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最弱召喚者は這い上がる(凍結中)  作者: 多田野箱
這い上がる(物理)編
14/35

英雄日記 なんか落ちてきた

閑話ってこんな感じでいいのかな?と地味に思のは何故だろう。

本当にこんなんでいいのかな?

ワシの名はエレク・サンドロス、国にこき使われていた元英雄でここの最長寿の幽霊、いや「英霊」と名乗ったほうがいいのかの?


 度の強い酒を飲まされて寝ている隙に国の暗部が「弱体化の鎖」で簀巻きにしたワシを此処へ落としてから、もうそろそろ200年は経つ頃か。


 まあその事は別に恨んではいないの、むしろ世界を救った後には責務が増えすぎて大変な毎日が続いておったし。ただ故郷に残した妻と子には未練はかなり残っておったが。


 そのあとは毎日他の幽霊と話す、とある場所に行く位しかなく、暇で仕方がなかったワシ等の元に久々に落ちてきた者がいた、名をヒロナリと言うらしい。


 生前から数多くの名を聞いていたワシじゃったが聞き覚えの無い名だったので聞くと、何と!異世界から来たらしい。


 ワシが生きていた時代にはそんな事はなかったがどうやら魔族らが魔物を従える新しい魔術を作成し、人間たちと本格的な戦争を起こしておるから打開策として喚ばれたらしいの。


 そ奴らにも元々の平和だった生活があったろうに…ワシのように無理やり呼び出されて使われたのか。


 まあその話はおいおいするとして、このヒロナリなんじゃがまず痛みの耐性が全然ないようじゃ、未発達じゃがそこそこの大きさの衝撃吸収植物プックを3つも使って降りてきたのにも関わらず脚を折りピーピー泣いておった。


じゃが一週間ほど経てば完治しておった…妙じゃな、ヒロナリはポーションを毎日使ったからだと言っていたがいくらポーションを用いていたとしても普通は足が折れた時は安静にしていて一月は掛かるはずじゃ。


 しかもヒロナリは毎日のように少なからずの鍛錬しておった。これも異世界人の特徴かの?もしくはポーションの性能が上がったとかかの?しかしそれは…ウーム、どうなんじゃろうな。地上の様子が全然分からんからな、落ちてきた者は大抵が心を病んでおるから話も聞けん。


 そのヒロナリは自分の事を最弱だと言っておった。これだけの再生力、足を折り泣いたもののピンピンしておる此奴が最弱ならば他の者はどれだけ強いのか、少し興味が湧いた。




 あやつが落ちてきて5日目、ブツブツと何やら考え事をして何やら呟いておったから気になって尋ねると「俺、弱いんで修行させてくれませんか?」と聞いてきおった。


 ますますワシはヒロナリに興味が湧いた。確かにコヤツは今は物凄く弱いがワシ等が鍛えればそれなりの強さになるじゃろう。素体もまあまあ良いしの。


 もちろん答えは「良し」、先刻言ったとおりワシ等は基本的には暇なのじゃ。


 ワシは「英霊」じゃからその気になれば自分の土魔法で作ったゴーレムに憑依しダンジョンを探索することも可能じゃがその後は二日酔いのような気怠さがワシを襲ってあまり動きたくなくなってしまうので好んで使いたいとは言えないの。


 それに他の幽霊達に”良いなあ”という妬みとも尊敬とも取れる視線を投げかけられるのが一番にツラい。たまにはええじゃないか、だってワシ英霊じゃし。死んだあと位好きにさせてはくれんかの。


 まあ話を戻そうかの、幸いにもここには色々な高等技術を持った者が落とされてきた場所じゃから教えることに不自由はないことじゃろう。


 じゃがワシが毎日声をかけているとは言え、信じていた国に裏切られたショックで心が壊れている者、高等技術を身に付けた結果迫害されてきた者もいる。


 もう一番後に来た者でさえ20年は経ってるじゃろ、それらは皆ワシが抑えなければどうなるか分からない悪霊寸前の奴ばかりじゃからな。シャキッとせんかい。と言うか国、無能すぎじゃなかろうか?ここにいるの本当に一流ばかりじゃぞ。



