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鼻いぼ姫  作者: チャロ吉
18/19

18 再び

「赤鬼王子のご結婚が決まった」

「いつ、わし等は会えるんだ」

「子爵で、加護持ち、領地が持参金だとよ」

「へぇ、爵位は低いが、加護があるってのは強みだ」

「一体全体どこの子爵様だ。聞いたことがないぞ」

ちまたでは噂が飛び交っているようです。

だけど、王子様、なんだか浮かない顔をしていますよ。どうなさったのでしょうねぇ。

せっかく、お嫁さんが見つかって、喜ばしい限りでしょうにねぇ。

王子は鼻いぼ姫のことが忘れられない……そういうこと、でしょうねぇ。ほ、ほほほ。


*****


ヘンリー王子はこのところ塞ぎがちだ。

フォグリッジ公爵領主としては、王子に伴侶が決まってほっと一安心なのだが。

子供がいない私にとって、王子は子のようなものだ。

王子が、子供などとは恐れ多くて口にはできないが、本心なのだ。

どういうわけかこの領は、子供ができにくい。

私も母上が産んだ唯一の子供で、前領主の側室にも一人子がいたが早世してしまったのだ。


「ヘンリー王子、そろそろ婚姻の支度に取りかかってもよいかな」

「……はい。私にはよく分かりません。お願いできますか」

「婚約者の都合で、中々こちらに来られないそうだ。なんでも、自領が思わしくないようで、立て直すのに時間が取られているらしい」

「……そうですか……」

なにを言っても、心ここにあらず……だな。私が率先してことを進めるしかなさそうだ。母上も、王都から戻ってこられるようだし。手伝ってもらうとしよう。


*****


私は、このまま妻を娶る。

こんな気持ちで妻を娶ってもいいのだろうか。

相手の女性に、失礼ではなかろうか。

私の心にはロットがいる。

可愛くて、けなげで、一生懸命で、可愛いいぼまで着いている。

従者として、この部屋で一緒に過ごしたあの頃に戻りたい。

今の私なら、ロットをもっと理解し、慈しみ匿い……愛してやれるのに……。

従者の部屋のドアを開け、ロットが使っていた者を一つ一つ手に取ってみる。

小さな靴。タオル。コップ。ベッド……

「ロットはどこへ消えた? 確か「レイクシャー」と言っていた」

レイクシャーは王都にいる法衣貴族だったはずだ。男爵ではあるが、領地がない貴族」

ロットは、王都へ行ったのではないのだろうか。ロットにあって、もう一度許しを請う。

そして……そして私はどうする?

もし、ロットが私を受入れてくれたのなら、地位を捨てよう。

周りのすべてを巻き込んでしまうが、私はどうしても気持ちを収めることが出来ない。


*****


困ったぞ。

王子が出て行ってしまう。

王都に知り合いを他図目テイクと入っていたが、あの思い詰めようは、思い人がいた証拠だ。

相手は平民だろうか?

母上、早く戻ってきて下され。

私にはどうすることもできない。王子がここから去ってしまう……。


*****


あっちもこっちも大変な事になってきましたね。

まったく恋の病は、なんとやら。

王子様、サッサと気付いてハッピーエンド、しちゃって下さいな。

やきもきしっぱなしですよ、まったくねぇ。


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