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二街道封鎖戦

 とは言え、ここまで来てただ引き返すわけにもいかず、川を天然の掘りとして築かれた津川城に向かって、蘆名軍は攻めかかってきた。


 街道を進もうとする足軽には、スコップ部隊が掘った塹壕から、三弾クロスボウ隊が矢を放つ。

 津川城に向かってくる者にはスリング部隊が石礫を投げまくる。

 それでも止まれない蘆名軍は、意を決して騎馬隊を先頭に全速力で街道を駆け抜けようとしたが、街道の所々に設置された馬防柵に行く手をはばまれ、騎乗の将はクロスボウで狙い撃ちされた。


 その後も何度か進軍を試みた蘆名軍だったが、毎回狭い進路の前が詰まって、思うように進めなかった。

 そうこうしているうちに蘆名来襲の報を聞いた潟上本間佐渡(かたかみほんまさど)大膳高康(だいぜんたかやす)が、佐渡からカッコーンボルトクロスボウ隊を引き連れて参戦してきた。

 さらに五十里本間修理ごじゅうりほんましゅり亮新左衛門(のすけしんざえもん)が、新兵器「カタパルト」と「バリスタ」を船で阿賀野川を逆上って運んできた。


 攻めあぐねる蘆名軍。

 日に日に要塞化していく津川城。

 越後軍が関東から帰還して来る前に、津川城での越後会津街道封鎖戦は大勢が決してしまった。


 蘆名軍は、そこそこの数の屍と大量の負傷兵を残して退却して行った。

 沢根本間御守衛さわねほんまごしゅえい隊長賢密(たいちょうはるみつ)は、殿隊にされた負傷兵達に投降を呼びかけ、ほとんどの者が投降してきた。


 ハルミツは撤退する蘆名軍には追撃隊は出さずに、負傷者を治療するための陣を張り、越後会津街道はさながら野戦病院と化した。


 シンザエモンは佐渡と津川城を何度も船で往復して「カタパルト」と「バリスタ」を運んできては設置し、津川城を鉄壁の要塞にしていった。


 援軍に来たが不完全燃焼のタカヤスは、蘆名軍がもしかしたら一旦引いて、北上して、越後米沢街道側から回り込んでこないかと、自分が引き連れて来たカッコーンボルトクロスボウ隊と津川城にいたスコップ部隊も連れ出して、岩船の方へと迎撃に向かった。


 蘆名軍は本当に回り込んでやって来た。

 タカヤスは越後側の最初の峠(鷹巣峠)で蘆名軍を迎え撃った。

 かなりの強行軍でやって来た蘆名軍は、ここでも行手を阻まれ、またしても撤退を余儀なくされた。

 ここでもタカヤスは深追いはせずに、そのまま鷹巣峠で陣を張り、越後軍が関東から帰還するまで守りを固めた。


 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜


 急報を聞いた越後軍は、江戸城から二週間ほどで帰還してきた。

 ハルカゲは状況を確認して軍を解き、各将は領地に帰った。

 蘆名に攻め込まれかけていた揚北の竹俣氏、加地氏はハルミツがいる津川城へ、色部氏、本庄氏はそのままタカヤスが陣を張る鷹巣峠まで来た。

 その時にはタカヤス率いるスコップ部隊は鷹巣峠に砦を築き始めていた。


 と、にわかに伊達家から和睦の使者がやってきた。

 伊達稙宗の息子を上杉定実の養子に出すので、それで手打ちにと言ってきた。

 稙宗はこの頃、精力的に縁戚外交であちこちに婚姻や養子縁組を仕掛けており、越後側としては厄介事の種でしかない提案だ。

 それについては丁重にお断りして、蘆名側だったらしい津川城を接収して、幕引きにした。


 関東出兵は北条を追い払っただけで、結局江戸城も奪還できていないし、最後は喧嘩別れみたいに引き上げてきたので、成果はなしだ。

 河越城に入城した時に荷駄補填は受けているので、まったくのただ働きと言うわけではないが…


 佐渡としては、今回の防衛戦の働きの恩賞として、接収した津川城とタカヤスが砦を作った鷹巣峠の周りを領地としてもらった。さらに出羽との国境、念珠関から少し南の海岸に防衛を兼ねた港湾施設の建設の許可を得た。

 代わりに椎谷以外の宮川と新保と塔ケ崎、久田、川本、和多部の領地は返上した。


 津川城の城主だった金上氏は津川城に残しておくと、また蘆名に寝返られても困るので、返上しなかった椎谷の領地に移封させて、当主の盛信(もりのぶ)には隠居してもらい、嫡男の盛備(もりはる)に家督を継がせた。

相変わらず戦の描写が軽くてすみません(;´∀`)

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