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【10000PV突破】令嬢戦記~断罪された侯爵令嬢、妖精とWW2戦闘機で逆転する~  作者: 奏楽雅


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第77話:それは傲慢だよ

「スフィア嬢のせい?」


「私が勝ってしまったから…

王国は戦況を覆さなければいけなくなった

中立であるランツァウはまだ安全のはずだったかもしれない…」


「ちょっと待ちなさいスフィア」

フェリシティが血相を変える。


「そうだね、気の優しいスフィア嬢の自分のせいだと思う気持ちは解るが。それは傲慢だよ」

ステファン様から想像もしない評価をされる。


「ご、傲慢ですか?」


「君は出来ることをやっただけだろう?しかも人的被害を極力抑えて。

スフィア嬢たちは戦争をしているんだ。必ず勝てる訳でもないのに、勝ってしまったというのは傲慢と受け取られることだよ」


「そんな…私」


「スフィア。貴方は良くやっているわ。だけどあなた一人で戦争をやっている訳ではないのよ。貴方が勝ってしまったとかいうのは大きな間違いですわ」


「それにね、君たちの動向がどうであれ、国王がフランツでなければ、とっくに王国はランツァウに対して強硬に出ていただろうからね…

もっともフランツがこんなことをしなければ問題すら起こらなかったわけだけど」


ステファン様が視線を落とす。


「…ごめんなさい。勝ってしまったとかはもういいません。間違っていました…」


ステファン様が優しい顔を向けて頷く。


「スフィア嬢。だけど何故ランツァウが攻撃を受けるという考えに至ったんだい?」


私は、一つ息を吸うと自分の考えを口にする。


「王国の…フランツ…王子…いえ、ソニアリシルの目的は周辺他国を攻めることが目的のはずでした。

なので公爵たちの反抗は想定外。

想定外というのも烏滸がましいくらい、考えの外だったと思います」


「フランツの性格がうまく利用された感じだね。

そして戦略が一手先…せいぜい二手先までしか見ていない感じを受ける」


「「ソニアリシル・ド・ ラヴィヴ」」


私とステファン様は同時に一人の令嬢の名を挙げた。

現王妃で、ひとつ年下の元子爵令嬢。


「フランツは覇権国家であった頃の王国を思い描いていた」


「はい」


「軍事好きのユージンはソニアの兵器知識に陶酔してしまった」


「…最初から軍事機密という言葉に惹かれてましたね」


「文系のシャルルが何故靡いたのかはわからないが…欲しい言葉を巧みに利用し人の心に入り込んだようだ…」


「ステファン様は?」


「え?」

驚いた顔をするステファン様。


「?」


「こほん…誘惑された…あなたこそ王の器だ、私と国を創りましょうとね」


「それって、国家転覆罪じゃないの?」

フェリシティが声を上げる。


「いや、巧みにこの国を盗るとは言っていない。それに女学生の言葉だ。誰も本気にはしないだろう。それが可能な軍事力があっても」


「ステファン。貴方はその手を取らなかったということなのね?」


「ああ、目の奥に危ない光をたたえていたからね」


「ステファン様。

今、それが可能な軍事力とおっしゃいましたね。

やっぱり有るんですね、ランツァウにも…」


「……」

私の言葉に、ステファン様が黙り込む。


「どういうことですの?」

フェリシティが不審な顔をする。


「私の婚約破棄の直後、何故遠方のアルマリンを真っ先に王子は狙ったのか」


「ソニアリシル暗殺嫌疑による婚約破棄、貴方の国外追放。それに伴う所領没収…

アルマリン候への爵位剥奪なら書状一つで足りますわ。軍隊で国内貴族領を制圧するのは異常ね」


「理由はフェリシティも見ている。

翔鶴や瑞鶴などの軍艦…

それら軍艦を押さえたかったから…

今ではランツァウも情報はお持ちですよね?」


「まあ、情報は得てるよ」

私は頷く、公爵が持つ情報網なら既に知っていてもおかしくない。


「だけど、あの時点でアルマリンに翔鶴があるのは国王と軍務卿しか知らなかった極秘事項です。

フランツ王子すらそれは知らなかったはず。

…それを、ソニアリシルは知っていたんだと思います」


「なるほど…とは思うけど。

なんで?という疑問が湧いてくる話だね」


「そこまでは…」


「まあ良い…

わかった、隠し事はなしにしよう。

ランツァウにも発見された兵器がある。

キ84 四式戦 疾風

約3500機が発見されている。

技術者は今までの機体キ43やキ44、キ61を上回る性能だといっている」


「そんな機体が3500機も?…戦況が決まりそうな数ですわ」


「王国が欲しがるわけですね。

今まで失った戦力以上の戦力が手に入るなら」

ミレニアが小さな声で呟いた。


「しかし、妖精がいるのは約1500機…つまりそれが稼働可能な機体数だ」


「ソニアリシルは、妖精を無理やり兵器に入れられるそうです」

ティテに聞いた話。


「ランツァウが落ちれば、3500機が王国の戦力になるということですか…」

ミレニアが呻くように声を上げる。


「王国が戦線を下げている理由は、ランツァウを落とすため?」

私は恐ろしくなった。



お読みいただき有難う御座います。

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