修行と言う名の地獄
主人公の自分語り形式に変更、ご不満ならば意見をば
ヤバいヤバいヤバい、いやもうヤバイっていうレベルじゃない、もはや拷問。何がって?エレクさんの特訓が!!心の何処かでこうなるかもしれないと思ってた?いや、それはない…
何か特訓を了承した後ポルターガイストが起こっていた。
土とか岩がそこかしこに動いていて最終的に砂埃が晴れた先には見事なまでの更地と大小様々の岩のダンベル、つまり特訓場があった。サンドバッグ(文字通り)や鉄棒のような物も見え、いつか行ったボクシングジムを何故か思い出した。
そのポルターガイストは土魔法の応用らしい、でも幽霊のエレクさんが魔法を使えるのかは知らない。そこらにいるような普通の幽霊は魔力の塊のようなものだから魔力を使う=失った命さえも削るってことになる魔法は使えないはずなんだけど…
悪霊や霊王とかの怨霊族と呼ばれる魔物みたいな奴は使えるけど俺の記憶が正しければそれは大体が闇系の魔法だ。
でも何故だかエレクさんだからしょうがないと思えばなんか納得できる気がする。それくらいは思える凄みがあの人にはあるのだ。オーラといえば分かり易いか、もう光のオーラが見えてるけど。
ついでに言うとその後メチャクチャ特訓した。あの時の俺はポルターガイストを見たからちょっとテンションが可笑しくなってたかもしれない。
エレクさんには「足がまだ折れとるのに年端もいかぬ子供のように走り回り、狂ったようににダンベルを振り回すとは、この大バカもんが!」と怒鳴られた。今では反省も後悔もしております。で、それが今から3週間前だ。
足が折れてたのに走り回るとか、あの時俺を一体何が突き動かしたんだと真面目に思う。まさかの誰かに体乗っ取られてた系は考えたくない。でもなんかここの人たちならやりそう。この前も寝てた時に乗っ取られそうだったからな…エレクさんに守ってもらって事なきを得たけど。もしかして憑依ってこんな感じなのか?
守ってもらってなんだけど鬼教官っぽい人だなって思ってた。そしたら何と案の定。翌日からはビーズブートキャンプを最初から最後までやるなんて目じゃない程にキツイトレーニングが待っていた。
股割りと長座、肩回しなどの体ほぐしの準備運動的をしてまずは5キロくらいのダンベルを両手に持ちながら正拳突きの練習。ああ、ちなみに右左両方ね。
エレクさんがまずお手本として見せてくれてすぐ実践、ノルマは100回。でも構えが違うと一回につき-5回の鬼畜仕様。前は最終的に2時間近くかかってたけど最近は40分くらいで出来るようになった。成長だな。だがこの時点でもう俺の腕が死にかける。
その後は元々俺のダミー用として持ってきた人型の植物「ヒューマ」を殴打やら拳底やら裏拳やらで破壊するまでひたすらに連打。
木がウドみたいに柔らかいから10回くらい同じところを叩くと壊れる。でも拳を布でカバーしてあるんだが拳の皮がめくれまくる、超絶痛い。だが今では固まり骨並みの硬さになった。成長、か?
にしても魔法で植物を育てるって素晴らしいよな、魔力と水をあげれば意外とすぐに育って増えるんだから。そのサイクルによって俺はこの1ヶ月を生き抜いてきた。いやぁ、このスキル。マジで便利だと思う。それに比べて死霊使いは…いや、重要だな。エレクさんが見えなかったら俺は…考えたくなもない。
話を戻そう、殴った後はレイピアの突き動作300回と払う動作200回。50とか100ならまだ楽だけど150越えたあたりから腕がもう上がらない。一応このレイピアはダンベルと比べたら軽いけどそれでも2キロ弱はある。死にかけの腕がここでほぼ死ぬ。
しかもこの先直径30センチくらいの的を突けないとカウントしないとか言われた。もうこの人はただの幽霊になった老人と思わないほうがいいなと改めて認識した瞬間だったな。それが7日前、回復薬を毎日惜しまず使ってやっと足が治ってきた頃のこと。
もう鬼だ鬼、魔物の前にこの人に殺されそう、でも人が倒れず死なずの結構ギリギリのところを攻めて来て倒れられないから余計にタチが悪い。俺の限界は意外と高かった。ベルラーラいた時もまあまあの量はこなしてたこともあるかもしれない。
文句の一つくらいなんとか言いたいけどこれくらいできなきゃこの先絶対生き残れないって言われたら言い返せないしパンプアップされたら何も言えなくなった。
何なのみっちり詰まった筋肉、俺ノンケなのに思わずふつくしい…とか言っちゃったよ。
その後の腕立て伏せも5キロくらいの岩、を背中に乗せて100回だ。レイピアの素振りで上がらなくなった腕にこれはキツイ。しかも岩だから俺の体を少なからず削る訳で…訓練時間から結構過ぎた今もまだ少しヒリヒリする。
けど異世界に来てからどことなく体が軽かったしフツフツと今なら出来なかった事をもできそうな気分になれてる。別にラリってるわけじゃない、自分の力がどんどんあふれてくるって感じだ。
今はそれなりに肉もついたし強くはなってると思うんだが詳しく、となると初日にステータスボードを強くなった時までお楽しみじゃとか言われて盗られたせいで今の俺がどれだけなのかわからない。
いや、地面からいきなり土の腕が飛び出てくるなんて思いつかないだろ。で、ボード奪われてそのまま20メートルくらい上がって止まった。今思い返すと多分俺あの時思いっきりフリーズしてたと思う、そりゃもう口ポカーンだったな。
何あの腕カッコイイ、厨二心をくすぐる、と思った俺は悪くない。でも自分の適性が闇以外無かったのを思い出して…このあとは言わせないでくれ。
そうそう今日のトレーニングはまさかの戦闘、戦うのは渓谷の中だと弱い方らしいけどエレクさん忘れました?俺は弱いカス死にたくないの三拍子揃ったチキン野郎ですよ?それも実際クソ雑魚ですよ?
