。ひとまず話は聞こう。
「え、死霊術士の広成さんですけど…」
やっぱり!俺は何も言ってないよ、な?じゃあ待て、もしかするとコイツの力は俺が一番欲しいのかもしれない。つまり「鑑定」の力を持っている可能性が高いという事だ。あるなら欲しい、超欲しい。
「そう、それだ。なんで分かったんだ?俺は自分のことを口に出してもいないぞ」
「あー、出来れば言いたくないんですけど…」
言いたくない、よろしい、ならば脅迫だ、こういうタイプは追い詰められると白状するタイプと見た…
「そうか、じゃあいいや。ホントにサイナラ」
「嘘です!すいませんでした!!教えますからお待ちをぉおおお!!!」
成功しちゃったよ…あと4パターンくらいあったのに。まあ早いに越したことはないから別にいいや。ではでは聞きましょうか。
「んー、分かった教えてもらおうか。一応言っとくが嘘は言うな、言ったらお前がどんな奴だろうと何もしない、封印も解かない、そこんところは理解しとけ」
「まんまと引っかかってくれたところは感謝してる、思わずニッコリだ」と続けたかったが知らぬが仏というやつだ、流石にそこまで鬼では無いので言わないでおこう。
「は、ハメられた!あなた策士ですか!?」
「いや、そういう訳じゃないと思うぞ?結構俺も今のお前みたいに引っかかることあるし。自分が不利でこれ以外に道がない場合はそうするしかないだろ、もちろん少しでも良い道があればその道に行ったほうがいいけど」
「くぅ…おっしゃる通りです…私が答えられることなら答えましょう、」
骨の眼孔が少しだけど垂れたような気がする、擬音を付けるとガックリ、が一番しっくり来そうだ。骨って表情ないから言葉だけかと思ったけど少しはそういうのはあるのか。また賢くなってしまった…
というかコイツよく自称とは言え死霊王やれてたな、ここまで従順は逆に怪しいぞ。誰だって少なくとも2、3個の文句か皮肉は言ってくるもんだろう、俺もそうするし。
マナプラントも真紅と言っていいくらいに鮮やかになる程魔力は相当あるから多分自称では無いと思うんだ補佐が優秀だったとかか?
が…まだ何もコイツのこと分からないし判断材料が足りないな。
ま、役に立つなら思い切り使おう。さあ、交渉(脅迫)のお時間だ、さっき思わず脅迫しちゃったけど今からは交渉の範囲に収められるように努力はする、多分。
「じゃあ質問その1、まずお前が俺の事が分かったのは何でだ?」
「私が持つ『鑑定』の能力ですね、私が見た相手の名前、種族、性別、年齢、ステータスが見れます」
いよぉおおおおおおおし!!!キタコレ!!俺の仲間に参戦決定!お前俺の仲間になれっ!!確実に
仲間にしなければ…ひょ、表情には出てないよな…深呼吸深呼吸。まだ、まだ情報を引き出そう。
「質問その2、お前を封印したのは誰だ?名前とか性別とか分かるなら言ってくれると嬉しい」
「確かクレバと名乗っていたはずです、私の鑑定を弾いていたので詳しくは分からなかったんですが見た目からして女だと思うんですけどねぇ、ちょっと幼かったので…」
マジか、コイツ女に負けたのか…俺も100m走とかの競争で負けたことがあったからよく分かる。何か精神的にキツいよな女に負けるって、しかも幼女て…まあ同情はするな。というか「鑑定」って弾けるのか。
「質問その3、この部屋に入る前首の取れた石像があって俺に襲いかかってきたんだが何か知ってるか?」
「多分クレバの自動人形ですね、一騎当千の強さで倒すのに苦戦しましたよ、あの時はルビとアメジスが一緒に掛かってようやくでしたからね。私も2体一緒がやっとでした。私も弱りましたし今は一体と戦えるかどうか…でも懐かしいですね。もしかして壊しました?」
「ああ、壊したが」
「そ、そうなんですか、お強いんですね…」(ショボン)
あれ?なんかシリアスな雰囲気?あからさまにションボリしてるし…というかあれゴーレムじゃなくて自動人形だったのか。通りで字も何もないはずだ。でも今の話聞いてる限りだとクレバのこと憎んでるんじゃ…アカン、ちょっと混乱してきた。一旦保留。a
「さっきからクレバクレバと言ってるがそいつはそんなに強かったのか?」
「当たり前じゃないですか!!!奴が生み出す自動人形は数は少なけれど死霊族十英傑と互角でしたし最上級魔法を五属性同時に使えるなんて人間やめてますよ!!じゃなきゃ私は封印されてなかった!!今思い出しても苦々しい思いしか出てきません。嗚呼あのとき私にもっと力があれば…」(ぶわっ)
おお!?黒い煙出て来た!!って部屋開けた時出てきた黒い煙これか!!結局何なんだこれ、瘴気か?取り敢えず人体には有害だな。吸っちゃったら色々ヤバそうだ、まあ今は後回し。
というかコイツが言う事は大体初耳なんだけど。なんだ死霊族十英傑て、無駄にカッコいいしあの御伽噺にそんなことがあったとか…で、コイツがその不死身の骸骨か?イメージ沸かねぇ…でもこの部屋に満ちてた禍々しいオーラは健在だし嘘ではないな。
「今の話だとお前はやっぱりそのクレバって奴に封印されたんだな」
「恥ずかしながら…でも仕方なかったんですよ!!魔王様から頂いていた領地で暮らす人々、と言っても怨霊族なんですけどね。クレバに『真言』を唱えさせて領民達を殺さない代わりに私が封印されたんです。それからは本当に寂しかったんですよ?もう200年になりますかね、誰も来ず、話し相手もいない、もう何度挫けかけたことか…最初の五十年は毎日孤独でした」
