魔法の絵本とお菓子の国
クルースはリーナのお部屋に行きました。するとそこには魔法の絵本が置かれていたのです。するとリーナが言いました。
「この絵本は想像した世界に行く事ができるんだよ。お姉ちゃんは、行きたい所とかある?」
「私はお菓子の国に行きたい。」
「じゃあ連れて行ってあげるね。これはアトラクションだと思って楽しんで来てね。」
そう言うとリーナが絵本に触れると絵本の中からキラキラとしたお星様が出て来ました。そして絵本は光出すと、まるで夢の世界に導かれるかのように神秘的な光がリーナとクルースを包み込んでいきます。目を覚ますとそこには甘い香りがクルースのお鼻を包み込んできます。そこはお菓子の国です。クルースは感動しました。しかし、そんなクルースの希望は一瞬にして奪われました。
突然、クルースは背後から殴られたのです。
「へえ、あんたとこんな所で出会うなんてね。
ねえ、寄生虫。あんた、このお菓子の国で何するつもりなのよ。」
「あなたはメアリー、何であなたがここにいるのよ。」
「魔法の絵本から入ったから、へえ、このお菓子の国で、楽しい楽しい1日を過ごそうと思ったんだ。甘えてんじゃねえよ!いじめっ子の癖にガキみてえな夢見てんの?あんた?
おい、てめえいつまでもガキみてえな面下げてんじゃねえぞ!この寄生虫がよ!!!」
メアリーはクルースを蹴り飛ばしました。クルースは激しい痛みを感じました。殴られていた時の事を思い出します。
そして、メアリーが思いっきり殴ろうとしたその時、メアリーの腕は氷漬けにされてしまいました。ルドルフが現れたのです。ルドルフは、剣をメアリーに突きつけました。
「ひぃ、誰なのあんた?」
「お前か、クルースをいじめている女というのは?寄生虫だと?そのような言葉を吐くお前の方ではないのか?
私は氷を使える。お前のような下僕の命など一瞬にして奪えるぞ!とっととこの世界から消えろ!!!」
「ごめんなさい!!!きゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
ルドルフが氷の魔法をかけるとメアリーはあっという間に吹き飛ばされてしまいました。メアリーは、絵本の世界から外に出てしまったのです。何故、ここにメアリーが現れたのでしょうか。疑問に感じたクルースはルドルフに質問します。
「何と言う失礼な連中だ。君は大丈夫かい?全く差別的発言も程々にしてほしいものだ。そのような奴がこの地にいるととは?まさかとは思うが、彼女もリーナ様の友人なのかい?」
「メアリーは、幼稚園訪問を行っているの。あの子は、私には酷い態度を取るけど、子供には優しくするのよ。動物を選んでいるでは無いけど、そう言うタイプなの。」
ルドルフは、その話を聞くと、疑問に感じて言います。
「それは不思議なものだな?何故、上手に付き合いができないのだろうかい?皮肉なものだ。っていうよりルドルフあなたも絵本からお菓子の国に来たの?」
「うん。そうだよ。君はもしかして1人でこの世界に来てしまったんだね。君をお菓子の国に送った後、リーナちゃんが私の所にやってきたんだ。
ルドルフとクルースが歩いて行くと、目の前に茶色の川が流れているではありませんか。茶色の川からは何やら甘い香りがします。もしかしてチョコレートの川では無いでしょうか?その川の前では何やら白いうさぎと黄色いうさぎの姉妹でしょうか。2匹のうさぎの女の子が遊んでいます。気になったクルースがそのうさぎの女の子達に声をかけます。
「突然良いかしら、この川はどうやら私がとても好きなあのお菓子で出来ている川だと思ったの。もしかして?」
「もしかしてお姉さん、お菓子の国初めて?じゃあ教えてあげる。ここはチョコレートの川だよ。甘い匂いがするでしょう。このお菓子の国では結構人気なのよ。お姉さん、名前は、私はミミィよ。」
「この川はね、クッキーの妖精が泳いでいる川なんだよ。それだけじゃなくて、日によって味や色が変わるの。今日は、普通のチョコレートの味だよ。明日はホワイトチョコレートが流れるかな?あ、自己紹介遅れて、ごめんね。私はミニィ。私達、双子の姉妹なの。」
クルースはびっくりしました。どうやらこの2人は姉妹で色が違うようなのです。クルースは、ニコニコと笑顔で2人に聞きました。
「ねえ、ミミィちゃんに、ミニィちゃん、このお菓子の国で一番美味しい場所ってどこか知ってるかな?そこに連れて行って欲しいの?ごめんね。」
するとミミィが喋り出しました。ミミィはニコニコすると、身体を揺らしながらるんるん気分で踊り出します。踊りが終わると目をぱちくりさせながら、クルースに教え始めます。
「それならね、クッキータウンっていうのがあるんだよ。そこに連れて行ってあげる。ねえミニィ、クッキーのおうちがあって、クッキーが美味しいだよね。」
