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賞味期限1年の恋  作者: AM
第1章 お互いを知るためには
9/22

凪音編:3話 友人とのゴールデンウィーク(前編)

今日からゴールデンウィークだ!と言っても、受験生だからなのか、今年は去年と比べ物にならないくらいの宿題の量があった。まあ、宿題は休みの後半にやるか…そんなことは忘れて、今日のことを考えよう。今日、珍しく、僕は休みの日なのに朝早く起きていた。なぜかって?

それは…今日は恭平と伊崎の2人と一緒に名古屋に行くからだ!ただ、名古屋に行って何をするかは決めてはいない。ノープランだ。ノープランで名古屋の街をぷらぷらする。どうせ今回も恭平がおちゃらけてナンパをしだすだろう。まぁ、それも悪くはないか…

「おっと、もうこんな時間か…」

僕は自転車を出し、駅へと向かった。集合場所は改札だ。駅までは家からだと自転車で30分はかかる。やっぱり不便だな。この街は…。

なにせこの市には駅が一個しかない。しかも結構な山奥にある。だから途中で3つくらい坂を登らなければならない。憂鬱だ…

あれから20分は自転車をこいだだろう。最後の坂を僕は登っていた。「はぁ、はぁ。」疲れて登っていたところに、後ろから声がかかった。

「よお、凪音!」

「恭平か…」

「どうした凪音?これくらいで息が上がっているのか?」

「うるさい…」

日頃の運動不足が、こんなところで足を引っ張るとは。

恭平と一緒に駅の改札まで行くと、先に伊崎が待っていた。

「2人ともきたか。」

「よお、伊崎!」

「相変わらず元気だな恭平は。それと反対に凪音、大丈夫か?めちゃくちゃ疲れているようだけど。」

「大丈夫だ…」

「ま、体調が悪かったら早めに言えよな。できることはするから。」

相変わらず伊崎は優しいな。なのに伊崎には彼女がいない。なぜだ?まあ考えても仕方ない。

僕たち3人は名古屋駅行きの切符を買い、電車に乗った。珍しく車内はそこまで混んでおらず、座ることができた。車内に座った途端、恭平がこんなことを言い出した。

「なあ、知ってるか?恋の賞味期限って1年らしいぜ。」

「恋の賞味期限?」

「ああ、昨日、ネットの記事を見たんだけどよ、なんか1年間は熱々でも、2年目とかになると冷めてお互いの細かい行動とか性格が気になるらしいぜ。」

「どうせ、そんなの嘘だろ。」

「伊崎、嘘じゃねえって。ほら、現に色んな人がこの記事にコメントしてるぞ。」

そう言われ、僕と伊崎はコメント欄を見た。

〈私には付き合って1年経つ彼氏がいるのですが、確かに最近彼氏の細かい仕草などが気になるようになりました。そのことで喧嘩をすることもちらほら…〉

〈僕は去年別れた彼女がいます。別れた理由は彼女の性格が僕の性格と合わないと感じたからです。〉

……なるほど。要するに疑心暗鬼に近い感じになるということか。

「ふーん。」

「ま!でも俺は由花と付き合って1年半になるけど、いまだにアツアツだけどな!」

「仲が良くていいな。」

「伊崎は彼女いらないのかよ?」

「彼女?あまり考えたこともなかったな。」

「せっかく顔がいいんだから作れよ。」

「まあ、中学最後の年くらいは欲しいとは若干は思うな…」

「だろ?よし!今日はナンパもしよう!」

また始まった。恭平のナンパ癖。こいつ、ナンパしてること彼女にバレてないのか?

「ふふ、いいな。」

珍しく伊崎が乗り気だ。いや、ほんとに珍しい。

「恭平は今日もするか?」

「しないよ。この間のことがあるんでね。」

「あ〜、あの女子に普通って言われたことか。」

傷をえぐるな。この間のことって言って誤魔化したのに。さて、そうこうしているうちに名古屋駅に着いていた。

「さて、改札出るか!……あれ?ねえ!」

急に恭平が騒ぎ出した。

「どうしたんだ?」

「切符がねえ!」

「嘘だろ?」

「ポッケとかにあるんじゃないか?」

「無い、無い、無い!!!なあ、凪音、伊崎!こういう時どうすればいい?」

「とりあえず、駅員さんに聞いたらどうだ?」

「駅員さんってどこにいるんだ?」

「あそこじゃないか?ほら、改札の横にある駅員窓口。」

「おっけ、そこ行ってくるわ!」

僕たちは先に改札を出た。

「恭平って意外とドジだったんだな。」

「そうか?」

「ん?伊崎は、恭平がドジだったこと知ってるのか?」

「あぁ。あいつは今まで何度もドジをしてきた。それも数え切れないほどに。」

「そうか…」

恭平にも意外な一面があったんだな。

「わりぃわりぃ!お騒がせしたな!」

「無事、手続き終わったか?」

「ああ、なんとかな。それよりせっかくの名古屋だ。こんなこと忘れて楽しむぞ〜!」

旅にトラブルは付き物だ。ま、それもこれも楽しいことだし。今日は一日、めいっぱい楽しむぞ!と心の中で思った。

(中編へ続く)

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