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恋の花8
メロメ君のLINEのお返事は遅い。
直接に電話……。なんてことは、
なんだか、なんだか、ほんの少し考えただけでも胸がぎゅんとして、息が浅くなって、
鼻の奥が痛む気がしたので、忘れることにしてる。
ビールの空き缶で膨らんだコンビニのレジ袋。
あ。今日、空き缶の日だった。
特にやる事もないから、冷蔵庫の中を見てみたりしていた。
冷蔵庫の中にも、面白いものなんかなくて、本格的に退屈になった私は、散らばる漫画に埋もれていた青い本を発掘したので、パラパラとページをめくる。
———寝てた。
窓の外は色彩感覚の狂ったオレンジ色で、
綺麗なのに気温だけは暑かった。
LINEのお返事もしないくせに、
いきなし、メロメ君が来た。
『寝てたの? ミドリちゃん。もう夕方だよ』
薄暗いオレンジ色の部屋で笑うメロメ君は、
なんだか夕焼けより優しく見えた。
『あれ? どうして泣いてるの?』
なんで?
私にもわかんない。
下瞼に触ると、中指が濡れた。
『ミドリちゃん。涙の数だけ……』
一呼吸おいて、
『人は強くなれるんだよ。』
メロメ君のいつもの薄い言葉に、
私はひどく安心した。
大好きだよ。
メロメ君。




