雪の精と宮廷舞踏会
ルドルフとクルースは四つ目の街であるグルータウンに訪れています。馬車は置いて来ており、2人は街を歩いていました。グルータウンは寒い風が吹いていますが、海がすぐ見える港街です。グルーマウンテンが見えますが、そのマウンテンには大雪が溜まっています。クルースはルドルフに言います。
「ルドルフ、このスノールーツは本当によく雪が降るけど、この街の除雪は一流ね。よく出来ているわ。
道路にも雪一つ積もっていない。」
「本当だよ。このグルータウンの降雪量は凄いからね。父は道路にロードヒーティングを敷いたり、地下熱を使用して降雪に力を注いだ。」
「あらお父様の自慢?素敵な事。私の今日の予定なんだけど、グルー幼稚園に遊びに行くのよ。ここの幼稚園の園児の子達は、毎回私が遊びに行くと大喜びなのよ。」
「やっぱり君は子供に人気なんだね。良いじゃないか!
僕もダイスーン幼稚園に訪問した時、子供に懐かれたよ。園児は純粋で可愛いよね。」
そう言って2人は楽しく会話をしています。するとしとしとと雪が降り始めました。ルドルフは、ウィッチフォンを出します。ルドルフのウィッチフォンの中にお花のマークがあります。その中にノースポールのマークがあります。そのマークをタッチすると、遠くからソリが聞こえて来ます。
「クルース、魔法の始まりだよ。ノースポールザライドだ。
そしてノースポールの妖精が運転するソリとノースポールを合わせたような乗り物が現れました。りんりんと鈴が鳴ると、ノースポールの妖精が言います。ノースポールの妖精はお辞儀をします。
「お呼びでしょうか?王子様?」
「お願いがある。クルースが行きたいという、グルー幼稚園に連れて行ってくれ!」
「まあ連れて行ってくださるの?ルドルフ、素敵だわ。あなたって本当に優しいのね。こんにちは、ノースポールの妖精さん。」
「こんにちは、初めまして、私はルドルフ様のお付きの花妖精、ウンディーネです。ルドルフ様の恋人様ですか?」
「違うよ。旅仲間さ、ウンディーネ、お願いするよ。この雪景色を魔法に変えておくれ。」
するとウンディーネの魔法により降っている雪は一斉に1箇所に集まると何と雪の猫や犬、そして雪のトナカイが現れたのです。雪で作られた動物達はクルースとルドルフの前で踊り始めました。陽気な舞を踊っています。その魔法のような光景が終わると、あっという間にグルー幼稚園に到着しました。ノースポールザライドから降りると、目の前には茶色のレンガで作られたグルー幼稚園が目の前に見えて来ます。
するとグルー幼稚園の園長先生が現れました。サイの幼稚園の園長先生です。
「まあクルース様、来てくださったのですね。今日は是非遊びに行ってください。子供達もお待ちですよ」
「園長先生、お久しぶりです。入って良いですか?今日は、友人のルドルフも連れて来たので。」
「初めまして、ルドルフと申します。」
ルドルフとクルースはグルー幼稚園の中に案内されました。幼稚園の先生であるカルターン先生がこちらに現れて挨拶をします。
「カルターンです。クルース様、いつも、ボランティアで来てくださってありがとうございます。今日は、こども達と遊びに行ってください。」
するとクルースとルドルフは教室に案内されました。すると60人ほどの園児達が遊んでいます。大声で叫びながら、走り回っているレッサーパンダの女の子がルドルフとクルースの方にやって来ました。
「お姉ちゃん達、だーれ?もしかしてお姫様と王子様?」
「違うよ。僕達は旅をしているんだ。その途中で、ここの幼稚園に遊びに来たんだよ。君の名前は?」
「あたしは、リーナだよ。宜しくね。ねえねえ、魔法の絵本って知ってる?読めば、どんな世界にだって行けちゃう魔法の絵本。雪の妖精が住んでいるグルーマウンテンにあるんだって。」
「雪の女王様?そんな偉い人がこの世界に住んでいるのかい?グルーマウンテンにいるんだとしたら、それはあってみたいな。」
「リーナちゃん、絵本の読み聞かせをしようか?」
「「「ええ、聞かせて、聞かせて!!!」」
「私、エルナ、将来の夢は、スキープレイヤー!!」
「僕はマイク、将来の夢はサッカー選手!!」
「私は、シルキー、将来の夢はお嫁さん!!!」
園児達が一斉に集まって来ます。そこにクルースがやってくると、クルースは言います。
