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飛島(トド島)領有

「三十六人ですか?」と俺。


「酒田は奥州藤原氏滅亡後、藤原秀衡の妹「徳尼公」と三十六人の従者がこの地に逃れ、居着いて築いた港だと伝えられております」と加賀屋さん。


「だで、酒田の港の自治組織は、それにちなんで、酒田港の「三十六人衆」と呼ばれております」と鐙屋さん。


「へぇ… 今、欠員が空いているんですか?」と俺。


「あ、いや、呼び名が「三十六人衆」なのであって、人数がいつも三十六人なわけではないです」と鐙屋さん。


「あっ、そうなんですか。なるほど、それは光栄です。是非三十六人に入れてください。佐渡の本間家が酒田港の自治組織「三十六人衆」の一員となって、町の発展と治安維持に勤めましょう」と俺。


「儂は?」と本庄房長(フサナガ)


「じゃあ、本庄様はご家来衆の中から御守衛隊員を派遣してください。隊員の食い扶持を払いますよ」と俺。


「おお、任せい!」とフサナガ。


「腕っぷしもそうですが、それより行儀のいい人を人選してくださいね」と俺。


「菱田様は武士じゃのうて、まるで商人ですねぇ」と鐙屋さん。


「ハハ、若輩者ですが… ところで店を構える場所はございますか?」と俺。


「おお、そうですな、実は酒田は今、大がかりな引っ越し中でしてな」と鐙屋さん。


「引っ越しですか」と俺。


「はい、酒田の町は最上川の河口の南岸に広がっておりますが、こちらはもういっぱいです」と鐙屋さん。


「はい」と俺。


「それに、河口の流れが定まらんので、よう氾濫の被害が多くて」と加賀屋さん。


「はい」と俺。


「それで何年か前から対岸の方に引っ越しをはじめてます」と鐙屋さん。


「おお、それは丁度いい! では、佐渡は対岸の方に店を構えて、港と町づくりを一から手伝いましょう」と俺。


 そうして佐渡は最上川の河口の北岸側に出来る「酒田ニュータウン」開発事業にも参画し始めた。

 相川の街は、レンガと三和土(たたき)で、なかなかいい雰囲気の街ができてきている。

 『酒田も道は固めたいなぁ…』


 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜


 酒田の最上川河口北岸開発のために、何度か行ったり来たりした。

 風向きにもよるが、ハーモタイプで朝出て、明るいうちに着けるくらいの距離だ。

 ちなみに、佐渡の船の速さは、麒麟丸(風向きがいい時)>ハーモタイプ>サーワタイプ>関船クラス>麒麟丸(風向きが悪い時)だ。


 酒田の最上川河口南岸側は、ものすごく賑わっていて、多分人口1000人クラスの町だ。

 一方、北岸側は南から引っ越して来てはいるが、まだ100人くらいの村だ。

 この辺は最上川が暴れてたい積した砂地が広がっている。

 堤防も作って、船着き場ももっと整備して、砂地に土を入れて固めよう。


 石灰石を持ってきて、酒田周辺で聞き込みをした。

 同じような石は、ここら辺にもあるとのことだが、特に北に行った鳥海山でよく採れるそうだ。

 位置的には、それこそ砂越氏のテリトリーだ。


 酒田の周りの人たちには石灰石を持ってきてくれたら買い取ると伝えて、鳥海山の方はこちらから採掘に行くのではなく、まずは外交・諜報部門に動いてもらって、砂越氏から石灰石を買い取ろう。


 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜


 酒田への行き帰りでお向かいにある飛島(酒田の人は飛島と呼んだりトド島と呼んだりしている)にも寄ってみた。

 舳倉島と同じような漁村があって、舳倉島と同じように徴税人は来てないようだったので、舳倉島と同じように佐渡(本間家)が領有することになった。


 佐渡(本間家)が領有すると、数年は年貢免除で逆に島民の生活改善が行われる。

(舳倉島では既に海苔が年貢として収められ始めている)

 代官所が置かれ、代官と数世帯の住人がやって来て、家を建てたり(その時に島民の家を修繕したり建て替えたりもする)、船がしょっちゅう来るので、生活必需品が揃いだす。


 新しい網が支給されるし、後、島で塩を作るようになり、島民は干物を作りはじめる。

 漁獲内容もだいたい同じようなのだが、割合が舳倉島は鮑とかサザエが多いのに対して、飛島は鯛とか大きめの魚が多いようだ。

前話のタイトルの「新潟屋」は酒田本間家の屋号です。


砂越氏、大宝寺(武藤)氏とは戦うか、協調して行くか迷っています。

(頭がお花畑系なもんで…;´∀`)

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