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恋の花11
『でさ。』
メロメ君が怒りの気持ちに包まれていた。
『そりゃね、確認しなかった僕も悪かったですよ。うん。それは認める、認めますよ。はい。
でも、まさかそんな感じになるなんて、その時点では僕にも、そして誰にも予想なんてできなかったわけでしょう? それなのに、僕だけが1番悪いみたいな感じになって、むかつく。なんかビールとかある?』
お人形さんみたいに綺麗な顔は、過度のアルコールで、すごいピンクで可愛かった。
『でねでね。聞いてねミドリちゃん。可愛いよミドリちゃん。
その後ね、まあ問題がある程度おさまって、
はやく帰りたいなあ、って考えるじゃん?
普通はね。そうしたら、そんな早く帰りたい僕の気持ちなんか全く反映されない形で、怒られた。叱られた。悔しい。』
『うん。大変だったんだね、メロメ君。』
メロメ君はピッと、動きを止めて、ジッと私の顔を見つめた。
『ミドリちゃん……』
テレビからは、ほんとにあった怖い話の、
幽霊が出る時の効果音。
『大好きだよ。ミドリちゃん』
メロメ君は、底の抜けたバケツみたいな瞳で、
キャミの汗ばむ私を、
抱きしめた。
いくら優しさを注いでも全部下に漏れていく、
目に余る可愛さ。
今日はお泊まりしてってほしいな。




