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令嬢戦記~断罪された侯爵令嬢、妖精戦闘機で天翔けて逆転する~  作者: 奏楽雅


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55/69

第55話:なんというか。健闘を祈ります

昨夜も入った、子爵の執務室だけど…


空気が重い…


昨日私が座った位置に、フェリシティ嬢が座り。

その正面に私と子爵。ミレニアには私の後ろに立って貰っている。

(私もミレニアの手首を掴んで離さなかったわ)

なんで私までみたいな顔をミレニアはしていたけど貴方は一蓮托生なんだから。


「フェリシティ嬢、本日のご用向きは?」


それぞれの前に、メイドがお茶を用意すると子爵が話を切り出した。


「要件はふたつ」

そう言ってフェリシティ嬢は私を指さす。


私は驚いて仰け反ってしまった。


「スフィアルィーゼ嬢との決闘を申し込みます」


(えぇ!令嬢同士が決闘?)

私は自分を指さして首を傾げる。


「な、何故でしょう?恨まれるのも決闘を申し込まれる所以もわかりません…

本日初めてお会いしたと思うのですが。」


「会うのは初めてよ。でも、貴方は私の恨みを買っているの」

(わけがわからない…)


「それと、ウィンザー公爵と我が公爵家との同盟の件です」


「何か進展でも?

ウィンザー公とサウザント公の間での協議のため此方には何もまだ連絡が届いておりません」


「同盟の条件に私と、スフィアルィーゼ嬢との決闘が盛り込まれました」


「なんですかそれは?」

「なんでですか?」

子爵も私も驚きに腰が浮く。


(盛り込まれたってことはウィンザー公も決闘を認めたの?)


「フフン。さあ決闘なさい」


「そんな。私、剣とか持ったこともないですよ、嫌ですよ」


「貴方、戦姫なのでしょ。空でブイブイ言わしているとお聞きましてよ。空で決着つけましょう」


「フェリシティ様と私の機体でですか?」


「勿論、射撃なしの背後に何回つけるかという模擬戦にします。機体は貴重ですからね」


「背後…ですか?」

ティテもそうだがシルヴィはさらに曲がるのが不得意だ、そして私の予感ではフェリシティ嬢の機体も…

(試合になるのかしら?)


「ちょっと待ってください、フェリシティ嬢もスフィアルィーゼ候も、そんなの許可できませんよ」


「失礼ですが子爵。ウィンザー公とサウザント公の間で決まったことですよ」


「ぐ…」

子爵が青くなる。


「あの、良いですか?」

私は小さく手を上げる。


「なんです?」


「この勝敗によって何がどうなるのですか?」

(私が勝てば同盟?それとも負ければ同盟?)


「そんなこともわかりませんの?」

(えー)

私は、子爵と顔を見合わせる。


「今から一時間後に開始します。首を洗って待っていなさい」

そう言うと、フェリシティ嬢は席を立ってしまった。


「…どういうことでしょう?」

ミレニアは首を振る。

子爵は項垂れてしまった。


「子爵、取り敢えずウィンザー公に問い合わせてみて下さい」


「わかった」


***


「ということなのよ、シルヴィ」


『意味がわからないわ』


(そうよね、私もわからない)


「勝てる?」


『ふふふ。誰に言っているの?』

(あれ、自信あるの?)


『あんな、陸軍のキテレツ機体に負けるものですか』


「ゴニョゴニョとかキテレツとか何かシルヴィたちの間にもなにかあるの?」


『私も彼女も同じ最速を目指した機体なのよ。負けられないわ。ふふふふふ』


「はあ…」

(まあ、どちらも怪我せずに終われば良いわ)

この際願うのはそれだけだった。


***


「では、なんというか。健闘を祈ります。

お互い試合後は禍根を残さないように願いますよ」


子爵が一週間寝てないんでは?みたいな表情でそれだけ言った。

(別に私は禍根も何もないですよ)


「ウィンザー公とは?」

「まだ、回答は来ていません…現在会談に向かわれているらしく情報封鎖されているそうです」

私は子爵に近寄ると小声で子爵と会話する。

(うーん…)


「行きますわよ、スフィアルィーゼ!」


「は、はい…」


私は、シルヴィに乗り込むと、上空を見る。


ミレニア、ジュリアン、ルーシャン、エリオット様が既に審判として空に上がっている。


フェリシティ嬢に続き滑走路へ向かう。


ヴォンヴォンヴォンという周期的なもの凄い音だ。


ズズズズズズズズズというシルヴィのアイドルとは全然違う。


バリバリバリバリバリ

離陸していくキ64を私も追いかけるように離陸する。


ギロギロギロギロギロ


離陸加速は向こうが上みたい。


先ずはミレニアたちの待つ6000メートルを目指す。


空は青く雲一つない、キ64とシルヴィの翼端の航跡が空に真っすぐ伸びていく。


空を見ながら思うのは

(…戦時下なのにバカらしいわ)


お読みいただき有難う御座います。

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