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恋の花12



『絶対クズ野郎だってそんな奴』


私にだって友達はいる。


目の前で、クリームブリュレを小さな金属のフォークでチクチクしているのは、お友達のエヌ氏。女の子。


『ミドリはさあ、流されちゃうタイプだからさあ。さみしんぼタイプてゆーの? そのメロメにいーよーに利用されてんだよ。ばか。』


なんだかクリームブリュレて変な名前。


『ちょっと? 聞いてんの? 』

 

『ブリュレ。て響きが可愛くは無いよね。』


エヌ氏は、ため息をふー。ひとつ。


『セフレだよ? やめなよ。』


『うー……ん?』


エヌ氏は、ため息をふー。ふたつ。


『ズタボロで、粉々になるよ?』


『うー……ん? え? 粉々?』


『都合よく利用されてさあ、ポイ。』


『粉々て綺麗かもしれない』


『なんて?』

 

『木漏れ日……ちがう。夜だから、月明かり?』


『なんて?』


『月明かりなんて贅沢かもしれないな。

居酒屋の裏口から漏れる灯りかな? 』


『あんたさあ……』

  

『その野良猫しか知らないような、

 たよりない灯りの中を、光の粒が……

 さらさらって。』


『粉々だよ。さらさらなんて綺麗なもんじゃなく。て。きったねえやつ。ザラザラの。』


『うー……ん?』



『もうええわ。』


エヌ氏は、

クリームブリュレを

チクチクしながら綺麗に食べ終わる。



会いたいな。


私は、メロメ君を想った。













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