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賞味期限1年の恋  作者: AM
第1章 お互いを知るためには
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凪音編:2話 席替え

中学3年生になって1週間が経った。未だに僕は三森さんと話せないでいる。一回は話してみたいと、この1週間で何度も思った。だけど話す話題もないので話しかけることができなかった。

あ、今日の6時間目は席替えか…。もしかしたら、三森さんと同じ班になったりして。いや、期待はしないでおこう。そう思っていると伊崎が話しかけにきた。

「なあ、今日の6時間目、席替えあるだろ?お前、誰と同じ班になりたいとかあるか?」

「いや?特には…」

「そうか。三森さんと同じ班になりたくないのか?」

「え、」

「お前の考えてることなんてバレバレだよ。」

驚いた。恭平だけじゃなく伊崎にも自分が考えていたことを読まれるなんて。それだけ僕が単純なのか?

「俺、学級委員だから、大山に話つけて同じ班にしてやってもいいぞ。」

「なんだって?」

そう、うちの学校の席替えは特殊で、くじ引きで決めるのではなく、学級委員と担任が話し合って席を決める。

「その代わり、お前三森さんと同じ班になったら年内中に告れよ。」

「はぁ!?」

「ま、同じ班にできるかの保証はないけどな。」

いや、こいつだったら大山に話をつけることくらいやってのけるだろう。伊崎はそういうやつだ。

「はぁ…」

「なんだよ。はぁ…って。お前三森さんと付き合いたいんじゃないのか?」

「誰が付き合いたいなんて言ったんだよ。」

「そうか?お前の昨日の反応的に付き合いたそうだったぞ。」

「そんなことねえよ…」

「でも三森さんと仲良くはなりたいだろ?」

「それは…まぁ。」

「じゃあ俺が同じ班にしといてやるから。」

「期待はしないでおくよ。」

いや。こう言いつつも心の中では微かに期待していた。

あれから時間がたち6時間目になった。

「はい。席替えするぞ〜、お前ら騒ぐなよ〜」

大山が黒板に座席表を貼った。

さて、僕はどこの席かな。お!1番後ろだ。ラッk…ん?ちょっと待て。見間違いか?

僕は目を擦った。

そしてもう一度座席表を見た。

そこには僕の隣の席に確かにあった。

〈三森沙月〉という文字が。

あいつ、マジでやってのけたのかよ…

いや、え?マジで?他の班メンバーは?

次は班のメンバー表に目をやる。

〈北村凪音、三森沙月、朝倉結衣、伊崎涼太、澤村琴葉〉

なんてこった…いや、マジでなんてこった…

とりあえず席を移動させよう。

僕はすぐに移動させた。席の移動を終わらせ、クラス全員が着席した時、隣から小さな声がかかった。

「よろしくね。」

っ……

「よろしく。」

急に三森さんから声をかけられたので流石に驚いた。声をかけられて嬉しい反面、返す言葉に一瞬詰まった自分の情けなさを悔いた。

「はい、じゃあこの班で前期の修学旅行も回るからな。今のうちに挨拶しとけよ〜。」

あ。そうだった。修学旅行があるんだった。うちの学校はこれもまた特殊で修学旅行が前期と後期の両方にある。一般的には後期に2泊3日とかなのだろうが、うちの学校は前期と後期のどちらにも1泊2日の修学旅行がある。去年の先輩たちは神戸と東京に行ったんだっけ?今年はどこにいくんだろ…そう考えていたらクラスの男子が先生に聞いていた。

「先生!今年の修学旅行の行き先はどこですか?」

「ん?今年か?今年はな、前期が神戸で、後期が東京だ。要するに去年の先輩と同じところに行くぞ。」

今年も神戸と東京か…東京は一度も行ったことがない。

神戸は3歳の時に行ったらしいが、そんな12年くらい前のことなんか覚えてはいない。だから実質どちらも初めて行くところだ。

「じゃあ、来週か再来週にはどこ回るかを決める時間を取るからそこで行きたいところ決めとけよ。」

回りたいところか…

「なあ、みんなはどこ回りたい?」

伊崎が班員全員に聞いた。さすが伊崎、行動力の化け物だ。

「私は神戸だったら、とりあえず南京町に行きたいかな。」

朝倉さんが言った。

「いいね〜それ。」

と三森さんと澤村さんが言った。

「凪音くんは?」

「え。あぁいいと思うよ。」

三森さんに聞かれて、また返しに詰まった。

「じゃ、南京町はとりあえず決まりだな。」

伊崎が言った。

修学旅行か…楽しみではある。だけど妙に緊張するな。修学旅行までには三森さんと仲良く喋れるようになっていればいいな。僕は淡い期待を胸にこの班での生活を楽しもうと思った。

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