温井氏挙兵
七尾城評定の間
・温井氏は攻められた側であり、「領地安堵令」を犯してはおらず、今回のことについて特に沙汰はなしとする。
・三宅氏は「領地安堵令」を犯し、温井領を侵犯しようとしたことが明らかなので、居城の崎山城とその周辺だけを領地として残し、その他の領地は召し上げて守護の直轄管理領とする。
沙汰を言い渡された三宅総広は、当然のごとく「これは温井氏と計ってやった狂言だ。自分は悪くない」と主張した。
それに対して、俺が言葉を発する前に、その場に居た畠山家の重臣、遊佐秀頼が三宅総広に詰め寄る。
「それは温井と組んで謀反を企てたと言うことだな」と秀頼。
「何を、謀反などではない」と総広。
「では、おとなしく「領地安堵令」違反の沙汰を受けられよ」と秀頼。
「だからそれは温井が…」と総広。
「温井の謀反の手助けをしたのか? それならばあらためて別の沙汰を言い渡すことになる」と秀頼。
「謀反ではない」と総広。
「では、おとなしく「領地安堵令」違反の沙汰を受けられよ」と秀頼は繰り返した。
「むぅ…」と総広。
「謀反か、領地安堵令違反か、どちらかじゃ」と秀頼。
俺は黙って(ほくそ笑んで)そのやりとりを見ていた。
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天堂城の温井総貞の元に「共闘はしない」と言う密使の回答と、今回の三宅氏による「領地安堵令」違反の沙汰が伝えられた。
温井氏にそそのかされて挙兵した三宅氏だけが損を被る内容だ。
今のところ自分は沙汰なしだ。
三宅氏は声を荒げて文句を言い立てるだろうが、知らぬ存ぜぬで通せられなくもない。
密使についても同じだ。
しらばっくれれば沙汰なしだ。
沙汰なしだが、これを受け入れると「領地安堵令」を受け入れることになる。
温井総貞は意を決して軍をあげた。
「かず、100を預ける。天堂城を守れ! 我らはこれより崎山城を取り返す」と総貞は弟の温井続基に城の守りを託した。
「穴山城に使者を出せ! 「我軍はこれより佐渡に不法に占拠された崎山城を取り返しに向かう。能登の守護代として援軍を求む」と伝えよ」と引き続き指示を与える。
温井兵庫助総貞は天堂城で挙兵、1000人近い軍勢で佐渡(本間家)が占拠している三宅氏の居城、崎山城へ向かった。
天堂城から崎山城へは山越えで一日かかる。
麓まで来て陣を張ろうとすると、佐渡本間軍は崎山城から打って出て来た。
天堂城の徴兵開始の報をきいて、能登には佐渡から続々とスコップ部隊が送りこまれてきた。
崎山城にも300人は入っている。
吉住惟秀が七尾城の方に、五十里新左衛門が崎山城の方に武器を運んで来ていた。
必然的に五十里が崎山城の大将として指揮をとる。
崎山城に籠城して城下を荒らされても嫌なので、五十里は打って出ることにした。
竹の壁のようなものがズンズンと近づいてくる。
佐渡本間軍の守りの要、壁荷車部隊と竹束盾部隊だ。
今回はさらに五十里が竹編笠部隊も動員して来ている。
山なりに放たれる上から降ってくる矢を避けるための傘だ。
「弓隊、射て〜ぇ!」
温井軍の司令が号令を掛けた。
しかし、これはまだ射程圏外だ。
しばらくして壁荷車部隊が停止し、間、間を竹束盾部隊が埋めて行く。
「射て、射て〜ぇ!」
また温井軍の司令の声が響いた。
今度は射程圏内の攻防だ。
「投擲始め!」
同時に佐渡本間軍もスリングをまわし始める。
温井軍の矢が壁荷車や竹束盾に弾かれる。
佐渡本間軍のスリングで投げられた石が、いくつか弓隊の間に飛んできて、弓隊は後退った。
「怯むな! 射て〜ぇ!」
温井軍の弓隊が前に出て構えようとするところに佐渡本間軍のスリング投石が飛んでくる。
弓隊はさらに退いた。
「ええい! 突撃せよ〜!」
温井軍の司令が足軽に突撃を指示する。
ドーン! ドドーーン!!
駆け出した大軍の前に焙烙玉が数発炸裂した。
ダーーーン!!!
そして、七尾城の方に一丁、崎山城の方にも一丁持って来ていた鉄砲が実戦で初めて火を吹き、先程から前線で温井軍の指揮をしている司令官の近くを弾丸がすり抜けて、後ろの木にめり込んだ。
行き当たりばったりで書いています。
今回も書きながら、大人しく「領地安堵令」違反の沙汰を受けるか、挙兵するか、
さっきまで考えてました(;´∀`)




