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賞味期限1年の恋  作者: AM
第1章 お互いを知るためには
5/22

沙月編:2話 三森沙月はなぜか知りたい

ピピピピピ…p…

「ん…」

珍しく寝れなかった。新学期のあの日から1週間が経った。昨日、夜遅くまで漫画を読んでいたからかな?私は漫画を読むのが好きだ。特に好きな漫画はファンタジー系だ。ファンタジー系の中でも恋愛系が好きだ。現実世界の恋愛よりも、異世界の恋愛の方が心が惹かれる。そう思うようになったのも……

いや。これ以上考えるのはやめて朝ごはんを食べよう。そう思い、リビングに行った。あ、そっか…今日パパとママ朝から仕事だっけ。私は珍しく1人で朝ごはんを食べ、学校に行く準備をした。

あ、今日は席替えがあったっけ…自転車をこぎながら思い出した。誰と同じ班がいいかな。明里と一緒の班だったら修学旅行、一緒に回れるなぁ〜。あ、でも話したことのない子とも同じ班になりたいかも。でも、話したことない子ってうちのクラスにそんなにいないなぁ。あ…一瞬、頭の中に凪音くんが浮かんだ。あの子とは話したことがない。あの子のことがよくわからない。私は1週間もクラスに居れば、誰がどんな感じの子なのかと大抵の想像はつく。ただ、凪音くんだけは違った。掴みどころがないというか、なんか特徴がないというか…普通すぎるのかな?うーん、やっぱわからないや。そう考えていたら学校についていた。

私は授業は真面目に聞くタイプだ。授業を聞いて、家に帰ったら今日習ったところのワークを解く。こんな生活をもう2、3年は続けてきた。そのおかげで定期テストはいつも学年で上位だった。でも勉強ばかり疲れたなぁ…まぁ将来のためなら仕方ないか…と昼休みに思っていたら、明里が話しかけにきた。

「沙月、ここの問題教えて欲しいな。」

「いいよ。ここの問題はね、xにこれを代入して、分配するとできるよ。」

明里がノートに数式を書き始めた。その最中、急に、明里が聞いてきた。

「そういえば、沙月って誰かと一緒の班になりたいとかあるの?」

「え〜そうだね〜。明里と一緒になりたいかな!」

「私も。男子で一緒になりたい子っている?」

「え…」

急にそんなことを聞かれて驚いた。いや、答えは出ているけど…

「そうだね、凪音くんがちょっと気になるかも。」

「凪音くんかぁ〜。なんで?」

「うーん。なんか凪音くんのこと知りたいって感じかな……、明里?どうしたのぼーっとして。」

「え!ううん。なんでもない。それよりも、沙月、もしかして凪音くんのこと好きなの?」

「そんなんじゃないよ!なんか、ほら、掴みどころがなさそうな感じじゃない?だからなんか知りたいな〜っていうか。」

「まあ、確かに。」

明里の顔はニヤついてた。あ…絶対勘違いされたやつだこれ。

「同じ班になれるといいね。」

「そ、そうだね。」

そうこう話しているうちに5時間目の授業が始まった。5時間目の授業は自習だったので、適当に勉強をして終わらせた。さて6時間目か…どんな班になるんだろ?そう考えているうちに担任の大山先生が教室に入ってきた。

「はい。席替えするぞ〜、お前ら騒ぐなよ。」

教室に入るなり大山先生は黒板に座席表と班のメンバー表を貼った。まずは私は班のメンバー表に目をやった。誰と同じかな?

〈北村凪音、三森沙月、朝倉結衣、伊崎涼太、澤村琴葉〉

え…凪音くんと同じ班だ。こんな偶然は初めてだった。あ、でも明里と同じじゃないのか〜それは残念だな…席はどうなんだろ?前期は1番後ろかあ…黒板が見ずらいから後ろは嫌なんだよね。隣の席は誰かな?

〈北村凪音〉

うそ…隣の席なの?こんな偶然すぎることもあるんだ…でもどうやって話しかけよう?下手に話しかけて嫌われるのもなんか嫌だし…とりあえず挨拶からしよう。私は席を移動させた。そして全員が席に着席した時に小声で凪音くんに向かって言った。

「よろしくね。」

「よろしく。」

よかった。挨拶、返してくれた。

その時、クラスの男子が大山先生に今年の修学旅行の行き先を聞いていた。今年の行き先は神戸と東京かぁ。修学旅行までには凪音くんと普通に話せるようになっていたいな〜。そうだ!修学旅行の話題の時に凪音くんに話をふってみよう!そう思った時、班のメンバーの伊崎くんが班員全員に聞いた。

「なあ、みんなはどこ回りたい?」

「私は神戸だったら、とりあえず南京町に行きたいかな。」

朝倉さんがそう言った。さすが朝倉さん、積極性があるなぁ。朝倉さんとは、去年クラスが同じで彼女は学級委員をやっていた。私にもこのくらいの積極性があればなと羨ましく感じた。

「いいね〜、それ。」

と相槌を打った。よし、いまだ、凪音くんに話をふるチャンス!

「凪音くんは?」

「え。まぁいいと思うよ。」

返事の声が震えているように感じた。私、怖がられてるのかな?ま、気にしすぎか…

「じゃ、南京町はとりあえず決まりだな。」

伊崎くんが言った。

まあ隣の席だからこれから、凪音くんと交流する場面は多くあると思う。そこで軽く喋っているうちに普通に話せるようになるだろう。自分から喋りかけたら、かえって怖がられそうだから、とりあえずは授業の交流の時とかに喋ろう。そうすれば修学旅行までには普通に話せるようになるよね?と自分に言い聞かせた。なぜ私は凪音くんのことを、こんなに知りたいのかは自分でもわからない。ただ理由もなく知りたい。


そう、その答えは、この頃の私にはまだわからなかった…

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