「分かる、その気持ちわかるぞ、俺は話し相手には困らなかったが仲間が一人もいない状況はツラいし心細かった…」
「そうだったんですか…でも私も150年ほど前からクレバと一緒にいたこれまた強い戦士が年に一度の割合で来ることがありまして、お前が封印されてるかの確認だとか言ってましたがあの人も結構な寂しがり屋さんかもしれません。結構特徴的で…あ、ヒロナリさん何か知ってます?」
う、ウーン…何か物凄く知っている人のことを話されている気がする…一応確認してみよう。
「あー、その戦士って半裸でその体に大量の傷が付いてて語尾がじいさん言葉?」
「知ってるんですか!?今あなたが言った特徴そのままですよ!」
「うわ~確定だ、確定しちゃったよ…十中八九その人俺の師匠だ」
「え?あ、えええええええええええええええ!!!!!???」
この後はめちゃくちゃ話し合った。まず溜まりに溜まった愚痴、次にエレクさんの話、昔の話、etc…その結果…
__________________________
「ヒロナリさん、改めてお願いします。私を連れて行ってくれませんか?」
「もちのろんさ!友達だろ!!」
元死霊王と友達になりました☆あれ?ちょっと待とうか、今少しだけキンクリした気がするんだけど。まあいいか。こいつと話が合うのなんの、途中でヒヤりんも出てきてちょっと大変なことになったけど楽しかった。
中でも昔の愛人の話は参考になりました…物凄く。話を聞た感じラブラブすぎてこっちが赤面しそうだった。大体コイツの話は初耳なんだけど魔人は姿だけなら人間に化けられることとかは一番驚いた初耳だ。
ラダリオンの頭から出ていた黒い何かは不快霧というらしい。自分の負の感情が溢れ出して実体化し、濃度が高くなるほどにそれが人間や獣に悪影響を出すようになる。ただ怨霊族には特に害はないらしい。そして何もせずに一日経てば瘴気化すると言っていた。
「じゃあまずは封印を…ってどうやって解くんだ?」
「簡単ですよ、『魔力注入!』と叫びながらヒロナリさんの魔力を過剰に与えてくれれば暴走を起こして解けるはずです」
「マジd「マジです」お、おう」
それなら話は早い、さっそくやるとしよう。え、いやちょい待ち、「魔力注入」って叫ばないといけないの?この前よりは断然恥ずかしくないからまだマシだけどさ…まあ新たにできた友のためだ、一肌脱ごうじゃないか。
「魔力注入!!あ、これヤバイ系だ。どんどん魔力が吸われていく、うわ!?もう半分切りやがった!!ラダリオン、もう俺の魔力が切れそうなんだけどどうすりゃいい?」
「根性で頑張ってください!!」
「いや根性論とかじゃなくね!?これはちょっと厳しいかも…なーんてな!マナポーションも作っておいたんだよぉお!!ンググググ、プはぁーー!!まだまだよぉ!!魔力注入」
魔力も回復したし出力全開!!あ、まただ…
数分後
ヤバいぃ、これヤバいぃ…汗べっチャリで気持ちわりぃ…(じゅ…)お!?なんか手応えが出てきた!これならなんとかなりそうだ。じゃあもっと、もっとだ!熱く、なれよォオオおおおおおお!!!!
(じゅ、じゅじゅじゅじゅ…)
「おお!いい感じですよヒロナリさん!!もうちょっとです!」
「OK!ラスト行くぜぇ!!おおおおおおおおお(ボンッ)ば、爆発した!!?無事かラダリオン!!!」
魔力入れすぎたのか!?いきなり友が弾けて飛んだとかになったら後悔の念に苛まれまくるぞ…俺が。にしても音デカすぎ…耳が痛いしここが普通の場所だったら魔物が来まくるぞ。あ、そんなこと言ってる場合じゃねぇ!!!
「い、一応大丈夫みたいですね」
あ、生きてた。でもアンデットなのに生きてるとはこれいかに?まあ結果オーライ、良かった良かった。でも…
「首だけなのか…」
「そうみたいですね…」
大根抜いたら短かったみたいにテンション下がるぞこれは…
「まあそんな状態でも使えればいいか、お前も閉鎖的なのよりはこっちのほうがいいだろ」
「ま、まあそうなんですけれど…」
「ひ、ヒロナリさん!!?「え?メルさん?待っててって…」すみません、ずっと待ってたんですけど爆発音がしたの来ちゃいました…それで一体何…ず、頭蓋骨!!?」
うおぉ…来ちゃったか。まあそうだよな、そりゃあんなに大きな爆発があったら普通何があったと来るよな…俺も待たせすぎちゃったな…
「ごめんメルさん、一回出ようか。話はそれからにしよう」
と、いう訳でラダリオンを持ってくとしよう。よいしょっと、フレアに比べると結構軽いな。「ちょっと!そんなとこ持たないでええ!!目が!目がああああ!!!」
「お、ジ〇リネタだな。なんで知ってるんだよ」
「そんなの知りませんから!!だから痛い痛い!!やめてぇえええ!!!」
悲痛な叫びが響くが俺は知っている死霊は霊体だからこんなことをやっても別に痛いわけじゃないと。死霊術師ならではのあるあるだな。
まあそんなわけで元死霊王のラダリオン・マンティスが仲間になった訳だ。うーん、ちょっと仲間の数増えてきたな…賑やかだからいいけど。
今回出てきた新キャラ
ラダリオン:元々死霊王をしていた骨で死霊の種族的にはリッチが一番近い。完全体なら石像を2体同時に相手に出来ていたと言える所を見るに物凄く強かったようだ。御伽噺に出てきた人物二人目。今は、ウン…




