二十三話
「We love them」
誰かに今の駄菓子会についてどう思うかと言われたらそう答えるだろう。いや、少し前まではそうだったが、今では単純にそうとも言い切れないかもしれない。
ぷーちの失恋、いーこは空回り、私は一人何かに絶望していた。ぷーちの失恋という中学生にはとても大きな出来事から2週間が経とうとしていた。
最近徐々に定番になりつつある水曜日の定例の駄菓子会は、ギスギスと気まずい空気になっていた。
いーこはひたすらに喋り続けている。ぷーちは立ち直りつつあり、少しずつではあるがその2人は本来のペースを取り戻しつつある。
私だ、あとは私だけだ。気が重い。どうしてかはわからない。最近授業にも集中できない。
その日の駄菓子会も私だけがずーんとしたまま終わろうとしていた。私だけいーこに呼び出されたのでいーこについて行った。
「ねぇなっつどうしたの?」
いーこは嫌になる程いい子である。幼稚園の時からそうだった、根本にあるものは変わっていないようだ。
「…だいじょうぶ」
そう言って、「そうか、大丈夫か、また明日ね〜」となるはずもなく
「大丈夫じゃなさそうだから聞いてるだよー?」
いーこが眩しい。
「なんだかちょうしがわるいだけ」
小さな声で言ったのもちゃんといーこは聞き取ってくれ
「それってさぁ、思春期ってやつじゃないの?」
といーこが言う、思春期という言葉自体は知っていても細かい内容までは知らなかった。
「ししゅんきってなんだっけ」
と聞くと、嫌な顔ひとつせずに笑顔で
「ほら保険の授業でやったじゃん」
言いながらいーこが、すいすいとスマホで調べて、画面を見せてくれた。
「ありがとう、そういうやつね」
いーこのスマイルが優しくうなずいた。




