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二十九話 カザンと親子喧嘩

聖剣の里——かつての栄光は今、暴虐と争いに染まる。


ルンタとクサナギ、そして元里長ロウ。三人の覚悟が、狂気のカザンの前で試される。


溶岩が流れ、桜が舞う中、信念の刃がぶつかり合う。


果たして、守るべきものを選ぶのは誰か——その答えは、この戦いの果てにしか現れない。

——ジャッ


ルンタがクサナギを抜く。


カザンと戦う覚悟は、すでにできていた。


だが——


ロウが前に出る。


「クサナギとその剣士よ……悪いが、これは親子喧嘩だ。手を出さないでくれ。」


ルンタはその声に、一瞬で理解した。


(……これは入れない戦いだ)


素直に距離を取る。


『ロウ……無理すんなよ』


クサナギが、かすれるように呟いた。


その声には、責任が滲んでいた。


——自分が生んだ“争い”だという罪悪感。


『永遠に、俺に膝をつけ!』


カザンの声が響く。


——溶岩流(フルクトゥス)


地面が裂け、灼熱の溶岩が噴き上がる。


空気が歪み、肌が焼けるほどの熱。


粘度が変わる。

重く、鈍く、逃げ場ごと押し潰す力。


それが一気にロウへ殺到した。


——だが


キィン


澄んだ音が走る。


見えない刃が、溶岩を“断つ”。


『忘れたか?わしの固有魔法を』


ロウの音は、刃になる。


空気すら斬撃へ変える魔法。


(見えないなら、全部覆うまで)


カザンは地面ごと溶岩を広げる。


赤い壁が世界を埋め尽くす。


『全部覆えばいい……らしいな』


ロウは小さく息を吐いた。


「甘いな」


剣が一閃。


——パンッ。


溶岩の壁が空中で砕ける。


熱と破片が舞う。


『あはは……そうだったな』


カザンは笑う。


だが次の瞬間。


溶岩の性質が変わる。


『粘り気を変える……連撃だ』


ジュッ。


圧縮された溶岩が矢のように飛ぶ。


着弾と同時に、地面が爆発するように広がる。


(足場を奪う気か……)


ロウは後退しながら斬撃を捌く。


『カザン様ァ!』


『やれ!』


歓声が上がる。


(……誰も、わしを見ておらんか)


その瞬間、別の声。


『ロウ殿!負けるな!』


エリックの声だった。


『行けジジイ!』


リサも叫ぶ。


『俺っちも信じてる!』


クサナギの声。


その瞬間だけ、空気が少しだけ軽くなる。


(……まだ、いるか)


ロウは小さく息を吐いた。


——その時。


『溶岩のディセクタム


無数の線が世界を切り裂く。


触れた桜が、木が、地面が、音もなく溶けていく。


「……何故、関係ないものまで巻き込む」


ロウの刀身が、じわりと崩れ始める。


『邪魔だからだ』


カザンは即答した。


『必要ないものは全部いらない。仕方なかったって奴だよ。』


「……違うな」


ロウは静かに首を振る。


「力に理由はいらん。だが——正しさには責任がいる」


『興味ねぇよ』


花びらが一斉に溶け落ちる。


『それがジジイの正しさなら——殺す理由になる』


——地獄の祭(フルガ)


世界が反転する。


地面は溶岩と化し、竜巻が立ち上がる。


無差別の災害。


エリック達は防御するが、衣服すら焼かれる。


『これだ……これだよ!』


カザンは笑う。


狂気だけが残っていた。


『ひれ伏せ。恐怖しろ。それが俺の望みだ』


ロウの刀身は、すでに限界だった。


『ロウ……!』


クサナギが叫ぶ。


飛び出そうとする刃を、ルンタが止める。


「行くな」


『でも!』


「まだ終わっていない」


ロウは——立っていた。


ボロボロの刃。


それでも、揺れていない。


『はは……哀れだなジジイ』


カザンが見下ろす。


『もう終わりだろ』


沈黙。


そして——


ロウは、最後の力で言葉を絞り出す。


「……わしの思いは、死なん」


その瞬間。


音もなく。


ただ静かに——消えた。

「イライラするわ〜。」


「どうした作者、初手からそんなことを言って」


「だってカザン書いてると超ムカつくもん。」


「ほら“ 仕方なかったってやつだよ。”こことかさ。」


「初めてだよ、自分で作ったキャラをやばいって感じたの……。」


『そう作ったのはお前だけだな。』


「カザン……よくも!」


「ダメだ今日は作者が疲れてるまともな会話をしていない……。」


「——次回」


「暴虐と失墜」


「ごめん、遅れた!」


「寝てた!」


「エリック殿、リサ殿、もう終わったぞ。」


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