 じゃがもしやするとコヤツ等の心を溶かすのはヒロナリかもしれん。まあ時間はたっぷりとあるんじゃ、慌てずじっくり行くとするかの。


 その前に修行用の道具を取り揃えておかんとな、ゴーレム以外で使う久々の土魔法じゃ、腕が鳴るわい。



 ちょっと張り切りすぎたの…とんでもなく気持ち悪いわい。しかし設備は土でできたとは言えそれなりのものが出来上がったぞ。もしも特訓内容に詰まったら勇者の小僧を鍛えたワシの「アレ」をやるのもいいじゃろう。


 ホッホッホ、笑いが止まらんわい、久しぶりの新人育成じゃからな。


 まず体術をやらせてみたがなかなかどうして筋がいい、武術を教えられていたのか聞いてみると「無い」と答えた。こやつはやる気は妙にあるみたいじゃからエレクティアまでレベルを上げてみようかの…どうやらヒロナリは訳ありみたいじゃし。


 恐らくすぐにでも力が欲しいことじゃろう、幸いスキルの方も「植物操作」と「死霊術士」とまあまあ良いしの。フォルダーも言っておった、あれは育てようによっては人外じみた奴になると。それでも最低一年は掛かるじゃろうな。


 焦っても仕方がない。さあて、今日も稽古をつけてやろうかの、ヒロナリがどれだけ強くなるか楽しみじゃ、ホッホッホッ。


____________________________________



 もうそろそろヒロナリが来て1ヶ月ほどか、しかしこの短期間にヒロナリはもの凄い事をしでかしたのじゃ!!先週なんと!アドルフが心を開いたのじゃ!!


 生前、死後含め毎日のような呟きを繋ぎ合わせて見たところアドルフは誰よりも国に忠誠を誓っておった故に奴が国と信じていた仲間に裏切られ深い闇の中に落ち沈んでいたらしい。


 当時のアドルフは瀕死の体で1月もの間自分が何をしたのだと繰り返し呟きながら何も食べることなく死んでいき、死に際に見せた表情はワシをも震わせるモノがあったの。今思い出しても不憫極まりない死に方じゃったなぁ…


 それにしても150年間以上ずっと心を閉ざしておったあ奴の心を解くとはヒロナリは物凄いの、むしろ気持ち悪いくらいじゃ。洗脳でもしておったり…流石にそれは考え過ぎかの?


 それとワシは肉弾戦が得意なこともあるのでアドルフは剣術を教えさせることにした。最初は嫌がっていたようじゃがヒロナリのレイピアの扱いの駄目な部分を見たらやれやれといった表情で教えておった。案外世話好きだったりするのかもしれんの。


 しかしアドルフの声が小さいのか時々苛立っているような姿は見られた。ワシの前では文句や弱音一つ吐かないあのヒロナリがそんな姿を見せるとは…少し面白いものが見れた気がしたの。


 あと特筆することはベンブーの魔石と称した赤い魔石を持ってきたこと位かの、アレは何じゃったんじゃろう?ヒロナリが亜種だなんだと言っておった気もしたがワシが生きておった時代にそんなもの無かったぞ。しかしそれなりの純度ではあったのでそれほど遠からずの嘘は付いていないと思うのじゃが…ま、ええじゃろう。


 それにしてもヒロナリが作ったこのスケルトンはカワエエの、「キュ!」うーむ、可愛らしい。昔からこのように小さな動物は大好きなのじゃ、無論ヒロナリには内緒じゃがな。


「エレクさーん!!」


 おっ、話をすればなんとやら、そろそろ行くとするかの。たっぷりシゴいてやるとしよう。

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