三十俵二人扶持
天文七年春
能登も佐渡(本間家)勢力(友好)圏内になった。
直接手を入れられる珠洲地区は佐渡式農法を取り入れるが、他のエリアでも豊作になって欲しい。
七尾城のすぐ近くの水田の一角を佐渡が借りて佐渡式稲作をシミュレーションすることにした。
育苗、田起し、施肥、畦作り、代かき、正条植え、草とり、水溜め・水抜きの繰り返し、追肥、刈入れ、すき込み、乾燥、脱穀、堆肥作りを佐渡の農具を貸し出して指導する。
農具貸し出し・指導料は、そこで出来た米だ。
これで、今年の刈入れ時に実り具合を見てもらって、来年からは口コミで広がっていってくれ。
農具は販売もレンタルもするよ〜(*^^*)
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暖かくなったらすぐに、釜石に使節団を派遣した。
雷神号でひと月はかからずに着いた。
取次人は外交部門から馬場正時と、行きたがった久知正泰だ。
あと、諜報部門の渋谷十郎左が諜報部員を従えて行った。
釜石の港はひなびた感じの漁村と言う雰囲気だ。
浜に雷神号を着けて、ジューローザが直ぐ側に見える狐崎城に向かって使者に発った。
「本間佐渡守の名代が城主に面会を求めております。お取次ぎをお願いいたします」とジューローザ。
使者の口上を聞いた狐崎城の城主、狐崎保広は使者のジューローザを待たせて大槌城に伺いをたてる。
突然の来訪に真意を計れない大槌城主、大槌六郎広政は大槌城に来るように伝えろと伝令を走らせた。
伝令はジューローザにそう伝え、大槌城までの案内を申し出た。
ジューローザは、
「ならば船で参りましょう」
と、伝令を雷神号に乗せて大槌城に行こうとした。
置いて行かれては困ると、狐崎保広は自分も雷神号に乗り込んできた。
大槌城に着くと、こちらが思いのほか早く来たのでバタバタしていた。
「佐渡から、何をしに来たのじゃ?」と大槌広政。
「まずはこの会談の場を設けていただいたお礼に米五俵を持ってきております。今、船から運ばせておりますのでお納めください」とババさん。
「それはかたじけない。ありがたく受け取り申す」と大槌広政。
「それで此度は二つのお願いがございまして参りました」とババさん。
「なんでござろう?」と大槌広政。
「一つ目は、釜石の港の整備をして港に船を着けられるようにしたい。釜石川も整備して山の中まで船で入らせてもらいたい。整備にかかる費用はすべて本間家が持ちます。人員もこちらで手配しますが、人足を希望する働ける領民がおれば雇いましょう」とババさん。
「何故釜石に?」と大槌広政。
「本間家には優秀な祈祷師が居っての。そのものがここの川を遡った山で鉄鉱石が採れると言っておって、儂らはその者が言うた通りのことをしておる」とマサヤス。
「祈祷師が、鉄鉱石と… 鉄鉱石とは鉄が採れるのか?」と大槌広政。
「鉄がそのまま採れるわけではない。鉄を含んだ石じゃ」とマサヤス。
「それで、もうひとつは何じゃ?」と大槌広政。
「もうひとつは、整備した河口の港に倉庫やサメの加工場なんかを作りたい。もちろんその費用も本間家が出す。了承いただけたら米三十俵を持って参ろう」とババさん。
「三十俵…」と大槌広政。
「春に毎年持って来よう」とマサヤス。
「毎年…」と大槌広政。
「春に? 年貢の時期じゃないのか?」と狐崎保広。
「収穫後にこちらに向かって出航ると、帰りが寒すぎるでの」とマサヤス。
「山に入ればその鉄の石がはすぐに見つかるのか?」と狐崎保広。
「それは入って探してみないことには…」とババさん。
「わからんのに先に金をかけて整備するのか?」と大槌広政。
「言われてみればそうじゃのう。普通はあり得ん話じゃ」とマサヤスが笑いながら言う。
「そうじゃの。儂ら、ショーゴに毒されておるな」とババさんも笑う。
「何を笑っておる?」と大槌広政。
「失敬、失敬、うちの祈祷師は優秀なものでの。儂らは何の疑いもなく言われた通りにしておった」とマサヤスはまだ笑っている。
「もし金山でも見つかったらどうする? 三十俵くらいでは割に合わんぞ」と狐崎保広。
「金は出んぞ。あるのは鉄鉱石じゃ」とマサヤス。
手土産に米五俵ってどう? (・_・;)
年三十俵はせこい? (^o^;)
でも、採算あわないんだよなあ…
やっぱり攻めとっちゃいたいなぁ(;´∀`)