「皆んな将来の夢を持ってて、頼もしいね!!」
そう言うと、シルキーがクルース目掛けて走って来ました。クルースはシルキーを抱き抱えるとシルキを抱っこしてぶらぶらさせます。シルキーは喜んでいました。ルドルフは読み聞かせをして遊んだり外で一緒に遊び回ったりと楽しい日々を過ごしましたが、あっという間に時間は過ぎてしまいます。帰る時間です。時刻は15時を過ぎました。
子供達とお別れのお時間です。次々と子供達が帰っていく中、リーナはクルースとルドルフに挨拶をしました。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、バイバイ、また遊ぼうね。」
そしてクルースとルドルフの楽しい1日が終わりました。クルースとルドルフが幼稚園を出る時に園長が挨拶をしました。
「今日はありがとうございました。是非、またいらしてください。」
「こちらこそ、素敵な時間をありがとうございます。」
クルースとルドルフは挨拶をして幼稚園を後にしました。雪が降り積もっておりその雪の上を靴で歩くと足跡が出来ます。そんな中、ふと歩いていると突然目の前に、1匹の銀のカラスが現れました。銀のカラスは目の前に現れると、言います。
「ルドルフ様、クルース様、雪の妖精様より招待状が届きました。雪の城までご案内致します。」
「え?どうしてまた?」
「リーナ様が雪の城にお帰りになった際にルドルフ様とクルース様とお遊びなって頂いたいうお話をお聞かせくださいました。雪の妖精様からルドルフ様とクルース様にお礼を申しておりまして。舞踏会にご案内致します。お乗りくださいませ。」
「え?本当に良いのかい?」
銀のカラスは息を吹き出すとなんと氷の車が出来上がったのです。そして、ルドルフとクルースは、氷の車に乗るとグルーマウンテン目指して走っていきます。グルーマウンテンに到着すると目の前には雪の妖精が住む宮殿が現れました。
宮殿に招待されたルドルフとクルースの前に雪の女王が現れました。驚きました。雪の女王はルドルフの前で会釈しました。
「あなたが雪の妖精ですか?」
「初めまして、リーナと遊んで頂いたそうですね、ありがとうございます。私はレッサーパンダですが、雪を操る力を持つ雪の精でございます。」
ルドルフは雪の女王に、恐る恐る言います。
「いえいえ、まさか、リーナ様が妖精様の娘様だとは思いもしませんでした。雪の妖精って一体どういうお力を持っているのですか?」
「私は、この国にたびたび降る雪を操り、降雪量を調整しています。昔からこの街は大雪に悩まされていました。私は雲を操りこの国に大雪が積もらないようにしているのです。私の魔法によりこの国は栄えて来たのです。」
その時、階段からグルー幼稚園で出会ったレッサーパンダの女の子であるリーナが降りて来ました。リーナは幼稚園に通っていた時よりもより可愛らしい姿でした。
「え??本当に来てくれたの?王子様のルドルフ様とお姫様のクルース様。やっぱりそうだった。どこかで見た事のある方だと思ったの!」
「君は、リーナちゃん?まさか、君が雪の妖精の娘だったのかい?それでどうして僕達をここへ?」
「実はね、ここのお城に魔法の絵本があるの。その絵本の世界に行くと、不思議な力が手に入るんだよ。だからね、私と一緒に、魔法の絵本の世界について来て欲しいの。」
「リーナ、お待ちなさい。客人です。ルドルフ様、クルース様、どうぞ上がりください。リーナが遊びたいと仰られています。魔法の広間にご案内致します。」
雪の精に導かれて雪の宮殿の奥にある広間に案内されるとそこには雪の妖精とその客人達が華やかに歌い、そして踊っていたのです。華やかなワルツが流れるとそのワルツに合わせて、踊るのは青い鳥とガラスで作られたうさぎです。
「あのお方はガラスのうさぎ、エイルースではありませんか?」
音楽がかかると青い鳥とガラスのうさぎエイルースは華麗に踊り続けます。
ガラスのうさぎは踊る事で割れてしまうのではないかと不安になります。しかし、割れる事はありません。
ワルツが終わると今度はフラメンコを踊り始めました。
踊りが終わると、ルドルフとクルースにお声がかかりました。
「さあ、クルース、一緒に踊らないかい?」
「ええ、早速。」




