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四十五話 細胞破壊と壊れたおもちゃ

戦いは、終わったはずだった。


敵は崩れ、静寂が訪れ、

誰もが「終わり」を信じかけた、その瞬間——


引き金の音が、すべてを否定する。


止まらない。

止められない。


涙を流しながら、引き金を引き続けるその姿は——

もはや“戦い”ではない。


「全部、潰さなきゃ」


これは、勝利の先で壊れてしまった者の物語。


蚯蚓(ピラリス)は主から魔力をもらったことで

胴体からうようよと触手が生えている不気味な姿になっていた。


”聖母様ありがとうございます。もう一度チャンスをくださって!”


蚯蚓(ピラリス)は生えた触手を不意打ちでソーマたちを襲う。


(速い!反応ができなかった……。)


このままではソーマの首に触手が突き刺さる……!


その時だ。


——ガン。ジャジャジャ


ソーマの正面にエリックが出て防御魔法で守る。


「悪い。遅れちまった。」


エリックは触手を守りながら後ろのソーマを見る。


「どれだけ待たせてるんですか。さっさとやりますよ。」


ソーマの態度は素っ気ない、ただ顔から希望を取り戻していた。


”何人増えても変わらないぃ。変わらない!”


蚯蚓(ピラリス)は触手を振り回してエリックたちを襲う。


ソーマは紙一重で触手をかわす。


ゾムは迫る触手をメイスで正面から叩き潰した。


エリックは防御魔法を展開しながら属性魔法を撃ち込み、奴の動きを観察する。


——ビィィ!


蚯蚓(ピラリス)の触手が地面もろとも切り崩す。


エリックたちのいた地面は一瞬のうちに割れ、三人が分断される。


(分断された……。)


ソーマは蚯蚓(ピラリス)が真横に見える位置に分断された。


エリックは地面が盛り上がり上に分断され、ゾムは沈降により蚯蚓(ピラリス)よりも低い位置にいる。


(正直言って、もう大技を出せる体力がもうない。)


かといって小技が出せるか?と言われても怪しい。


(……こいつからは、魔力を感じない。)


エリックは蚯蚓(ピラリス)の体から薄く、魔力の糸が見える。


(あそこから無理矢理魔力を補ってる。)


「ソーマ!ゾムさん。奴は魔力を外からもらっている!」


二人の顔はハッとし狩人(かりうど)の目になる。


”だからどうした!なら、切らせなければいいだけの話だろ!”


蚯蚓(ピラリス)は触手を振るうスピードをさらに上げる。


——もう、目では追えない。


三人は経験だけで触手を捌いていた。


(見えねぇ……。本当にいままでの()()だけで避けられてる。)


ゾムは触手を感覚で出てきたところを叩き潰す。


——ズブ


ソーマは一本捌ききれずに肩に触手が突き刺さる。

触手の先についた鋭い鉤爪がソーマの肩にぽっかりと穴をあける。


「ソーマ!」


エリックがソーマの方に注意を向ける。


「平気だ。これくらい、大したこと……。」


ソーマは平気を装うが痛みに顔を歪める。

肩から血がポタポタと滴り小さな水たまりを作る。


一般攻撃魔法(マサーシュ)


エリックは上から白い光を放つ。

蚯蚓(ピラリス)の体は三割が一気に消滅する高火力だが

魔力の供給源は断ち切れずにあっという間に傷は再生する。


(なんだ……わずかに回復で来ていない。)


エリックはまた戦いは続行できるがわずかに蚯蚓(ピラリス)の顔の一部が欠けていることに気づいた。


(無理やり再生を維持してる……。)


(なら——もう保たねぇ。)


ゾムはにやりと笑った。


エリックと同じことに気づいたからだ。


「決めきるぞ!道は俺が作る!」


ゾムは空中を蹴り蚯蚓(ピラリス)の前に躍り出た。


蚯蚓(ピラリス)は格好の的が表れ無我夢中で触手をふるう。


ゾムはメイスですべてまとめて地面に叩きつけてすべて根こそぎぶち切る。


(馬鹿な……!触手が全部!)


蚯蚓(ピラリス)は慌てふためき体をふるう。


——ドゴンッ


ゾムの体が地面に叩きつけられる。


地面に叩きつけられ、メイスが手から離れる。


「……っ、はは……上出来だろ」


立ち上がれない。


それでも——道は、開けた。


「もう終わりだ。」


——一等星(いっとうせい)


旋回影切(せんかいかげぎり)


一等星(いっとうせい)——エリックが独自に生み出した無属性魔法の奥義


それは対象を圧倒的な質量で消す。


それをさらにソーマの影が細切れにする。


——音が、消えた。


崩れる音だけが、遅れて響いた。


”グアアァ!”


蚯蚓(ピラリス)の絶叫。


それと共に体が崩壊する。


災害の悪魔(カタストロフ)は見切りをつけてとっくに退散していた。


一瞬の静寂。


それと共に勝利が現実となる。


「終わったんだな。」


「あぁ。」


エリックとソーマはやっと方の荷物を一つ下ろせた。

そう思った時だった。


——ドン


鋭い銃声。


そこにいたのは——“戻ってきてはいけないはずの存在”だった。


「ピピ、なんで?担架に運ばれてたのでは……。」


——ドン


ピピはエリックの言葉を無視して蚯蚓(ピラリス)に弾丸を刺す。


「お兄ちゃん」


——ドン


「まだ、生きてるよ」


——ドン


「全部、潰さなきゃ」


銃口は一切ブレない。


「細胞一つ、残さず」


——ドン、ドン、ドン


笑っていた。


泣きながら。


壊れたみたいに。


いや——


もう、とっくに壊れていたのかもしれない。


壊れた少女は止まらない。


——誰にも、止められない。

「静かだな、リサ。」


「嵐の前ってやつね。」


「……ねぇ、あれ」


「は?」


「G」


「なんで今出るんだよ!!」


「撃つ」


「待てピピもう撃ってる!!」


「焼くわよ」


「リサまで燃やすな!!」


「全部潰す」


「戦場じゃなくて駆除現場だろこれ」


「「次回!」」


「「「戻す物と暗すぎる休息」」」


※辛くなったら次回予告で目を休ませてね。大体くだらないから笑


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