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八十五話 借金と試験へ


——試験当日ホッカイドウのある宿


——スコーン!


外で二人でバドミントンをしている。


もう片方は普通のラケット。


もう片方は……工事で使われているような鉄骨だった。


「あはは!オレに一点だ。サザメキ……おまっ、そんなちんけなものじゃイケメンには勝てないぜ?」


ジュラルは鉄骨を担いで大笑いしてサザメキを指差す。


「小生も鉄骨を持てば……。」


「いや、ジュラルは重さを変えてるだけだろ!普通の人間には普通までねぇんだよ!」


オーロはサザメキを止める。


「その鉄骨を使ってぶん殴れば甘いもの強奪……。」


犯罪スレスレ……いやアウトなことをニヤニヤしながら想像するのはホイップだ。


「絶対やめろよ?借金返す前に人生無に返すなよ?」


オーロはホイップの煩悩をぶった斬る。


「貴殿よ試験当日だがバドミントンなんかしていて平気なのか?」


「サザメキの言う通りだ、魔力の鍛錬とか瞑想とかやることなんて幾らでもあるだろ?」


サザメキとオーロは鉄骨を野球バットのようにスイングするジュラルを見てため息をつく。


「イケメンだから平気さ☆」


「「「……。」」」


「なんか言えよ!」


ジュラルは本気で“イケメン”だと思っている。


——本当かは定かではないが……。


「まぁオレのイケメンパワーに焼かれて——」


「サザメキ、何その服?」


オーロはジュラルの芸を無視する。


「なんだ?わからないのか?小生の妹のTシャツだが?」


サザメキは当たり前のように言う。


「え?試験の日までこのTシャツ持っていくの?」


ホイップは何度もこのTシャツは見てきたがドン引きする。


「世間ではシスコンと言うらしいがな?小生の妹は宇宙で一番美しくそして守るべきものなんだ……たとえ熱湯をかぶっても――」


サザメキはやけどによって開かなくなってしまった左目を愛おしそうに撫でる。


「あぁ……。ごめんな。」


ジュラルはサザメキに謝る。


「何を謝っている?まだ、バドミントンは終わってない。」


サザメキはラケットを構える。


「じゃあ、参戦しちゃおっかな?私も」


ホイップは生クリームで出来たラケットを構える。


――ホイップは魔力をホイップクリームに変換できる。


ラケットの形にするのはお茶の子さいさいだ。


「絶対それじゃグシャっとなって終わりだって。ほら僕の普通のラケット貸すから。」


「いや。私はこのラケットじゃないと――」


「だからそれラケットって言わないの。」


オーロは呆れて普通のラケットを構える。


――ダブルス第二試合の開始だ


——ホッカイドウ海外渡航政府認定試験会場


「受験者多い……前の新宿駅の研修よりも多い……。」


リサは人の多さに圧倒される。


エリックはぶつぶつと何かを言いながらうつむいている。


(馬鹿でも緊張ってするんだ。)


リサはそっとしておくことにした。


――もやしたち


――ガタガタガタ


コウは白馬の上で震えていた。


武者震い?――そんなわけない、ビビっているのだ。


(来ちゃったよ?なんで来るんだよぉおおおお!!!)


『じゃあ13連勤とどっちがましなんだよ?』


「うーんギリこっち。」


コウは即答した。


「もやし様いよいよですね!私もやし様のためなら命の三つくらい投げ出しても構いません♡」


――ブウウン


アイリは恍惚とした表情を浮かべながら両腕に生えたチェンソーを吹かす。


「命は一つしかないのよ?そんなこともわからないのかな?副聖騎士団長なのに?バ~カ」


セリはアイリを煽る。


「細切れにされたいのかしら?」


アイリは笑みを浮かべる。


(絶対殺意マシマシだよ??僕の周りで殺し合いしないでぇええ!!)


白馬の方もいつ殺されるかわからない恐怖で細かに震えていた。


「コウ様……暗黒竜の妾も連れてきて平気なの……?」


皇帝狼(ポチ)にリードをつないで連れているコムギが心配そうにコウの方を見る。


「うん、大丈夫しょ。ポチも散歩させてあげた方がいいだろうし。」


コウは試験にはビビっているのに世界の影響はちっとも考えていなかった。


――まさか政府と魔族に命を狙われているとはこのときのもやしは知る由もない。


「諸君よく集まった。」


試験官が受験者にむかって声を張る。


「私は今回の試験を担当するビターだ。」


ビターはチョコレートを一口口に含み続ける。


「あ、ちょっともう畏まるのめんどいから早く説明するね。あい。四人パーティで登録したでしょ?そのパーティー全員7日生き残るだけでOKもちろん殺し合いもいいよ~それくらいしないと海外では生き残れないよ?あい。以上。さっさと始めて。」


ビターの死ぬほどやる気のない様子にリサ達受験者は絶句する。


(俺でももうちょっとましだぞ?)


ムラホシでさえドン引きしている。


――三つの思惑が今動き出す

「世界最高のイケメンジュラルだ!」


「「「……。」」」


「デジャブ!!さっきもやったぞその流れ!」


「小生が作者聞いたのだが……貴殿らのモチーフはどうやら作者の大好きなゲームから来ているらしいぞ。」


「そうなんだ?つまりそのゲームから抜粋された私達は最——」


「ではないですよ?借金を返すまではな。」


「作者が作者から聞いたのだがこれから試験官がガチ焦りするほどの魔境になるらしい。」


「「「え?」」」


「次回!」


「「「初心者狩りと政府の用事」」」


※昼も投稿します!もし面白いと思っていただけましたらブックマークや評価をして待っていてください!

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