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【10000PV突破】令嬢戦記~断罪された侯爵令嬢、妖精とWW2戦闘機で逆転する~  作者: 奏楽雅


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第83話:ダメ?

静まり返った会議室。


机の上には、大きな地図と、各勢力の駒。


乱雑に置かれた資料。


「スースー」


小さな寝息。


「最近のスフィア嬢はこうなのかい?」

ステファンは寝息をたてるスフィアを見てフェリシティに聞いてみる。


「最近と言うには、私は昔のスフィアを知りませんわ。私にしてみるとスフィアはずっとこんな感じですわ」


「昔は…生徒会時代は、何事も控えめで発言は少なかった印象だった」


「それは、自分でする必要を感じなかったからでしょうね。優しい子だから先に人を立てて、意見を聞いて上手く回そうとしてたんじゃないかしら」


「そうかもしれないな…」


「でも、今は動かないことで傷つく人がいるのが許せなくなったんだと思いますわ。それだけの才もあるみたいだし」


「性格は変わってないんだな」


「なんですの?さっきのスフィアを見て嫌いになりましたの?」


「いや。

…いや、いや、好きとかそんなこと…」


「あら、違いますの?」


「スフィア嬢はフランツの婚約者で…」


「今は違いますわよ」


「そ、そうだが…

そうだな…だが。

スフィア嬢がどう思ってるかもある」


「ああ、そこは…」

フェリシティは一瞬言葉をつまらせると

「まあ、時が来たら本人と話されると良いですわ」

といった。


「そうだな、君も少し休むと良い」


「そうね、流石に私も限界のようですわ」

そういってフェリシティも机に突っ伏すと、静かに寝息を立て始める。


「令嬢の寝顔を見ているのはよろしくないな…」


「彼女たちが起きるまでここに誰も入れないように」そう衛兵に告げてステファンは会議室を後にした。


◇◇◇


太陽が中天より傾き始めた頃。

ランツァウ領都に一番近い空港にアルマリン紋章の零式輸送機が何機も到着した。


「スフィア侯。グレン・グレイグ他80名。グレン独立部隊到着致しました」

飛行機から降りたグレン隊長と整列した部隊員が、迎えに出た私に敬礼する。

元リリスラーの銃士隊と砲兵隊を合わせて雇用したグレン隊長配下の部隊だ。


「グレンさん待っていたわ」

私は答礼も疎かに話し始めた。


「急げとのことでほぼ装備なしですが良いんですか?」

リリスラーの飛行場の復旧作業の手伝いをしていただいてたところを呼び出したのだ。


「時間が大事なの」


そういって私はしゃがみ込むと地図を広げた。


「ちょっと…ここで作戦会議ですか?」

何ごとだという顔をするグレン隊長。


「ダメ?」


「ダメじゃないですけど、スフィア侯はお嬢様ですよね?」


「今はそれどころじゃないの…

ニックさんもこっちに」

ニックは自分を指さし近づいてくる。


私は頷くと広げた地図を指さしていった。

「王国軍がランツァウに迫っています」

そして、王国の部隊展開と、兵科について状況を伝える。


「今度は王国が戦車ですか?」

死にそうな顔をするグレン隊長。


「グレン嫌がらせ部隊には、また戦車に嫌がらせをお願いします」


「え?」

「ん?」

「グレン嫌がらせ部隊?」

部隊員が私の言葉に一瞬止まる。


「なんですかその名前?」

グレン隊長が怪訝な顔になる。


「嫌がらせをして貰うから…

でね、各都市、各拠点に対戦車用の嫌がらせをお願いします」


「……私たちだけですか?」


「現地で兵士を動員できるようにお願いしています。

嫌がらせ部隊は4部隊に分け効率的に嫌がらせを設置して、設置次第次に向かってください。

また、計画に賛同してくれるランツァウの士官に同行して頂くことになってますので、現地での問題は最小化できる筈です」


「まあ、現地軍に私たちが指示とか軋轢が生まれますからね」


「ニックさん。新しいアイデアが有ればじゃんじゃん取り入れてくださって構いませんので」


「え?あ、はい!」


「わたしもこんなことは考えたので、使えそうならお願いします」


「え?え?わかりました」


「では、あちらに士官さんがトラックを用意してくださってますので向かって下さい」


「ええ?もうですか?」


「すみません時間がないので…」

グレン隊長以下部隊員が全員顔を見合わせる…


「どうか、お願いします」

と私は立ち上がって頭を下げた。


「……グレン嫌がらせ部隊!行くぞ!新しい可愛くて小悪魔なご主人様に、俺たちの嫌がらせを見せてやれ」

私とトラックを交互に見て一つ溜息をつくとグレン隊長はそう掛け声を上げた。


「「「「おーーー!」」」」



お読みいただき有難う御座います。

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