隣にいるミニィに聞くと、ミニィも同じように目をぱちくりさせながら言うのでした。
「そうだよ。私はあのクッキーハウスのチョコが好きだから、クッキーハウスの管理人のおばちゃんにめちゃくちゃ怒られちゃった。食べるなーって。」
その話を聞いたクルースは納得がいかないという表情をしました。クルースはもし自分がお菓子の家に行った場合の事を考えたらそんな大人に邪魔されたら嫌だなあって思います。自分が好きなだけお菓子を食べたいに決まっています。
「嫌だね。そのおばちゃん、私だったら、そんな事で怒らないでよって魔法をかけちゃうかも。ねえ、ルドルフはどう?お菓子の家に行きたい?クッキータウン。」
「私、あのおばちゃん嫌いだもん。お兄ちゃんは、もしかして王子様?」
ミニィがルドルフに聞くと、ルドルフは手を胸に当ててお辞儀をして答えます。
「初めまして、ミミィ君にミニィ君。僕はルドルフです。このお菓子の国で出会えるなんて光栄です。それで、もし良かったら、そのクッキータウンに案内して貰えるかな?」
「うん。案内してあげる。じゃあ、待っててね。」
そういうと、ミミィは、指笛を鳴らしました。するとチョコレートの川から何やら船がやって来ます。茶色の木で出来た船だと思いきやよーく見てみるとワッフルで出来た船です。クルースは言います。
「あれってワッフルで出来た船なのね。ワッフルにチョコレートってまるで本当に御伽話みたいね。」
「じゃあどうぞ。お菓子の国まで行きましょう。」
ワッフル船にルドルフ、クルース、ミミィ、ミニィの4人が乗ると無人で動いているのか船が動き出します。ミミィとミニィは船の上で何やら手遊びをして遊んでいます。遊んでいる2人にクルースは質問します。クルースはミニィの肩を叩きました。
「2人はどうしてお菓子の国にやって来たの?」
「旅行に来てたの。私達、ここに来るの4回目なんだけど、ヤーパンって国のモンシロ町って街に住んでいるんだけど、そのモンシロ町を出てスノールーツにやってきたの。お母さんが連れて来てくれたんだけど、お母さんともう1人の妹と逸れちゃって気がついたら、魔法の絵本がある森に辿り着いたの。絵本がある森とグルータウンにある雪の女王のお城に魔法の絵本は置かれていてその絵本からお菓子の国に行く事が出来るんだよ。」
ミミィが経緯を話し始めました。そのお話を聞いていたルドルフはミミィの話に答えます。
「そうなのかい。つまりは遊びに来ているという事なんだろう?」
するとミミィは、ミニィの目を見て話しかけ同意を求めていました。
「まあ帰りたいって気持ちもあるけど、それでも、このお菓子の国にいたら、帰りたくなくなっちゃうよ。ねー、ミニィ。」
「ねー!」
ミニィが言います。ミニィの元気溌剌な受け答えにルドルフとクルースは彼女達の無邪気さに元気を貰いました。するとクルースはミミィとミニィの頭を撫でると言いました。
「じゃあお菓子の国でいっぱい遊んで一緒に帰りましょう。」
「「うん、ありがとう。クルースさん」」
そうしてワッフル船は、お菓子の街にたどり着いたのです。
ワッフル船を降りるとお菓子の街を4人で歩いて行きます。
目の前には、何とケーキで出来たお家やパンで出来たお家が沢山ある街に辿り着いたのです。ケーキの家の壁を食べるクマの男の子や、ネコの男の子達がいます。そしてクッキーの家に辿り着くとその家には黄色いマルチーズの女の子が家を食べていたのです。ミニィがそのマルチーズの女の子に声をかけます。
「レモンちゃん!ごめんね!遅くなっちゃった!」
「遅いよ、ミミィちゃん、ミニィちゃん!」
マルチーズの女の子はレモンという名前だったのです。レモンは黄色い色に赤色のワンピースを着ています。耳はまるでうさぎの耳のように長くくるくるとしているのです。するとミミィとミニィにレモンは家に付いているクッキーを渡しました。するとクッキーはミミィとミニィの顔の形へと変化したのです。ミミィのクッキーは、白いホワイトクッキーに、ミニィのクッキーは黄色いレモンクッキーになりました。
「ミミィちゃん、ミニィちゃん、これお菓子の国の魔法の力だよ。これ食べてね。」
「「レモンちゃん、ありがとう!頂きまーす!!」」
ミミィとミニィはクッキーを口にしました。レモンは、ふと振り向くとルドルフとクルースと目が合いました。
「あれ誰この方達は?あ!もしかしてテレビで見た事のあるスノールーツの王子様?」
「初めましてお嬢さん、よくぞご存知で!
僕の名前はルドルフです!」
「私はクルースです!」
こうしてお菓子の国でルドルフとミミィとミニィ、レモン、クルースとの奇跡的な出会いがあったのでした。




