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閑話休題。その時さくら商店に何が起こったのか?

『とある栗毛の商人の証言』


「私、初めて見ました! まだまだ初心者商人ですけど……自慢の鑑定スキルは嘘つきませんから! 最初は隣の人珍しいスキル使ってるなぁって位だったんです。そのスキルの物珍しさからか、周りの商人もどんどん集まって来て隣の人を質問攻めにしてたんですよ。そしたら商人ギルドの偉い人が来て、親しげに話し始めて。それで、そろそろ開始時間だからって事で皆露店を出し始めたんですけど、隣の人の頭上に露店名と目玉商品の名前が表示されたんです。《さくら商店。本日の目玉はドラゴン》って。呆気にとられましたね。ドラゴンなんて本の中でしか聞いたことのない名前だしそもそもそれが何かわからないんだから。けど……露天の中を覗いて驚きました! あるんですよドラゴン……というか『ドラゴンの外殻』っていうアイテムが! 値段は設定されてなかったんですけど、それを見て商人ギルドの偉い人が顔色変えちゃって! 凄い勢いでその人を引っ張って行っちゃったんです! でもその噂が広まったのか……見てくださいよこの人だかりぃ! おかげで私も苦労して仕入れたアイテムが全部捌けて嬉しいです!」


『とある歴戦の商人の証言』


「いやぁオレも40年は商人やってるけどなぁ、あんなレアスキルを見たのも初めてだがよ、何より品物だよ。正直に言ってあれは神話級とかそんなレベルの話じゃねぇな。神話級以上のレアリティがない以上は何とも言えねぇがしいて言うなら『測定不能』だな。アーティファクトとも言えねぇしなぁ。だがあの商人ギルドの皇帝にあんな顔さしちまうんだから相当な品物なのは間違いないぜ。恐らく世界がひっくり返るレベルだろうなぁ。今年は売れ残り市場引いちまってがっかりしてたが、お陰で苦労して手に入れたレアアイテムも高値で捌けたし、まだまだ夢があらぁな!」


『とあるギルド関係者の証言』


「ノーコメントだ」


『とある買い付けに来ていた錬金術師の証言』


「そうねぇ、ドラゴンって言うのは神話上の生き物だと言われているわぁ。実際にドラゴンを見た人は誰もいないけど『ドラゴンのようなもの』を見た人はいる。魔眼を操り人語を介し魔法を受けつけず魔力で構成された身体を持つ。そういった類のいわゆる『アストラル生命体』だと解釈できるの。自由自在に移動し他の拘束を受け付けない。遭遇した冒険者は『人の姿だった』『いや大きな狼だった』『少女だった』と一貫しない。それがアストラル生命体の特徴。だからもしドラゴンがアストラル生命体だとしたらその身体が残るなんて前代未聞。魔力が形として残ったという事なのだから。まさに世界がひっくり返るほどの偉業よねぇ」


『とある赤髪の冒険者の証言』


「いやぁ……なんていうか、そんなこともあるんだなって思ったな。知り合いの店を見に来たらその知り合いが商人ギルドの偉いさんに引きずられていくんだから。一瞬何したんだって思ったけどな。まさかあのダンジョンを攻略したのがあのお嬢ちゃんとはなぁ。ん? いやこっちの話だ」



『とある熟練魔法使いの証言』


「魔眼って言うのは極稀にダンジョンの中に出現するネームドとかボスが持ってることがあるの。スキルとして持ってる人はいるらしいけど私は会ったことないわ。なんでも強力過ぎて他にスキルを覚えようとすると弊害が出るって聞いたことがあるわね。けどその分とんでもなく強いんだったら私は他のスキルを犠牲にしても欲しいなぁ。そうそう。魔眼と言えば、能力的には劣るけど近しい性能を持った装備もあるわ。勿論神話級だけど産出量は意外と多いの。現に私も一度拾ったことがあるのよ。そのおかげで今の装備があるわけだから魔眼のおかげともいえるかしら」



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