表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
令嬢戦記~断罪された侯爵令嬢、妖精戦闘機で天翔けて逆転する~  作者: 奏楽雅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/39

第13話:スクランブル

ジリリリリリリッ! ジリリリリリリッ!


防空警報が鳴り響く中、静かだった格納庫に、人が一人二人と駆け込んでくると、周りが喧騒に包まれた。


「な、何?」ティテの翼から飛び降りる。


ティテの横には大きな穴が開いていて、その下からも声が聞こえる。

その穴の天井部からは光が差し込んできた。眩しくて手庇をつくる。


「ミ、ミレニア…天井が落ちてくる!」

「スフィア。エレベーターです。

少し下がって下さい」

ミレニアに手を引かれ、一歩下げられる。


ものの十数秒でエレベーター?は私の立つ床と同じ高さで止まった。


「退いて退いて!」

後ろからの声に驚くと、A6M5に、殺気立った十数人掛かりで白い服の男たちが押してエレベーターに運んでいく。

私は、ミレニアに手を引かれ、エレベーターに乗せられた。

「この位置からは動かないで下さい」

コクコクと頷く。


エレベーターが軋む音を出しながら、穴から見える空に近づいて行く。


「うわ~」

私は、船の上に出ると、感動で声が漏れた。

雪を纏った山々に囲まれ、白と青の空が広がっていた。船の縁まで駈けると深く青い湖が見て取れた。


だが、上空には10機のA6M5が飛んでいて。先程一緒に昇ってきたA6M5が、飛び立とうとしていて。

エレベーターからは引っ切り無しに、A6M5が運び出されてくる。


「私も、私も出ないと…」

そうミレニアに言うと首を振られた。

「あの機体は、今のままでは運用できません」

「運用?」

「飛んで、着艦して、補給するということです」

「でも、着艦は出来たわ」

「あれは着艦ではないですよ。無理矢理降りただけです」

眉根を寄せて言われた。

「どこが違うの?」

ミレニアは天を仰いだ。

(失礼ね)

「アイランドに行きましょう」

「アイランド?」

ミレニアは艦橋のことですと、甲板上にある建物を指差した。


***


アイランドの中も上に下にの大騒動で、全員が走っていて、歩いているのは私とミレニア位だった。


いくつものラッタルを上り。最後に垂直に近いラッタルを上ると、狭い踊り場に出た。

踊り場は大人一人が立つのが精一杯で、すぐ目の前には数型すうがたの大きなレバーを備えた鋼鉄の扉が立ちはだかっていた。


「スフィア。ここが、この船の心臓部。羅針艦橋です」


ミレニアは慣れた手つきで重いレバーを回した。

ギィ、という金属の摩擦音とともに扉が開かれた瞬間、それまでの狭く暗い階段室とは対照的な、強烈な情報の嵐が私を襲った。


扉を跨いだ先は、三十平米位の四方が窓に囲まれた、細長く、それでいて機械がぎっしりと詰まった空間――機械の部屋だった


「全ての窯に火を入れろ! 妖精たちの火と風が絶えないようにしろ!」


鉄の扉一枚を隔てただけで、戦場へと放り出されたような錯覚に陥る。


振り返れば、今通ってきた扉のすぐ脇に一段低い場所にも部屋があった。


「そちらは飛行管制所です」

ミレニアが私の視線に気づいて説明してくれる。


そこには、様々な指示を矢継ぎ早に出している人たちが詰めていた。


外を見ている人の視線の先には、陽光を反射する広大な甲板の上を、信号旗を振って何かを伝える人や、機体に向かって走り回る人が豆粒のように見えた。


(みんな必死…)

コクリと喉が鳴る。


視線を戻し、羅針艦橋の一段高い固定椅子に座った人物を見る。


座っていたのはビンセントで、私に気づくと横に来るように促した。


「申し訳ありません、お嬢様。今は緊急時にて失礼をお許しください」


「かまいません、何事なのですか?」


「偵察機が此方に向かっている、機体を発見しました」


「王国ですか?」

私が聞くと、ビンセントは緩く首を振った。

「通信状況が悪く、詳細の確認が取れておりません。

このような場所ですので、敵機と想定し迎撃態勢を取っております」


「この船は飛んで逃げられないのですか?」


「錨泊していたため、全ての窯は落していませんでしたが、急いでも始動まで20分は掛かる見込みです」


(そんなに…)


「やっぱり、私もティテで…」

そう言うと、ミレニアにガシッっと肩を強く押さえられた。


「な、なな、何?」


「何じゃありません大人しくしていてください」


「ビンセント艦長!敵機が見えます」


右側で双眼鏡を覗いていた人が声を張り上げた。


「数20!」


お読みいただき有難う御座います。

少しでも面白いと思っていただけたら、どうか★をお願いいたします。

作者が折れないため是非ご協力ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