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八十話 食卓と生まれて初めて

※飯テロ回です食べる前に控えた方がいいかもしれませんお腹が空いてしまうかもしれません?


メルマはどこかぎこちなくテーブルに料理を並べる。


「うっひょ~!!」


エリックが目を輝かせて料理を見る。


「母さん、豪華だね……。」


ムラホシは、テーブルに並ぶ骨付き肉、ポテトサラダ……など、めったに出てこない料理を見てメルマの本気(マジ)を感じる。


「す、すごい、ハイオークを倒した後のレストランより豪華……。」


「それ以上のもの食われたら困るわ。」


エリックが冷や汗をかく。


(あんときで一度財布が寒くなったんだからな……。)


「さぁ、冷めないうちにジャンジャン食べちゃって。」


メルマはいつもの笑顔に戻って料理を取り分ける。


「肉、肉、肉ぅ!!」


エリックは肉に食らいつく。


「世界を救った英雄の姿とは到底思えないな。」


ルンタは綺麗に骨付き肉にかぶりつく。


「やっぱママの料理サイコー!!」


「兄さんは落ち着いて食べよう……。」


ムラホシは湯気が立つコンソメスープを飲む。


(こんな食卓、いつぶりだっけ……?)


リサは少し箸が止まる。


「リサ? 食えよ。」


エリックが肉をリサの皿にのせる。


そのついでに、何かをリサの皿に乗せる。


「あ! 私の皿にパセリ乗せた!」


リサがエリックの皿に返す。


「え? エルフってパセリ好きじゃないの?」


エリックはにやっと笑って言う。


――この男は、ただ嫌いなパセリを擦り付けたいだけである。


エリックはまたリサの皿にパセリをのせる。


「ちょ、私も苦手なの! あ、ルンタ――」


突然、話を振られたルンタの動きが止まる。


「パセリムリ。パセリムリ。」


――このサイボーグも無理だった。


「あれ? パセリ無理なら俺が食べますが……。」


声を上げたのは、隣のムラホシのパセリをぼりぼりと食べるモヒカンだった。


(((英雄来ちゃぁ~!!)))


三人は笑顔でパセリをモヒカンに上げる。


『旦那、フレンチ作れるのにパセリ嫌いってどういうこと?』


クサナギがここぞとばかりに茶々を入れる。


「料理で使うのと食べるのとでは天地の差がある。」


ルンタは妙に納得できることを言って、パンと共に骨付き肉を食べる。


「うふふ。悪いんだけどお酒は切らしてて……また今度飲みましょうね。」


その代わりともいうように、リンゴジュースが注がれる。


(ちぇ……お酒飲めると思ったのに。)


リサは口をとがらせながらもリンゴジュースを飲む。


(うま!?)


リサは思わず立ち上がってしまった。


「あら? そんなに美味しかった? うちの裏のりんごの木から成長魔法を無理やり使って採ったんだけど。」


今は夏の終わりごろ。


本来なら、まだリンゴが採れる季節ではない。


――だが、ここは魔法の世界。


成長魔法を使えば、季節すら少しだけ無視できる。


「え!僕が数年前に送っは魔導書読んでくへはの?」


エリックは食べ物を口に含みながら話す。


ゴクッと飲み込んで続きを話す。


「いやぁ、結構選んだからね?ママの誕生日プレゼントほど真剣に選んだことはないね。」


この世界で女性に贈って喜ばれるものは髪飾りもそうだが、魔導書も随一で喜ばれる。


魔導書を選ぶセンスによってモテるかもだいぶ決まる。


——残酷な世界だ……。


「本当便利なものばかり、本が閉じなくなる魔法、声が大きくなる魔法、そして、髪の毛がロングになる魔法!」


メルマは嬉しそうに髪を撫でる。


「だけどやっぱり、男の人に選んでもらえて嬉しかったな。」


メルマの頬は気のせいか少し赤くなってた気がした。


『なぁ!?男たらしって言われない!?』


クサナギはその後も言葉を続けるがルンタに無言で鞘に封印される。


——愉快な歓迎会はまだ続く。


——血に濡れた城(デスキャッスル)


「ケイタ〜、雑魚相手に怒りすぎでしょ〜?」


リルルがケイタにちょっかいをかける。


「うるさいなぁ。人の血が入ってるからって馬鹿にするほうが悪いだろ。」


「まぁ、力かんけいもわからない悪魔は……メイドさん(カタストロフ)みたいにみじめにしぬだけよ。」


二人は会議の間へ続く廊下を並んで歩く。


「ケイタ、身長のびたんじゃないの? まぁわたしは悪魔だから、ちっとも伸びないけどね。」


リルルは羨ましそうに頬を膨らませる。


「まぁな。まぁ、俺は身長は伸びなくても立派な妹だと思ってる。」


ケイタはリルルの頭を撫でる。


「え〜? 正気? わたし2000さいだっけ? もうわすれちゃった。そんなババアをいもうと?」


リルルはケイタを見上げ、口元をニヤつかせる。


「見た目にだまされちゃダメだよ〜?」


ケイタは一瞬だけ足を止めた。


「……お前、またその顔してるだろ。」


「えへへ〜。」


リルルはわざとらしく舌をだす。


「どうせ会議でも余計なこと言うんだろ。」


「もちろん♪」


——二人はそんな会話をしながら、会議の間へと向かっていった。


「よく来たな。さぁ座って。」


会議の間で先に待っていたα(アルファ)が高級そうな椅子に二人を座らせる。


「で、おじさま?面白いことってなぁに?」


リルルは興味深々でα(アルファ)に聞く。


——流石は甘え上手だ。


「いいだろう。教えてあげよう。」


α(アルファ)の声は低くなる。


「ケイタ、リルル。ホッカイドウ海外渡航試験を襲撃する。目標(ターゲット)は——」


二人は唾を飲む。


「エリック、そしてコウ聖騎士団長だ。」

「やべぇ新しい設定ができちまった。」


「え?」


「次にはもうだします。」


「はやない?」


「いやリサ。勉強机に向かってたら案がビッグバンしちゃって……。なんかでっかい組織ができたりしちゃいました……。」


「勉強した?」


「……。」


「ってことで次回」


「世界政府と抹殺計画」


「物騒な世界……」

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