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正々堂々… ナニソレ? オイシイの?

 焙烙玉と鉄砲の音で突撃しようとしていた農民兵の勢いがとまった。

 そこにスリングでの投石がバラバラと飛んでくる。


 気を取り直して突撃を再開する者。

 タジタジと後退る者。

 ハッと我に返った司令官が物陰に隠れてから


「止まるな〜! 行け〜! かかれ〜!」


 と号令をかけ直した。


 ドーーーン ドーーーン ドーーーン


 再度の焙烙玉。


 それでも突撃してくる者には、スリングをクロスボウに持ち替えて壁にたどり着くまで射掛けた。

 壁までたどり着いてしまった者には長槍部隊の槍衾攻撃が待っている。

 槍も搔い潜って、盾を蹴散らして来るような猛者を数人がかりでスコップで殴る、突く。


「えーい、怯むな! 止まるな! 突っ込め〜!」


 しびれを切らしたかのように馬に乗った武将が数人、前に出て来て号令を掛け始めた。


 ダーーーン!


 この日二発目の鉄砲の弾は、突撃してかなり近づいて来た足軽を貫いた。


 シュッカコーン!


 クロスボウから何発か放たれたボルトのうちの1本が、少し前に出て来た騎乗の武将のひとりの兜に刺さって、その武将は落馬して動かなくなった。

 ヤバいと思ったのか、騎乗の武将は、


「かかれ〜! 怯むな〜!」


 と言いながら、自分らは後方に下がった。

 左右に逃げる兵、その場で立ちすくむ兵、それでも突撃する兵はクロスボウか槍かスコップの餌食になった。


 温井軍 1000 vs 本間軍 300 くらいだが、戦闘開始早々は死傷者の数が 100:5 くらいで本間軍が圧勝した。


 本間軍から声がかかる。


「逃げるものは追わぬぞ! 退け! 退け!」


 続いてこんな声がかかる。


「負傷者は投降せよ! 治療してやるぞ」


 続いてこんな声もかかる。


「負傷してなくても投降してもいいぞ。飯を食わせてやる」

「帰りも村まで送ってやるから、安心して投降しろ」


 温井軍からは、


「惑わされるな! 行け〜! 行け〜!」

「こちらの方が圧倒的有利だ! かかれ〜!」


 と号令がかかる。


 そこから特に陣形指示がなくても温井軍は自然と横に広がって本間軍を左右から取り囲む陣形になる。

(横に広がって、そのまま逃げている者も結構いる)

 正面の攻防は盾と槍衾のある本間軍が圧倒的に有利だが、横からの攻防は単純に肉弾戦になる。

 足軽(農民兵)のかなり後方から騎乗の武将らが「かかれ〜! かかれ〜!」と言っている。

 仕方なく、前の方に陣取ってしまった足軽(農民兵)が本間軍の横腹にワラワラと攻めかかってきた。


 佐渡のスコップ部隊には一騎当千のようなズバ抜けた猛者はいないが、平均的に皆んな強い。

 そして、基本1対1では戦わない。

 統率のとれたチームプレーで戦う。


 スコップ部隊は刀では戦わない。

 武器はスコップだ。

 多ければ4、5人で、最低でもコンビで戦う戦法だ。

 そのための訓練も日々やってきている。


 クロスボウ隊はスコップとクロスボウとボルトを持っているが、他のスコップ隊員はスコップとスリング紐と石礫を持っている。

 なので近接戦でも石も投げるし、それこそスコップで土や泥をすくって相手にかけたりもする。

 時にはスコップを投げることもある。

(人によっては趣味で色々と技術・開発部門長で作ってもらった「ヌンチャク」だったり「トンファー」だったり、その他諸々のサブウェポンを持っていることもある)


 数で勝っていても腰の退けている温井軍の足軽(農民兵)に、佐渡のスコップ部隊が攻めこまれることは終ぞなかった。

 騎乗の武将も足軽(農民兵)よろしく腰が退けており、一騎だけが活路を開こうと突進してきたが、たまたまサブウェポン「鎖鎌」を持っていた隊員に馬から引きずり降ろ(落と)された。


 まだまだ序盤の攻防かと思ったら、温井軍が降りてきた山道の方から物々しい声が聞こえてきた。


「退却! 退却だ〜!」


 温井軍の誰かが退却を指示している。

 温井軍がやってくるであろう山道の脇の林の中に伏せていたクロスボウ隊員が、温井総貞を討ちとったのだった。

最初に石を投げるのは戦費削減もありますが、なるべく農民兵を殺したくないからです。

焙烙玉も鉄砲も、音で威嚇することでビビらせて、少しでも逃げて欲しいと思ってます。 

後、騎兵はできるだけ馬は狙わずに人を狙うようにしています。

馬を回収できれば回収して持って帰ります。

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