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なるべく坑道は掘らない

 さて鉄だが、釜石の山からはかなりの量の鉄鉱石を運び出すことが出来ている。

 俺の地図にあった「釜石鉱山」って辺りには良質な磁鉄鉱が地表に見えているので、露頭掘りで砕き出してはずり落とし道から落として川船で港まで運ぶ。


 佐渡の金山、銀山でもだが、露頭掘りができるところは、できる限り山を切り崩して掘っていく。

 木をなぎ倒して山を崩すので自然環境破壊もはなはたしいが、手間もコストもおさえられ、何より落盤やガスの危険がなく、安全第一を提唱する佐渡の鉱山労働環境を自然環境より優先している。


 伐り出した木や、崩した瓦礫や土砂は全て、各地の港湾施設や街作りの建築資材として使っている。

 酒田の建築請負業は大繁盛のてんてこ舞いで、木材なんかは十分に乾燥する前に次々と使われていくし、あちこちで攫って運び込まれる川砂なんかもコンクリート用にすぐになくなってしまう。


 佐渡ーイワナイー釜石間は風神号が月イチくらいのペースで行き来しているので、運び出された鉄鉱石はまずはイワナイに届けられて、そこから相川のミニ高炉(中炉)を回すための量を佐渡に運ぶ。


 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜


 この相川のミニ高炉(中炉)はクッチャンから鉄鉱石を掘り出してからずっと鉄を生み続けて、鍋釜も農機具も、鉄砲もかなり量産された。


 佐渡では槍は作るが刀はほとんど打ってない。

 スコップがメイン武器だから。

 鉄砲の数も増えたが、焙烙玉とカタパルトの組み合わせにもかなり力を入れた。

 バリスタ、カタパルトも随分作った。


 佐渡の戦い方は、要塞砦からの遠距離攻撃が主体だ。

 野戦でも、スコップ部隊が塹壕を掘り、壁隊が簡易砦を築いて戦う。

 戦車も作っている。

 クロスボウ隊員が中に入って人力で動かすんだが、相手の弓矢を弾いて避けて、こちらは矢狭間からクロスボウで射つ。


 神屋さんが持ってきてくれたフランキ砲も、分解して構造解析して複製生産できてきてる。

 蒸気船にバリスタ、カタパルト、それにフランキ砲も搭載して、クロフネ第一号を開発中だ。


 蒸気機関の開発は、内燃機関の先行開発以降は順調で、蒸気船もそうだが、塩焚き用の海水の組み上げポンプや、水車がわりの動力として実用化している。

 ジワジワとだが、鉄道のレールも延ばしている。

 近々、蒸気機関車が試運転できるだろう。


 そして、イワナイから相川に回した後も十分な量の鉄鉱石を備蓄することができるようになって、いよいよイワナイの高炉も稼働し始めた。

 相川にはミニ高炉(中炉)の他にも色々な釜があるので、

 余熱で塩を煮(た)いたり、沸かし湯で公衆浴場を作ったりしている。

 イワナイにも公衆浴場を作っている。

 塩も煮(た)くが、ここでは鰊粕も煮(た)く。

 やはり寒いところなので、少しでも余熱を逃してしまうのが惜しい。

 周辺施設は全て二重壁にして、暖気循環システムも構築した。


 イワナイとクッチャンの間にもレールを敷く予定だ。

 佐渡よりこっちの方が先にできるかも知れない。


 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜 ※ 〜 〜 〜


 それと綿だが、台東をはじめ、各地でもしっかり収穫されるようになってきた。

 最初は酒袋ばかり作っていたが、今では船の帆布も作れるようになっており、待望の布団も生産が始まっている。


 麻もあるし少量だが羊毛も絹もある。

 佐渡はグルメもアパレル(テキスタイル)も日本の最先端を行く。


 お茶も摘めるようになって、緑茶も紅茶も烏龍茶も作っている。


 紙漉きもはじめたが、お向いの越後や石見の和紙のように楮(こうぞ)の皮からではなく、松や杉の木片(チップ)からパルプを作って漉いてみた。

 従来の和紙より、ちょっとだけツルッとした感じにできた。

そうそう、カラシもワサビもできたよ。

栽培じゃなくて、天然物を採集してきてもらってるけと…

あ、それと椎茸の菌床栽培もできてる。

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