でも断れないイエスマンな俺。お相手の名称は「ベンブー」っていう灰色の風船に体毛と手足が生えたような見た目の不思議な見た目の奴だ。なんで分かるかって?今見てるから。ホント不思議だな。ちなみにノルマは3体。意外と多い。
でもこの世界には物理法則とかが乱れている場所や生物じゃありえない進化をする魔物とかがいるから不思議生物にはもう慣れっこだ。まず魔法がある時点でもうね、それに未だにちょっとした中二病だし。
そういえばやる前にエレクさんから「首に濡らしたタオルでも巻いておけ」と助言をもらった。どういう事だろうか?ベンブーって濡れタオルを使うような相手なのか?まあちゃんとその言葉通り濡れ衣を首に巻いてる。これまでの経験からしてエレクさんの助言は基本受けた方がいいからな。
ま、気にしてても仕方がないし、まずはアイツに先制攻撃としてレイピアで突き刺しますか。
音を出さないぎりぎりの速さでベンブーに後ろから近づく俺。よしよし、気付いていない。そーれ…ザクッとな!」
「べべッ!?ベッ、ブー!!」(バシュ)
はっ!?気付かれた!
「うおっち!!」
ベンブーが打ち出した黄色っぽい何かが俺の顔面にバシャッと掛かる。ってなにこれ?あっ、ピリピリしてきた。
「ちょっ、痛い痛いぎゃぁあああああ!!」
ハッ!と濡れタオルの存在を思い出し、こびり着いた液体をタオルで拭く。エレクさん、タオルを渡したのはこの為だったんですか。
前もって言って欲しかった、かなり痛い。でもエレクさんなりの配慮なのかな?タオルで拭いたら直ぐに痛みは引いた。そのまま拭かなかったらどうなってたかは考えたくない…
クソッ、思わぬ攻撃だった。音を殺したはずだったのに反射速度がかなり早かったし…しかも当のあいつは「べべべべ」とキーキーした声で騒いでやがる。
そんなに嬉しかったのか?でも俺が顔を拭いてすぐにベンブーに向かって駆ける。そんな俺の様子に気づいたのか慌てて動き始めたけど残念、動きの鈍ったお前に刺すなんてわけないぜ!避けたとしても俺のレイピアは追尾機能付きだ!(走って追いかけるだけ)そら!
「ブギィ!、ビギャボォ!!ブーーーーーーーーーーー!!!」
ほらほらほらほらぁ!!必殺の連続メッタ刺しだ!!最後に斬り払い。決まった…ん?あっ、あれ?もう動かなくなった。
うーん、エレクさんからの課題にしては拍子抜けだったな。って俺血がブシャー!ってなってるのに全然動揺してないじゃん。俺も成長したのかな?ンフフフフ。
そうそう、エレクさんから「倒したらちゃんと魔石を取り出せ、それと毛皮が証明だ」と言われているので某狩人ゲーの如く剥ぎ取りをしないと。
だが一歩踏み出すと同時に周りからべべべべと今しがた倒したはずの聞き覚えのある鳴き声がしてきた。
「なんか、スッゲー嫌な予感」
思わず呟き、周りを見渡すと予感は見事に当たった。俺は4匹のベンブーに囲まれていて、俺が倒したのに比べると三回りほど大きいのが一匹いた。多分ボスか親だろう、色も黒みがかってて違うし。
ということは家族の仇討ちか部下の落とし前か?イヤ、正直無理です。スイマセン、調子乗ってました、助けてください何でもしm「ベンブブッ!!」
「「「ブブッ」」」
「ちょ、三匹一斉射撃はヤバイって!危ないって!!!ああもう!!死にたくない!!!!!」
そう言いながらも俺は剣を腰に差し、取り敢えず逃げる!まずはそこからだ!




