↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【10000PV突破】令嬢戦記~断罪された侯爵令嬢、妖精とWW2戦闘機で逆転する~  作者: 奏楽雅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/85

第78話:試製四式七糎噴進砲

「ランツァウは、ステファン様はどうされるのですか?」


ステファン様は私が来なくても気づいておられた。

でもどうされるおつもりなのか聞かずにいられなかった。


「王家と公爵の内戦で国内の人々が傷つくのは耐えられない悪行だと思っている。

本当なら前王を救出し、フランツとソニアリシルを廃する予定だったが…

ここに至っては、ウィンザー公、サウザント公と合流するしか選択肢がない。

何よりスフィア嬢…間違っても君とは戦いたくはない」


「ステファン様…」


「それはいつになりますの?」


「明日にも、ウィンザー、サウザント、イスの領事を城に呼んで伝えるつもりだ。

援軍も送って貰うよう願うつもりだ」


「イス公にもですか?」


「ああ、イス公も気持ちは同じだからね。

但し、イス公は動けないんだが…」


「動けない?」


ドォォォオオオオンンン


窓ガラスが弾け跳んでガラス片が舞う。床が大きく振動した。

ミレニアが私に覆いかぶさる。


「な、何事ですの!」

フェリシティの悲鳴。


「爆発だ!

私の乗ってきた車が爆破されている」

割れた窓から外を見たステファン様がそう叫ぶ


「いけない、ステファン様下がって!」


私の叫びにステファン様は窓から下がる。


キンキン

 ガガガガガガ

  ダダダンッダンダン

 パリン ダギン

       チュイーン


すると今度は間断のない銃弾が飛び込んできた。


「一〇〇式機関短銃?

ここが襲われています!」

ミレニアの叫び。


「情報が漏れたか!」

壁に張り付いたステファン様が臍を噛む。


「ステファン様?」


「明日領事を呼び同盟することが王国に漏れたみたいだ。

その前に私を、それに君たちもここに居ることは知れていて一緒に始末するつもりなのかもしれない」


ダダダダダダダ

  パン  パン

 ダダダダ

パン  

「きゃあぁぁぁ!」

   「なんだ貴様らは!」

  「応戦しろ!」

領事館内からも銃声と悲鳴が聞こえ始めた。


「フェリシティお嬢様!

敵襲です!お逃げください!

私たちが護衛につきます!」


4人の男性がノックもなしに部屋に飛び込んできた。


「わかりました」


フェリシティが立ち上がる。


「私もご一緒しても」


「当たり前ですわ。

武官!

第一の護衛対象はステファン卿、第二にこのスフィア。その次を私たちに!」

ステファンの問いにフェリシティは答えると、入ってきた4人に命令する。


「しか…了解しました!」

武官が敬礼する。


「フェリシティ…」


「重要人物順よ!どのみち吹き飛ばされるようなことがあれば順番も何もないわ」


「先ほどの車の爆発…噴進音が聞こえました。

たぶん試製四式七糎噴進砲が使われています」


「携帯ロケット砲…」

ミレニアの言葉にステファン様が呟く。


「フェリシティお嬢様急いで」


「すみません、スフィアお嬢様にブーツだけ履かす時間を」

ミレニアが叫ぶ。


武官が頷き扉脇で警戒する。


ミレニアは、私にブーツを急いで履かせると、入浴前に外した九四式拳銃を渡してきた。

「必ずお守りします」といって。

私としてはミレニアの安全のほうを優先して貰いたいのだけれど、頷きを返すしかなかった。


「準備できました」


「行きます」


部屋を出る、ここは一階。

ロビーからは一番離れているけど、銃声と怒声が聞こえる。


「普通の出入り口は敵が回り込んでいると思います。浴室の窓から中庭に出ようと思います」


「任せますわ」


警戒しながら移動する、先ほどいただいた浴室に二名の武官が突入し、その後で中に入る。

状況は理解しているが、私の入った後の湯気の残る浴室にステファン様がいるのが何か気恥ずかしい。


「?」

私が上目遣いにステファン様をみると、なんだいという顔をされた。


武官が二人が外を覗き先ほどのように、飛び出て周囲の安全を図っている。

手招きで呼ばれるとステファン様、私、フェリシティ、ミレニアの順で外にでた。

美しく四角に刈り込まれたトピアリーの並木の影を使って移動を開始する。


中庭と言っても、完全に建物に囲まれた庭ではなく、正面ロビーから反対側には建物は無く、裏手には隣接する邸宅の壁が見えていた。


「お嬢様申し訳ありません、ここを乗り越えます」


武官の囁きにフェリシティが頷きで応える。


先ずは武官一人が乗り越え、一人が身を伏して壁の上に跨る。

武官がステファン様の手を取って引っ張り上げ壁向こうに。

続いて私だけど。


「ごめんなさい、フェリシティ先に行って」


「な…わかったわ」

バイク用のレザージャケットのままだったフェリシティが腰を待ち上げられ、壁を登っていく。


「武官さんちょっとだけこっちを向かないで」

そういうとスカートを捲し上げて、ミレニアにホーム・ドレス用の小さいが邪魔になるクリノリンを外してもらう。

スカートがダランと下がり引き摺るようになるが、邪魔にならなくなる。


ティテ達にならスカート毎切られているところだ。


「お待たせしました」


腰を持たれ、壁上の武官に手を引かれ壁向こうに、次いでミレニア、武官二人が隣家の敷地に。

そのままその家の反対側の壁から同じように壁を越えて通りに出る。


「フェリシティお嬢様。これからどうされますか?」


一旦路地にはいると武官が尋ねてきた。


「ランツァウの城に向かえないか?」

ステファン様の問いに、フェリシティと武官が視線を交わして頷く。


「ただ、城までは3キロあり、その間に大きな川が流れています。橋を通ると見つかる可能性が高いかも知れません」


「一つ先の上流の橋を使おう」

武官の懸念にステファン様が提案する。


「わかりました、向かいましょう」


月明かりの街が身を隠すのに味方するのを祈って走り始めた。



お読みいただき有難う御座います。

評価・ブックマーク・感想・レビューなどアクション頂けると励みになります。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。