表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/63

二十三話 繋ぐ命と蒼い炎

炎とは、燃えるものを焼くだけの存在ではない。


見る者の心を映し、操る者の決意を映す鏡だ。


リサの青い炎は、怒りでも恐怖でもない。


——ただ、「やる」と決めた意思そのもの。


正直すぎて困るくらい正直。嘘をつかない。


だから時に、戦場で笑ってしまうほど残酷なこともある。


でもまあ、焼きすぎて髪の毛が青くなるくらいなら、見ているこっちも笑うしかないのだ。


「炎が……喰われた……。」


——場面は変わりキョウト近郊のある森


リサは膝をつき息を飲むことしかできなかった。


ハイオークはそんなことも気にせずに焼かれた自分の腕を喰う。


——ガシガシガシ


白い炎の腕が変形してクロスボウが生える。


——ビュッ


エリックは肩を抑えながら無属性魔法を放つ。


しかしハイオークはびくともせず、悠々と佇む。 


(出血が酷い……僕程度の回復魔法じゃ止めきれない……。)


エリックは体に寒気を覚え始めた。


「ソノオトコ……イイセンドダ!」


ハイオークはエリックを視界に収める。


エリックは防御魔法を展開しようとするが急に視界がグニャリと歪み地面に崩れ落ちる。


(く……そ、目が回る。)


視界にどんどん炭がら入るように黒くなっていく。


エリックはあまり大柄な方ではない。


ハイオークの巨大な矢で肩を撃ち抜かれたエリックは血が足りなくなるのが早いのだ。


(……国を守った“英雄”が失血死なんてな……。)


その時、エリックは何か温かい物に覆われる感覚をうっすらと覚えた。


——ハァハァ


と何も見えない視界でも荒い息遣いが遠くで聞こえる。


「エリックは食べ物じゃない!」


リサは子供のように癇癪を起こす。


「エリックは、本当にどうしようもないけど、それでも私の大切な人よ!」


リサは急に泣き出す。


恐怖と怒りで情緒がおかしくなっているのだろう。


「エリックを食べ物扱いしたこと後悔させてあげる!」


          ⬛︎⬛︎⬛︎


——リッちゃん僕の魔法みせてあげよっか?


戦争帰りで頭にグルグル包帯の兄が言う。


「なになに!見せてよ!」


兄は幼いリサの頭を撫でる。


リサは頭を撫でられてご機嫌のようだ。


——いくよぉ!それっ!


兄の手のひらから青い色の炎が出る。青い炎はリサを青く照らす。


リサは吸い込まれるように見つめる。


「きれいだねぇ。」


——だろ!この炎はなぁ。“魔力を燃やす”炎さ。物体じゃないから火事にはならない。


「ふーん。でもこれお兄ちゃんの“固有魔法”でしょ。」


——まぁそうなんだけど、俺の理屈上ではリサでもできるはず?


「えぇー?だって私の魔法は現象の反射(フェノメナエ)と属性魔法の炎と光だけだよ?」


リサは頬を膨らませる。


兄は頬を摘んでリサの口から強制的に空気を吐かせる。


——それがあれば十分さ。少し大きくなったら教えてやるよ。青い炎の作り方。


「うん。」


        ⬛︎⬛︎⬛︎


しかし、それが叶うことはなかった。その後一ヶ月後に兄は戦死したからだ。


(でも、このタイミングで思い出したってことは、)


——今ならできる。


(つまり、現象の反射(フェノメナエ)で炎を反転させてみたら……?)


——ゴオオオオ


リサの手のひらの炎が青くなる。それはやがてリサの腕全体に広がり腕を包む。


リサの金色の髪の毛先が青に染まる。


目に蒼炎が灯る。


(魔力の質が変わった……。)


少し休んで視界が少し良くなったエリックがリサの変化を見る。


(魔力の流れがよくわかる……すごく調子がいい……。)


蒼炎(アズレア)


リサの放つ蒼炎はハイオークの巨大な爪に当たる。すると爪がドロっと溶けて歪な形になる。


「マリョク……ガ……ヤケル。」


ハイオークは苦悶の表情を浮かべる。


(リサ……僕よりも早く“魔力覚醒”するとは……。)


——魔力覚醒


魔法使いがある一点に達した時の境地。


自分の固有魔法を骨の髄まで理解することで全く新しい解釈に発展する。


全く違う固有魔法に変わるものと既存の固有魔法が発展する二つのケースがある。


——今、リサは最高に調子がいいのだ。


「ヤル……ナ。」


ハイオークは背中に手を回す。すると刺さっていた大剣を肉が切れる生々しい音と共に引き抜く。


「スコシ……ホンキ……ダスゾ」


——大地断裂(だいちだんれつ)


ハイオークは大剣を地面に振り下ろした。


一瞬音が消えた。


——ズドドドド!


次の刹那、


——大地が割れた。


正確にはリサ達の正面に大きな亀裂が走っている。


木も根こそぎ倒れ、土も盛り上がる。


新しい大地ができてしまうのではないか?と本気で思わせる一撃だった。


「エリック!もう少し待ってて!絶対倒すから。」


「お前……さっきまでそんなキャラだっけ……?」


「そこで休んでて、止血とかは勝手にしてて。」


リサはエリックを一撃から守って戦地に直ぐに戻った。


「ニ……ガサナイゾ!」


ハイオークは大剣をリサに振るう。


ハイオークが振るうたびに木は折れて地響きがなる。


(……動きは遅いけど一発でも当たったら死ぬのがわかる。)


リサは体格差を利用して大剣を避けて隙を蒼炎を放つ。


「チョコマカ……シヤガッテ!」


——断層(だんそう)


ハイオークは大剣を荒れた大地に白い炎と重い剣を豪快に叩きつける。


リサはほんの少し避けるのが遅れて肩をざっくり切ってしまうが、気にしない。


蒼い焼却(ムママクシマ)


リサはハイオークに蒼炎をまとい触れる。


——ボッ


ハイオークは青い炎に包まれ苦しむ。


体の様々な部位が剥がれ落ち灰となって散る。


「ア……アリエナイ……、カラダ……ガ……。」


ハイオークの体の一部がどんどん焼け落ちていく。


(タダ……ミナ……トチガッタ…….ダケナノニ。)

「ルンタのクサナギの獲得に続いて、リサの覚醒……作者まだ序盤だよね?これからどうなるの?」


「エリック……これからも適当な感じに、敵と戦ったりエリックがボケ倒したり……。そんな感じだよ。」


「うんうん。その感じが“自宅”だよね。」


「リサ殿、微妙にわからないたとえやめようか。」


「てか、序盤でしょ……もう打ち切りにならないの?」


「「私ら七冠を忘れるな!」」


「会議でチラ見えしただけで終わるわけないやろが!」


「と言うことで次回……」


「「「代償と違っただけ」」」


※ここでは敵味方関係なく仲良いです(オフなんで)

最後の関西弁はδ(デルタ)です(忘れてないよね?)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