十六話
ついに3学期が始まった。1年生としての仕上げの時期だ。始業式だけなので気持ちは軽いが、明日から授業なのだと思うと気が重い。足取り重く登校するとやはり教室にはノリノリの元気いっぱいの二人が待っていた。
「おはようなっつ」
そういーこが言うとまたいつも通りの日常が始まる。
「いーこ、昨日のどうなったの?」
そういうといーこはメモ帳を取り出して
「これが彼の似顔絵」
といい見せられたのはジャガイモの化け物・・・いや、なんだろう、とにかく人間ではないナニカだった。いーこは壊滅的に絵が下手で、美術の成績も一周回ってよくなるんじゃないかというレベルのアーティストだ。ぷーちもこの絵をはじめて見たらしく苦笑いをして言う。
「こんなんじゃないんだけどなあ・・・」
いーこは自分の絵をじっくりと見た後
「そうかなあ」
と言った。私はぷーちの言っている人を見たことはないのだが、こうではないと強く思う。少なくともいーこの芸術的なセンスには感心してしまう。
「いーこ芸術家になりなよ」
と言ってみたものの
「うーん・・・」
と言ったまま動かなくなってしまった。話を変えようと私が
「で、昨日はどうだったの?」
というと、途端に元気になって
「あのね、すっごくイケメンだった」
興奮気味にいーこが言う。続けてぷーちが
「でしょでしょ」
と。
「へえ~」
イケメンかあ、どんなのだろう。
「芸能人に例えるとすると?」
私が聞くとぷーちは考えて
「難しいけど、S!LKの宇野君ぐらいイケメン」
面食いのぷーちのいうことだから主観がかなり入っているとおもうけど、かなりのイケメンなのだろう。




