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令嬢戦記~断罪された侯爵令嬢、妖精戦闘機で天翔けて逆転する~  作者: 奏楽雅


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42/53

第42話:貴方は可愛いですね

ガァァン

音に驚き頭を隠す。

(銃声?後ろから)

ハッとして、ミレニアの機体の方を見る。

キャノピーが開けられ、ミレニアに銃を向けられていた

「通信するな、大人しく出てこい」


ガコン!ゴロロロロロロッ

「!」

私のキャノピーが勝手に開けられた、外からロックを外された?


「お前も出てこい、無駄な抵抗はするな」

(な、何事なの?)

銃口を向けられてしまい、私はシートベルトを外して立ち上がる。

「私たちは、ウィンザー公連合に集った仲間のはずです、なんでこのような真似をされるのですか?」


「自分は命令に従っているだけだ、早く出てこい」


私は理由もわからず、言われた通りにする。ミレニアのほうを伺う。

(銃声がした。大丈夫かしら…怪我とかしてないでね…)

なにかあったらと思うと血の気が引く


複数の銃口が私を狙っている、私は操縦席から主翼を伝って地上に降りる。

『スフィア…』

「大丈夫よ、待っててね。きっと何かの間違いだから…」

『うん…』

「…何時でも出れるようにね」

『うん!』


「スフィア様、申し訳御座いません」

「ミレニア、大丈夫?」

私は、銃口を向けられて歩いてきた、ミレニアの手を握った。

「はい、大丈夫です…」


「指令所までご同行願えますか」

指揮官らしい、二十歳くらいの赤毛の男が銃口を向ける兵士の間から姿をあらわした。


「申し訳ありません。領都ピューリッツ司令部よりの命令のため、拘束させて頂きます」


「私たちは、ノース公爵連合軍からピューリッツ子爵領を守るために来たのですよ」

ミレニアが睨みつける。


「申し訳ありません、情報が錯綜しておりまして…」

指揮官は、私に向けられていた銃口を手で下げさせると…

「この方は侯爵殿だ、この命令がもし間違いであれば、お前たちの首が物理的にとんでもおかしくないぞ。丁重にご案内しろ」


指揮官の言葉に兵士の顔が青くなった。


***


私とミレニアは、管制塔の一室に監禁されることとなった。拘束は受けていないが、外には出られない。


説明もない、向こうも状況がわからないらしい。


「いったい何事なのでしょうね…」

「反乱なのか?またはノース公に寝返ったとかでしょうか?」

ミレニアが淡々と言うがなんか違う気がする。

「地理的にも時期的にも今動く理由が弱い気がするわ」

会議で私が気に入らないみたいだったけど…救援に向かうと決まった後は、手のひらを返したように喜んでくれたはずだ。

昨夜から今朝にかけて何かあった?


「身柄と引き換えに、翔鶴、瑞鶴を要求されたらどうしますか?」


「だ、だめよそんなの!

あ、でもミレニアが…」


「私の心配はなさらないで下さい。私はお守りする立場です」

「いやよ」

即答した。

「親友だけど、守る立場は私よ」

「私は貴方に仕えてるんですよ」

「貴方は私の領民よ、領民を守るのは私の役目よ」

「「ムムムムム」」

私とミレニアは一歩も引かず睨み合った。


「あー、宜しいかな?」

赤毛の指揮官が入口に立っていた。


「……」

バツも悪いし、言葉が見つからない。

「女性、それも貴婦人のいる部屋に断り無く入るのは礼に失しますよ」

「すまない、何度も声を掛けたのだが…」

「……」

ミレニアも黙ってしまった…


「そのお陰で、アルマリン候が良い領主だということが良くわかりました」


「ノース公の攻撃が迫る中。いったい何をされているのですか?ウィンザー公に知れたらどうなるか…」


「貴方は銃口を向けられても、ピューリッツのことを心配されるのですね」


(あぁ、そう言えば…)

「気づきませんでした」


「私がブライドル王立学校の生徒だったときも、貴方は不思議な存在でしたよ」


「私をご存じなのですか?」

私は指揮官をよく見るが見覚えが無かった。


「貴方に覚えが無いのは当然ですよ。私とは五学年違っていますし、貴方は王子の婚約者で王妃になる方だった。学校中の注目の的でしたよ」

(注目とか全然自覚が無いのですが…)


「それでは指揮官さんは先輩になられるのですね。でも、私が不思議とは?」


「貴方はいつも王子や集まってくる方々の輪の中心にいらっしゃいましたが、一人で行動されるときもよくありましたよね」


「…私の婚約が突然だったから、都会の空気に馴染めなくて…」


「いえ、なんか一人でブツブツ言われていた姿がよく目撃されていました」

(まるで危ない人のような言い方…)

や、やめてミレニアそんな目で見ないで。


「妖精ですか?」

「…はい…あれ?これ尋問ですか?」

ミレニアが右手で自分の顔を覆った。


「貴方は可愛いですね」



お読みいただき有難う御座います。

少しでも面白いと思っていただけたら、どうか★をお願いいたします。

作者が折れないため是非ご協力ください。

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