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恋の花6
『みんな綺麗に咲いているなあ。』
激安スーパーの店頭の造花コーナーで
メロメ君がうっとりと呟いた。
『ねえ、ミドリちゃん。君はどんな花が好き?』
3個で120円のコロッケの入った紙袋を持ちながら、私はメロメ君が好きだった。
『シロツメクサが好きかも。』
『なにそれ? 花?
僕はね、やっぱ薔薇。美しいからね。』
『綺麗だよね。薔薇。』
『そうだよね。ミドリちゃんセンスあるよ』
メロメ君は廃棄ガスと埃で薄汚れた、造花をひとつ手にして笑顔を見せた。
とても可愛らしくて、こんなコロッケなんか食べさせていいのかな? 紙袋に油が染みてて。
『少し動かないでね』
メロメ君は、
私の髪に一輪の造花をさしてくれた。
『かわいいよ。ミドリちゃん』
私の中に、メロメ君が咲いた。




