表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

秋の秋桜と優しい雨と子犬と恋の始まりと……。


『もー。また喧嘩?どうしていっつもそんな乱暴な出来事に関わるの?いつまでもガキんちょなんだから!己を律せよ。未熟者。』


絆創膏を手に、そう言ったのは

この物語の主人公、


柳生新左衛門宗厳(やぎゅう しんざえもん むね

よし)。



『いてて。やれやれ。もっと優しく絆創膏を貼れないのかよ。だけども、こうして好きなお前に、喧嘩でできた大したことの無い傷に絆創膏を貼ってもらう、それはとても嬉しい事です。』


乱雑な絆創膏貼り行為に、やれやれしたのは、

クールな雰囲気なのに、ガキんちょみたいに暴れん坊な一面のある。で、お馴染みの


伊藤一刀斎景久(いとういっとうさいかげひ

さ)。


『なによー。心配して絆創膏してあげてるのに、そんな言い方しないでよ。』


『やれやれ。まあ、サンキューな。と、軽くお礼を言ったのは、それは俺は俺のキャラというか、そういったものを守るため。さらには、まだこのお前への好きだという気持ちを伝える勇気が無いから。やれやれ。好き。』


幼馴染の2人のいつものやりとり。



——


秋だから、とりあえず雨をふらせます。


雨。


街の喧騒も、人々の気持ちも、


雨の音で優しく包まれて、

日常も非日常も、リバーブ多めみたいに曖昧。



傘をさして、水たまりを、歩くのは、


柳生新左衛門宗厳(やぎゅう しんざえもん むね

よし)。



足の運びを敵に読まれないようにするため

幼少期より行ってきた厳しい修行の成果は、

水たまりを歩く足音さえ完全に無音にした。


ふと秋桜の公園の方を見ると、見慣れた傘、


伊藤一刀斎景久(いとういっとうさいかげひ

さ)。

の後ろ姿を発見した。


『こんな雨ふりに、こんなとこで何してるんだろう?また喧嘩かな?まったくもう。』


心配した

柳生新左衛門宗厳(やぎゅう しんざえもん むね

よし)。

が、様子を見るために


伊藤一刀斎景久(いとういっとうさいかげひ

さ)。


へと近づく。

その足音は無音。


声が聞こえる距離まで近づくと、

声が聞こえてきた。

声が聞こえる距離だから。


『やれやれ。こんな雨ふりにこんなとこに1人かよ。仕方ねえな。雨がやむまで俺が一緒にいてやるよ。て事を、俺は今、この公園に捨てられた段ボール、段ボールの中には子犬。その子犬に話しかけている。そして、子犬がこれ以上、雨に濡れてしまわないように、傘をそうしてあげている。なぜそんなことをするのか、それは今、俺の背後に好きな子がいて、俺の声を聞いているって事をわかった上でそうしている。ギャップ萌え発動中。優しさのアピールをしている。いつもは傲岸不遜な態度の俺。先程も喧嘩での怪我、絆創膏という流れがあるから、この優しさアピールはとても効果的だといいな。やれやれ。抱きしめたい。そんな俺を人は計算高い奴だと笑うだろうか?それでもかまわない。それくらいに俺は恋をしているから。やれやれ。抱きしめたい。』



『……いつもはガキんちょみたいに、暴れん坊で、どうしようもないのに……

こんな優しい顔もするんだね………』




……トゥクン……。



この胸の……



……異常心音は……



………胸がしめつけられるような………



……わたし



……もしかして…









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