三十九話 地震と蚯蚓(ミミズ)
瓦礫の街に、静かな緊張が張り詰める。
空は厚い雲に覆われ、地面には戦いの跡が散らばっていた。
「……来るな。」
小さな声で呟く者もいれば、拳を握りしめる者もいる。
しかし、全員の視線は同じ一点——
空中に漂う巨大な影、そしてその背後に見える異形の姿。
それは、災害そのものの化身だった。
「ここが俺たちの戦場だ。」
一人が踏み出すと、他の仲間たちも次々と立ち上がる。
剣と魔法、鉄と魔力——全てがぶつかり合う瞬間が、今、始まろうとしていた。
「悪いな、悪魔。ここは俺の戦場だ。」
——十字影!
ソーマは剣をクロスに構え、振り抜く。
斬撃の形をした影が飛び出し、災害の悪魔の胸を真っすぐ狙った。
『妾は何も出来ぬ。その代わりと言わぬが……蚯蚓、代わりに相手をしてあげてください。』
“わかりました、聖母様。”
蚯蚓は、災害の悪魔にしか聞こえない声で答え、ソーマの攻撃を受け止める。
(ソーマ君の攻撃が防がれた! 私の射撃なら貫通できる!)
ピピは魔法陣からスナイパーライフルを取り出す。
(弾道の可視化発動)
スコープに光の矢印が走り、弾道が可視化される。
(あのミミズ、打ち抜く——!)
だが次の瞬間、蚯蚓は照準から消えた。
(まずい……消えた!?)
悪魔を倒す条件はひとつ。
核の破壊。
ピピはその一点を狙っていた。
しかしスナイパーは近距離に弱い。
今のピピは完全に無防備だった。
”甘いな。そんなちんけな玩具では、我らには勝てぬ!”
——地割
空を裂く轟音と共に、蚯蚓が落下する。
——ガン!
「若いかわいい娘を守るのがお父さんの役目だろ?」
ゾムがメイス一振りで押しつぶしを止めた。
(いつパパになったんだ?まぁ助かったけど……)
「ゾムさん、ありがとう!」
「当たり前だ!」
ゾムは笑いながら、空気の足場で押し返す。
——空中歩行
足場を空気で固定するゾムの固有魔法だ。
『あら、後の五人は逃げたようですね。』
災害の悪魔が静かに笑う。
「違うね。」
ピピはスナイパーをショットガンへ切り替えた。
「お兄ちゃんはもう、勝手に私を見捨てない。」
その頃。
「さらに二手に別れよう。マチルダ、ルンタとクサナギを頼む。」
「任せろ!……ってクサナギどこだ?」
『旦那の腰だよ俺っち!』
「リサは僕と行く。」
「了解。」
マチルダとルンタは林へ走る。
(近距離は拙者、遠距離はエリック殿とリサ殿か……)
「マチルダ殿、利き腕を失っているのに大丈夫か?」
「心配すんな。俺には——足がある。」
鉄を纏った足を地面に踏み込む。
——鉄鬼脚!
ルンタの刀が緑の風を纏う。
——風の太刀・嵐狼煙!
しかし蚯蚓には軽く弾かれる。
「チッ……硬ぇな」
その瞬間。
「今だ!」
マチルダが跳び上がり、鉄の蹴りを叩き込む。
——ドン!!
蚯蚓が吠える。
「エリック!リサ!撃て!!」
無数の魔法陣が展開される。
——ゴモモモ!!
「安心しろ、痛くはしない。」
——連続一般公用魔法
——100連燐光炎極
光と炎が戦場を埋め尽くす。
(……意味わかんねぇ火力だな)
ソーマは呆然とする。
(質量で押し切る気かよ)
ゾムは距離を取る。
空が焼ける。
そして——
誰もが思った。
——やったか?
しかし。
蚯蚓は、あくびをした。
”なんだ?眩しかったぞ”
「……マジかよ、まだ生きてるのか」
エリックは肩で息をする。
「しぶといな、お前。」
ゾムがメイスを構える。
——戦いはまだ終わらない。
「あのミミズどっかで見たことないか?」
「えっっとそうかな?気のせいでは?」
「まぁ案としては某海賊漫画から持ってきてますけど……。」
「あの五人の老人……」
「リサ殿消されるぞ。」
「〇〇〇ー○ー○発令!」
「ちと待て!もうそれ分かっちゃうから駄目だよ絶対。ほんとに消されちゃうって!」
「……次回」
「「「集団リンチとピピの覚悟」」」
「集団リンチって作者どうしたの?」




